コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
誠也が記憶を失ってから、一週間。Aぇ! groupのメンバーは、再び動き出していた。
『“夢ノ雫キャンディ”と“夢ノ欠片キャンディ”……この2つには、まだ何か繋がりがある気がする。』
晶哉がノートパソコンを開きながら呟く。
【せやな。どっちも“夢”の名がついとるし、単なる偶然とは思えへん。】
リチャードは眉間に皺を寄せながら資料を整理していた。
〈でもさ、あの2つの飴ってどこから来たんや?〉
良規のその言葉に、全員が黙り込む。
《確かに……》
健が頷く。
《スタジオのスタッフも“そんな小道具は知らない”って言ってたし……。あの瓶、誰が置いたんやろな。》
その時、晶哉のパソコンが“ピッ”と音を立てた。
『……あれ?なんやこれ。』
画面に、暗号のような一文が表示されていた。
“三つが揃う時、全ての記憶が帰る”
【三つ……?】
《夢ノ雫、夢ノ欠片……あと一つってことか?》
〈まさか……〉
その瞬間、誠也が静かに部屋に入ってきた。
記憶はまだ戻っていないが、メンバーと一緒に過ごすうちに、“居心地の良さ”だけは感じ始めていた。
「……また何か、探してるん?」
『うん。誠也くんの記憶を取り戻す手がかり。』
「……そっか。」
誠也は画面を覗き込み、その一文を見た瞬間小さく呟いた。
「……夢ノ宝石キャンディ。」
【今、なんて!?】
「夢ノ宝石キャンディ!なんでか知らんけど、その名前が出てきた……。」
〈宝石!?〉
晶哉が立ち上がる。
『夢ノ宝石キャンディ!?そんなの聞いたことない!』
健がスマホで検索をかける。
《出ぇへん……SNSも、過去のデータも全部ゼロや。存在せぇへんみたいや……。》
静まり返る部屋。
“夢ノ宝石キャンディ”という言葉だけが、誠也の頭の奥に小さく光っていた。
【……夢ノ宝石キャンディ。】
〈もし、それがホンマにあるなら……〉
「それで、俺、全部……思い出せるんかな。」
誠也の小さな声に、誰も返事ができなかった。
ただ、その名が確かに、“希望の光”のように響いていた。