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団蔵 「」左吉『』
とある日のことです。
パチパチッパチ
耳をすませば心臓の音が聞こえそうな程静かな部屋に算盤の打つ音が響く。
「Zzz…」
駄目だ…寝るなんて、優秀な1年い組としてのプライドが許さない……
だが、左吉は既に限界だった。
なんせ、もうかれこれ4徹はしているのだ。
『うぅ…』
左吉は、呻き声を上げた…かと思いきや、算盤に顔を突っ伏し、息を吸うかのように眠りについた。
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…吉
左吉!
『?!ガバッ』
耳が張り裂けそうな程の大声に、左吉はヒュッと息を飲んで起き上がる。
『田村三木ヱ門先輩…』
《もう朝だぞ、そろそろ授業が始まってしまう》
『んぐ~…分かりました。』
大きく背伸びをし、クマができた目を眠そうに擦りながら立ち上がった。
まだ、あまり頭が回っていなかったが、そこで左吉は気付くことが出来た。
今、思い出せば…何故だったのだろうかと、疑問に思ってしまう。
『ところで、団蔵は?』
《あぁ、団蔵ならお前より先に起きて行ったぞ。》
あの、阿呆の1年は組が優秀ない組の僕より先に起きた事に少々腹を立てた。
『…そうですか。……では、僕はここで。』
その怒りをゴクッと飲み込み、左吉はその場を後にした。
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『遅れてすみません。委員会の仕事が長引いてしまいました。』
よくある当たり前の言い訳のように、言う。
だが、そこで気付く。先生が居ない。
1年い組の忍たまだけ居たのだ。