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俺は今、初めて決心というものを知った。
「ラプスディアさん」
俺は立ち止まり、振り向いて、彼女に声をかけた。
「どうしました?」
すると彼女も立ち止まり、不思議そうに尋ねた。
「ラプスディアさん、さっき魔力量が乏しいって言ってましたよね。実は僕も、魔法ダメダメで……。失礼な話ですが、他にもいるんだなって少し、安心しました。そこで、よかったら…… あなたの卒業、お手伝いしてもよろしいですか?」
俺に言える資格があるのかなんて、そんなの俺にはわからないけど……。
俺の言葉を聞いた彼女は、目を見開いて驚き、うつむいて……。数秒後、意を決したように顔を上げた。
「何故ですか?」
彼女がしっかりとこちらの目を見て尋ねる。
何故、か。きっと明確な理由なんてない。ただ……。
「何かを成し遂げる時、一番大切なのは『助け合える仲間がいること』。もし、あなたがその条件に立ち向かうというのなら、僕が仲間『第一号』になります。……答えにはなっていないかもしれないですけど……俺が、そうしたいんです」
俺は彼女に目を合わせて、淡々と自分の意見を伝えた。普段出ないような言葉が、頭になだれ込んでくる。きっと……この時、俺は、重ねていたんだと思う。
自分の弱さに押しつぶされた『過去の自分』と。
すると、彼女はプッと吹き出して思いっきり笑い出した。この子はこんな素敵な笑顔ができたのか。…て、ちょっと! そこは「キャッ、イケメン!」ってなるところでしょうが! こう笑われるとカッコつかないんですけど‼︎
「入学初日からこんな大胆な人に会えるなんて……私も大概に幸運ですね」
彼女はそう、幸せそうに言った。
「……ずるいですよ、そういうの」
「え?」
ほんとずるいよそういうの‼︎ 俺を誘ってんのか⁉︎ ……おぉっと、いけないいけない……相手は中学生だぞ、平常心だ平常心。それに、取り乱したらせっかくのイケメン(笑)が台無しだからな!
「あの、ところで……返事は」
「ふふ、そんなの” 『お願いします』に決まってるじゃないですか」
……はぁ、可愛い。ありがとう神さま。今心からあんたに感謝してるよ。ありがとう、本当に。
「……ほっとしました。これでダメだったらどうしようかと」
ダメだったら俺めっちゃカッコ悪いからな。カッコ悪いのは前世の死に方だけで十分だ。
「でも、手伝うって言ったからにはビシバシやってもらいますからね!」
「……お、お手柔らかにお願いします」
「それと、敬語やめましょう! これからは”仲間”なんですから」
あ、はい。ありがとうございます。今の天使のような微笑みで無事死にました。だが俺は何度でも蘇るさ(テンションMAX)。
「……ところで、ナハーテ君。今、時間……どのくらいかな?」
……あ。なぜだろう、デジャビュを感じた。
「いや、まだ、間に合うかも……しれないから。……よし!走ろうか‼︎」
後のことは考えず、俺達は無心の限りを尽くして走った。