テラーノベル
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長机に広げられた世界地図。薄暗い部屋に集まった彼女たちは、軍服の肩章や勲章を光らせながら椅子に座っていた。
ドイツ(地図を指差しながら)
「さて、作戦会議を始めるわ。イタリア、あなたの“華麗なる進軍”のおかげで、また私が穴を埋めることになったの」
イタリア(ふんと胸を張り、手袋を直す)
「芸術に犠牲はつきものだよ、ドイツ! ぼくは歴史に残る舞台を演出してるのさ!」
日本(静かに茶を啜りながら)
「…そういうのきもいんだけど、 」
ハンガリー(にやりと笑い)
「ドイツ、私も参戦を増やす用意がある。あなたに忠誠を尽くすのは、決して無駄じゃないはずよ」
ルーマニア(机に頬杖をついて)
「ふぅん、でも“忠誠”なんて言葉、戦況が不利になったらすぐ変わるでしょ?ねえドイツ?」
ドイツ(冷たく笑って)
「裏切る時は、せめて私の背中を撃ちなさい。正面から撃てるほど勇気はないでしょうけど」
フィンランド(腕を組んで)
「くだらない。私は自分の雪原だけ守れればいい。……ただし、ロシアが相手なら話は別だ」
ドイツ「それで十分よ。あなたの冬は、ソ連にとって地獄だから」
イタリアが退屈そうに口笛を吹き、ドイツが眉をひそめる。
日本「……」
沈黙。
地図の上で、赤い線がじわじわと広がっていく。
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