テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
Wave3が終わり、バイト終了の合図が鳴った。
待機室に戻ると、恒はつなぎを脱ぐ前にその場にぺたんと座り込んだ。
「おわりだ……」
ペットボトルを抱えたまま、壁にもたれて、足を投げ出している。
肩の力は抜けていて、目はとろんとしている。
完全にふにゃふにゃモード。
ひろは、ブキの手入れをしながら、その様子をちらりと見た。
恒の髪は少し乱れていて、背中も丸い。
さっきまで冷静に敵を処理していた恒とはまるで別人だった。
「……子供みたい。」
思わず口にしてしまった。
その瞬間、恒の目がぱちっと開いた。
「えっ!? 俺、そんなに!? 子供っぽい!? 今!?」
声が一気に跳ねた。
顔がほんのり赤くなって、ペットボトルを抱え直す手がぎこちない。
「いや、ちょっと疲れてただけで……その……ふにゃっとしてたかもしれないけど……!」
ひろは、ブキを拭く手を止めて、恒の顔をじっと見た。
耳まで赤くなってる。
目は泳いでる。
声はいつもより高い。
——なにこれ、
普段は冷静で、無口で、そばにいてくれる恒が、
今は、ただの照れてる年下の男の子になっている。
ひろの中で、何かが完全に崩れた。
——ギャップ、強すぎる。
——守りたい、
恒は、顔をそむけながら、まだ言い訳を続けていた。
「だって、ひろが急にそんなこと言うから……! 俺、別に子供じゃないし……!」
ひろは、笑いそうになって、でも笑わなかった。
代わりに、静かに言った。
「……でも、今は守りたいって思っちゃう。」
恒は、びくっとして、さらに顔を赤くした。
「うわ、それ俺が前に言ったやつじゃん……」
恒は、ペットボトルを抱えたまま、完全に沈黙した。
顔は真っ赤。
目は伏せてる。