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6月1日 曇り
今日はパトロールに行った。
粗方回った後、グレーが話しかけてくれた。
内気な彼がだ。しかも数分では無く一時間も話し込んでしまった。
いつもの彼なら聞く役に回りがちだが、今日は彼もよく話してくれた。
ただの世間話でも、だ。
あんな表情は初めて見た。彼は、大きな一歩を踏み出したんだ。
どんよりした天気とは逆に、凄く晴れ晴れした気分でいられた。
6月2日 雨
今日はジェヴィンが来た。
買い物に行く最中、雨に降られたそうだ。ここに来る途中に怪我もしたようで、彼の服の裾に血がついていた。
彼は昔からめんどくさがりだ、私が治療しないと放っておくだろう。それに、今日はもう止みそうに無いし、泊まらせた。
せっかくの客人だ、彼の希望の食事を出したかったが、生憎パンしか無く、今日食べる予定だったシチューを出した。
野菜だけのシチューとパンしかない、味気ない食事だったが、二人で食べると特別な物に思えた。
それに、なんと明日教会でジェヴィンが夕食を作ってくれる様だ。
彼の教会の土地で作った野菜はとても美味しいんだ。
明日が待ち遠しい。
6月3日 雨のち晴れ
昨日書いた通り、今日はジェヴィンの教会へ行った。
メニューは肉炒めに野菜のスープ、豆にパン。
ご馳走じゃ無くてすみません、と言われたが、俺から見れば大ご馳走だった。
普段生地系の物しか食べないからな、素朴な味付けの肉が美味しかった。
初めて食べる味だったから、何の肉を使っているか聞いたら、うまい具合にはぐらかされた。
企業秘密ってやつかなぁ。まぁ、ジェヴィンの事だし、飼ってる羊か何かだろう。
また明日も頑張ろう。