夢

渡辺を横たえ、シーツをかける。渡辺は、目黒に抱きついている。背中をポンポン叩きながら、渡辺を寝かしつける。

目黒ー大丈夫、大丈夫。

渡辺ーんっんっ〜。

目黒ー俺は、こうして、翔太くんのそばにいる。

渡辺ー怖い。

目黒ーいなくなんない。

渡辺ー絶対？

目黒ーん、絶対。翔太くんを1人にしない。

ようやく、渡辺も落ち着いてきた。

でも、眠れない。

目黒は、ゆっくり眠っていく。

疲れてるんだ、起こすわけにはいかない。

口を押さえて、声が出ないようにして、目黒の腕の中。静かに泣く。

朝になって、目黒は渡辺が眠っていないことを知る。

撮影に向かう渡辺の手を取り、キス。目黒も、もう仕事に行く。

目黒ー寝てないのに大丈夫？

渡辺ーんっ、いつものことだから、大丈夫。

目黒ー考えないとね。

渡辺ー仕事行こう？

目黒ー今日は早く帰ってくる。

渡辺ーんっ。

仕事が終わり、渡辺が先に帰って来た。

目黒のいない部屋。

寂しくて、悲しくて、玄関マットの上に座っている。

早く帰って来て。まだかな？

そう思いながら、ドアが開くのを、待っている。

目黒ーただいま、どうした？

渡辺ーんっんっ〜。

目黒ー大丈夫、ちゃんと帰って来たでしょ。

渡辺ー遅かった。おかえり。

目黒ー冷えるから、ソファに行こう？

渡辺ーんっ。

目黒の上着の裾を握って付いていく。渡辺は、今日もちょっと不安定。

あの夏からずっとこんな風に過ごしていたのかと思うと、目黒は愛おしいと感じる。

手を洗い、渡辺を引き連れてソファにきた。何よりまず、抱きしめてキスをする。

弱々しく笑い、しがみついてくる。

膝に乗せて目黒は言う。

目黒ー俺は大丈夫。翔太、強くなって？

渡辺ーでも、夢見ちゃう。

目黒ー夢だよ、夢。

渡辺ーでも！

目黒ー大丈夫、翔太くんを不安にさせない。

渡辺ーんっんっ〜んっ。

目黒ー大丈夫、大丈夫。

渡辺ーそれ、嫌い、あのときも、大丈夫って言って具合悪くなって・・。

目黒ー安心して？翔太くんにこれ以上、辛い思いさせない。

目黒は、渡辺をゆっくり押し倒す。

しがみつく渡辺。

服を脱がしていく。渡辺も目黒の服を脱がす。そして、涙を流す。

前に比べて、少し痩せている。

食べても、太らないと言った。

それが悲しい渡辺。

渡辺ー電気消して？

目黒ーん？

渡辺ー見たくない。まだ痩せてる。

目黒ー大丈夫なのに。

渡辺ーんっんっ・・はぁ・・。

渡辺ーもっと・・つよく・・抱いて？

渡辺ーはぁはぁ・・いい・・それ・・たまんない・・あっ・・あっ・・いい・・。

目黒ー俺はここにいる。翔太を愛している。

渡辺ーんっんっ〜んっんっ。

目黒ー泣かない・・不安なときは、いつでも愛してあげる。

渡辺ーれん・・今は俺だけの・・。

目黒ーん、メンバーも、ファンも忘れて？俺は翔太の。

渡辺ーはぁはぁ・・いい・・だめ・・だめ・・それ・・だめ・・。

渡辺は目黒の膝で眠っている。

目には薄っすら涙。

不安な思いさせたくないのに。

目黒はどこにも行かないのに。

泣いて縋ってくる渡辺が可愛い。

目黒ーずっと、そばにいる。

そっと渡辺を抱き上げ、寝室に向かう。

夢を見たら、いつでも愛してあげる。見ない方がいいんだけど。

もし、まだ見るなら、いっぱい愛してあげる。