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初コメ失礼しますm(__)m 続き楽しみに待ってます!!
やだん好き
みんなが僕を叩いても、みんなが僕を無視してもそれを叱る大人はいない。だって僕は呪われているから。
どんなに泣いても、どんなに助けてと叫んでも誰も助けてくれない。だって僕は人じゃないから。
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孤児院で、小さな男の子が崖から足を滑らせて落ちてしまったそうだ。その崖はとても高く男の子は、目を逸らしたくなるほどの惨劇で、翌日には、遺体を燃やし急遽火葬することになった。
男の子の遺体はできる限り集め棺の中に入れて裏庭に置く事になったそうだ。
そして翌日 その棺の中から子供の鳴き声が聞こえ、孤児院は大騒動になった。
院長が棺を開けると、死んだはずの男の子が五体満足の姿で泣いていたそうだ。
その男の子は、”白髪でオッドアイ”の悪魔の子だった。
その男の子は、その日以来、みんなから虐められていた。気味が悪い 悪魔の子だと、大人からも罵られ煙たがられた。
その男の子は、悪魔の子なんかではないのに、人の心を誰よりも持っていたのに
男の子は、異能に絶対に死なないという呪いをかけられた。
どんなに瀕死の重症だろうが、歳を取ろうが、刺されようが、次の日には元通りになっている。
男の子はいつしか死を恐れなくなった。
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すきま風が入り、夜は月明かりも入らない暗い部屋で男の子は8度目の誕生日を迎えた
だからといって、誰かに祝われたりケーキを貰ったりする事はないが、今年は一つだけ楽しみな事があった。
それは、孤児院から出ること
いや、正確に言えば追い出させるのだけれど
これは前から決定していたことだったらしい、
気味の悪い子を置いておけないと、みんなが院長に訴えたそうで、最初は反対していた院長だったが、8歳までと条件を出し僕を追い出す事に賛成したそうだ。
そして、今日がその日
高まる高揚感に僕は足取りが軽くなる。
見送りをしてくれるような友も、別れを惜しんでくれる友もいないけど、僕の門出はそのくらいがちょうどいい
「さようなら」
僕の言葉に返してくれるのは冷たい風だけだ。
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男の子は行先もなく川のほとりを一人で歩く
春とはいえ、まだ肌寒い中ちゃんとした衣服もない男の子はさぞ”可哀想”に写っているだろう
男の子は寒さを感じない
だから、なんとも思わない。
だが、その他の感覚はある。
だからお腹も減るし、痛いものは痛い
ただ、人より多く耐えられるだけだから
餓死することは無いとはいえ、お腹のすき具合は異常なほどにあがる
いっその事土でも食ってしまおうかと考えていると1人の男性に声をかけられる。
男の子は、その男性に向き直り警戒しながら話しかける。
「なんのようですか?」
男性 「いや〜迷子かなっと思ったんだけど違うかい?」
「迷子じゃないです。僕に帰る家はないので」
男性 「君 孤児院の子かい?」
「そうですけど」
男性 「ふーん、名前は?」
「名前ですか?」
男性 「そう、君の名前」
僕は、今初めて人から名前を聞かれた
孤児院では悪魔の子と呼ばれ 院長には番号で呼ばれていたから、自分の名前などほとんど忘れていた。
咄嗟のことに少し言葉が詰まった。
初めての経験だ。僕は、少し間を置いてからその人に言う。
「僕の名前は、なかじま、中島敦、」
男性 「そうかい、いい名前だね、」
敦 「あなたの名前は?」
男性 「おや、私の名前かい?」
男性 「私の名前は、」
森 「皆からは、森先生なんて言われているよ」