遠距離恋愛開始 第十四話、よろしくお願いします。
-ベッド-🎲side
🎲「も…やめ…ッッ♡ もでなぃッッ♡!?」
同居してから初めての性行為だがなにか特別なものを感じられた気がする。それよりも気持ち良すぎてなにも考えられない
と思いっきり突かれるたび、甘い声が出てしまう。
と電話が鳴る。叶は片手でサッと取り、誰かを確認する。確認した瞬間、俺の中にあった”ソレ”はあっさり抜かれて少し遠くに行って話をする。
15分くらい経っただろうか、叶が戻ってきて深刻な顔で俺を見つめる。
🔫「葛葉、僕が今から言うことをちゃんと聞いて」
と手を握りながら言われる。悪い方向じゃなきゃいいんだけど…
は…!?
海外に行くまで残り三日__________。
-翌日-🎲side
どうやら社長ははそろそろ後継者を探しているらしく、一人息子の叶に任せようとしていて、だけど社会人二年目の叶がいきなり社長は荷が重すぎる。と会議で出た。そして社長が決めたことは
約三年間、海外に行き、レベルアップしてから日本に帰ってこいと言うものだった。
行為中だったこともあるけれど、俺は驚きが隠せなかった。海外に行くということはペアも解消されて、二度と会えなくなって…その、遠距離恋愛になってしまう。
川本「葛葉さん、大丈夫ですか? 」
と顔を覗かれる。あの時、俺を誘った川本さんだった。
🎲「大丈夫です」
と下を見ながら答えてしまう。
川本「その…今日お食事でもいかがですか? あの時、私葛葉さんのこと好きじゃないのに、お酒の力に負けて葛葉さんに迷惑かけたこと謝りたいんです。」
なんとなく、振られた気がする。
🎲「ありがとな、でも…俺はこの三日間を大切に過ごさなきゃなんねぇんだ。」
と言うと、川本さんはニコッとして
川本「いえ、忙しくなくなったら、今度ご飯奢ります。」
と言って自分の業務に戻った。
-社長室-🔫side
今は社長室に呼ばれて、デスクの前に立たされている。
社長「お前、前の婚約者も破談にしたそうだな」
…最初に始まるのはお嫁さんの話。
🔫「あの人は他の人との恋愛を望んでいました。それにあの人とはソリが合いません。」
というとはぁ〜…とため息をつき
社長「お前、まさか職場恋愛をしてるわけじゃないだろうな!?」
🔫「それは…社長として言ってますか? それとも父親として言ってますか? 」
社長「どちらもだ。」
僕は虫唾が走り、社長室から急いで出る。その時に言った父さんの言葉が忘れられなかった。
社長「どうせ、海外に行ったら今の女も諦めるであろう」
これは近くにいた秘書に向けた言葉でなく、僕に向けた言葉なんだと理解した。相変わらず、隙も油断もない人だ。
相手の価値観に自分を合わせることは辛い。だからこそ、価値観と合っている人と愛し合ったりするのだと思う。同じ親子なのに父さんと僕には差がある。人としての軸としても、価値観にしても、だから一生分かり合えない。そんな隙を埋めたくて、幼い頃は必死に努力したけど…もうダメみたいだ。
-部屋-🎲side
同居一日目なのに、まさかの二日後に恋人が海外に行くというドラマでもなかなか見ない展開ですが、俺が多分一番ビックリしてると思う。
てか、1時なのに帰ってこないとか大丈夫なのか…? 事故とか…
などと考えているとガチャという音と共に叶のただいまーという声が聞こえる。急いで玄関に行くと、真っ赤だった。これは後日談だが、上司に飲まされたらしい。
🎲「お、おい…大丈夫か? 」
🔫「くずはだ〜、ただいま〜」
とベロンベロンに酔っている。お酒飲むとコイツこんなんになるのかよ。
🔫「いやだ…海外行きたくなぁい!!!」
と激昂する。
🎲「いや…俺いなくなんねぇし…」
🔫「離れんのが嫌なんだよ!!! 」
とキスを落とす。今日は、長い夜になりそうだ。
海外に行くまで残り二日__________。
-海外-🎲side
久しぶりに休暇をとり、叶のパッキングを手伝う。
🔫「服はあっちで買うので持たなくていいし…」
とそろそろ俺の元から離れるということが実感しすぎてて怖い。
🎲「ちょっと忘れてるかもしれないが、お金の面どうすんだよ!?!? こんなタワマン、ただのリーマンが払えると思うなよ!?!?」
と言われて通帳をもらう。
🔫「昨日、三年間分の家賃計算してその通帳中入れといた。あともしもの時のお金も入れてある。どう? 」
🎲「おま…っ、やっぱ最高だな!! 」
喜びよりも若干、三年間分の家賃なんであるんだよ、という気持ちが勝っていたが…通帳の桁にビックリした。普通に四桁万円の半分じゃねぇか。
🔫「葛葉、他の男にしたら…閉じ込めちゃうからね。」
🎲「? りょーっかい!! 」
🔫「少し心配だな…(ボソ)」
🔫「…あっ!! 先輩、今からネックレスでも買いに行きましょうか。」
と手を握ってきた。別に断る理由もなかったので、買いに行くことにしたけど……
-アクセサリー点-🎲side
こんな高級そうなところに連れて行かれるとは思わんじゃん!?!?!?
叶はネックレスのところへと行き、真剣に考えていた。これは…邪魔しないほうが良さそうだな…
-一時間後-🎲side
一時間後、叶の決断が固まり、買うことにした。
🔫「葛葉、どーぞ」
と箱をプレゼントされる。
🎲「は!? お前のじゃないの!? 」
と言っている間に、叶が箱の中から金のネックレスを取り出し、俺につけた。叶は自分の首から何かを取り出した。
🔫「お揃い、です(笑)」
と楽しそうに笑う。叶のは銀のネックレスみたいだ。
🎲「ありがとな、」
というと、叶はハグして
🔫「ううん、これで安心して行けます…」
と強く抱きしめられる。俺も抱きしめ返す。
海外に行くまで、残り一日__________。
終わりです! あと2話か3話くらいで完結予定です。たくさんの方にご愛読されて嬉しい限りです。
コメント
2件
後少しで終わるって考えたら寂しい~!😭💓