テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
25話『まだ出会う日まで - その先の約束』
あれからさらに時が経ち、澪と僕は少しずつ変わりながらも、ずっと一緒に歩んできた。それぞれの場所で、忙しい日々を送っていたけれど、心の中で感じる「いつか一緒に住む」という夢は、やっぱり消えることはなかった。
会うたびに、少しずつ言葉にしていった。「いつか、一緒の家に住んで、毎日を共に過ごそう」と。最初は漠然とした希望だったけれど、次第にそれが現実に変わり始めた。
そして、ついにその日が訪れた。
新しい家、二人の始まり。
「悠斗、今日から一緒に住むんだね」
澪が笑いながら言ったその言葉は、どこか照れくさそうで、でも嬉しさがにじみ出ていた。僕も同じ気持ちだったけれど、少し照れくさくて、彼女を見つめることができなかった。
「うん、ついに実現したね…」
言葉にならない気持ちが、胸の中で溢れている。でも、何もかもが新しいことが嬉しくて、自然と顔がほころんだ。
二人で選んだ新しい家は、明るくて温かい場所だった。広すぎず狭すぎず、ちょうどいいサイズのリビングがあり、大きな窓からは朝日が差し込む。二人で選んだ家具や、澪が選んだカーテン、ちょっとした小物たちが、まだ新しいけれど、どこか落ち着く空間を作り出していた。
「これから、二人で作り上げていこうね」
澪がそう言うと、僕はうなずきながら彼女の横に座った。手を伸ばして、少しだけ彼女の髪を撫でる。その仕草が、なんだか照れくさいけれど、心からの優しさを感じた。
「うん、僕たちの家だね。これからここで、いろんな思い出を作っていこう」
僕の言葉に、澪は満面の笑顔を返してくれた。その笑顔が、どこか安心感を与えてくれる。
最初の夜、二人はリビングで静かに過ごした。まだ引っ越しの片付けが終わっていないけれど、それでも一緒にいることが何よりも幸せだった。夕食は簡単に済ませて、ソファに並んで座りながら、これからの生活について少しずつ話をした。
「悠斗、これからのこと、ちゃんと考えてる?」
澪がふと真剣な表情で聞いてきた。
「うん、もちろん。僕たちは、これからもずっと一緒にいるつもりだよ」
その言葉に、澪は安心したように笑顔を見せてくれた。
「私も。だから、これからはお互いにもっと支え合って、いろんなことを一緒に乗り越えていこうね」
その言葉に僕は深く頷いた。何年後も、何十年後も、この家で、同じ空間で、同じ時間を過ごすんだと思うと、心があたたかくなる。
「絶対に、ずっと一緒だよ」
その一言に、二人の未来がすべて詰まっているような気がした。
日々の生活は、予想以上に穏やかで心地よかった。朝、澪が作った朝ごはんを二人で食べ、仕事に出かける前にお互いに「行ってきます」と言い合う。そのたびに、今までの遠距離生活が遠い昔のことのように感じた。
「悠斗、おかえり! 今日もお疲れ様」
澪がにっこりと笑って迎えてくれる。その姿を見るたびに、ただ「帰る場所がある」ということが、どれほど幸せなことかを実感する。
「ただいま、澪。今日も一日、頑張ったね」
そう言いながら、リビングのソファに座り、澪が持ってきてくれたお茶を飲む。二人で過ごす時間が、何気ない瞬間であっても、こんなにも幸せで満たされるものだと、心から感じていた。
何度も言葉にしたけれど、この家での生活が本当に素晴らしいと感じるのは、毎日の小さな瞬間が大切に思えるからだ。
例えば、澪が疲れて帰ってきた時に、僕が肩を揉んであげる。逆に、僕が忙しくてへとへとになった時、澪が優しく声をかけてくれる。そのさりげないやり取りが、何よりも心地よくて、安心感を与えてくれる。
そして、夜寝る前には二人で手を繋ぎながら眠りにつく。どんな日でも、一緒にいることが当たり前のように、心が落ち着く。
未来への約束。
ある晩、静かなリビングで、僕は澪に言った。
「ねぇ、澪。これから先、ずっとこの家で二人で暮らすんだよね」
その言葉を、僕は少し照れくさくて、でも心から言いたかった。
「うん、もちろん。ずっと一緒に、どんな時も支え合って生きていこうね」
澪が微笑みながら答えてくれる。どんなに歳を重ねても、どんなに時間が過ぎても、この家で共に歩んでいく未来が、もう決まっているかのようだった。
その夜、二人で静かな約束を交わす。
「これからもずっと、一緒にいよう。どんな未来が待っていても、二人で乗り越えていこう」
その言葉に、心からの確信を感じながら、手を握りしめ、深い眠りについた。
おわり