この小説は一切ご本人様に関係ありません。
続科学
shp×em
⚠病み表現、微ネタバレ含、捏造含⚠
わんく
e「……、、」
部屋に足を踏み入れたと同時に、私は足を止めた。扉を開ける前から漂っていた臭いが、さらに強くなった。鉄臭さが自分の鼻を小突く。
s「…あ、おかえりなさいっす。ボス」
部屋の真ん中に佇む彼は、平然とした様子で私に声を掛けた。私はその声でハッと我に返り、辺りを見回した。部屋中血に塗れて、鉄の臭いが酷くこびり付いていた。
e「…ぉ、あ……ぇ、、?しょ…ぴ…、」
s「、なんすか?ボス。」
いつもの様子で問い掛ける彼に、私は背筋に悪寒が走る。部屋に紛れる程の返り血を浴びて、彼は身体をこちらに向けていたからだ。
e「…っ、は……ぃ、や……、、」
そして私は彼の足元に目線を落として、薄っすらと目に涙を溜める。無意識に息が上がっていき、表情も歪んでいった。そんな私の様子を見て、彼も自分の足音に目線を向ける。
s「…ああ、コレっすか?」
毅然とした態度で、彼はそう言う。そして彼の足元にある物体を、また血に塗れた革靴で突く。そんな様子を見て、私は硬直していた体をゆっくりと動かしながら呟く。
e「ッ、は…ぁ゙……っ、、な、んで…っ」
s「…んー、勝手に入って来やがったんで。」
なんの躊躇いもなく、いつもの調子で彼は答える。そしてそんな彼の返答に、私はまた硬直する。カランッ、と金属製の音が響く。
s「…きッたね、あ〜…疲れた。」
e「…な、ぃ…ふ……、、」
ナイフが彼の手から落ちて、床に転がる。そしてナイフの近くに居た物体に目を向ける。その物体は、
e「っぞ、む……さ…ッ」
武器商人時代、私の護衛をしてくれたゾムさんだった。そして私は毅然とする彼を差し置いて、ゾムさんに近付こうと走り出す。するとそれを阻止するかのように、部下であるショッピが私に抱き着いてくる。
e「ッぃ゙やだっ、ぞっ、ゾムッ!!ぞむさん゙ッ!!いゃだ…っ、ぞむ゙ッ!!!」
s「…やっぱり知ってたんじゃないんすか…っ 」
e「ゃ゙あだ…ッ、ぞむ…っゾムさん゙…ッぉ、起きてっ…やだ…、ぞ、む゙…ッ」
彼の発言を耳を貸さず、一心不乱にゾムに近付こうとする。だがそれを阻止して、彼が私に向かって声を荒げた。
s「やッぱり雇ってたんじゃないっすかッ!!嘘付きッ!!!」
e「っ、ひ……、、」
ゾムさんに伸ばす手を下ろして、何の反応も見せないゾムさんを見て涙を流す。そして全身の力が抜けていき、膝から崩れ落ちた。
e「ぁ…あ……、そん、な……ぞ…む、さ…」
s「…俺だけって言ったのに…、俺が初めてッ言ったクセに゙ッ!!」
脱力した私に向かって、ショッピは声を荒げる。眉間に皺を寄せて、怒りの表情を浮かべる彼。その後ろに居るのは、護衛の…恋仲でもあったゾムさん。生前の姿とは打って違って、変わり果てた姿で彼は息絶えていた。
e「…ぃ゙、や……いや…ぞむ、さん…、、」
s「っ…ボス、ねぇボスッ!!」
呼び掛けながら私の両肩を強く掴む彼。そんな彼には目も合わせず、後方でうつ伏せになって倒れているゾムさんに視線を送る。何度も刺された様な跡が、背中に幾つもついていた。
s「…っ…ボス、好きです。こんなヤツよりも、俺の方が…」
e「…どうして…、、こん、な…」
掠れた声でそう問い掛ければ、彼は歪ませていた表情を緩ませて返答する。眉尻を落として、今まで見たことのない表情を浮かべて彼は発言する。
s「…ボスのことが、好きやから。愛してますから、…やったんすよ。」
e「…ぅ、そ……、、ひど…ぃ゙…」
ポツリと呟くようにして、私は彼に向かって言う。するとそんな発言に対して、彼は目を見開いて問い掛ける。
s「酷い?なんで…何が?俺は愛してるからやったのに…、」
e「ッ本当に愛しているな゙らッ、想い人が悲しむ様なことはしない゙ッ!!!」
初めて彼に声を荒げれば、彼は少しの間を置いて私に向かって呟く。不服そうな表情を浮かべて、私を見詰めながら発言する。
s「…でももう、死んでますし。上塗りしちゃえば、こっちのもんでしょ。」
e「ッ…ぅ゙、ぁ゙あ゙あ…〜〜っっ!!」
私は声をあげて涙を流せば、抵抗する間もなく彼が私を包み込む。鉄臭さが漂う部屋の中で、一体の遺体と二人の成人男性が留まっていた。
そしてしゃくりをあげて泣き続ける私に、ショッピは優しく接吻をする。私は抵抗もせず、されるがままになっていた。
s「…ボス、愛してます。」
e「っ…わたしは…、君が嫌いだ…ッ。」
s「…それでも、俺は愛してますから。」
終わり。
息抜きだからあまり期待しないで下さい…。最近また持病の特殊性癖の種類が増えまして…、どうしたものか。
では、次の投稿でお会いしましょう。
コメント
2件
わァ〜😢😢すごい好きです🩷😔 凄くなんか化けの花と言う音楽とマッチするような感じがして心にきました🥹愛は時に罪ですね😞😞😞💗