変態日誌

相談者　「私はいなかで、個人博物館をやっております。」

回答者　「はあ、それで如何なさいました?」

相談者　「世界中を旅するのが好きで、珍品をコレクションにしてたんですが、もっと世の中に異世界を知らしめるべきだと思いまして…」

回答者　「珍品と言いますと…」

相談者　「ええ、きっかけは十年前に母親を介護の末無くしまして、その時に、尿瓶が非常に使いにくい…しかし母親の死後、フランスに行きましたら画期的な美術品の様なものを見つけました。現在は博物館方々、希望者には取り寄せをしております。」

回答者　「で、何か問題が?」

相談者　「ええ、吸い飲みと間違う人がおりまして、充分堪能された後、『尿瓶ですよ』とは言い難く、ハッキリ言ったほうが良いんですかねえ?」

回答者　「え⁉販売された時に説明はされなかったんですか?」

相談者　「それはもう。こういう事はアンテイークが多いもんで、余り余計な事は…」

回答者　「そうですか…」しばらく黙っていたが、「言わないほうが言いでしょう。お客様の美意識の為にも。」と言った。