テラーノベル
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ちっちゃい物語二本立てです
1
「はぁーー」
日本は隣にいる幼馴染の中国に聞こえるよう分かりやすくため息をつく。中国は面倒くさそうな顔をしながらも日本のため息について言及し始める。
「なんかあった?」
「もーそれが聞いてよー」
日本は待っていましたというように話し始める。自分の女装癖がバレないように内容をあやふやにしながらこれまであったことを中国に語っていく。そんな話を聞いていると中国のほうがため息が出てしまいそうだ。
「何?モテ自慢?」
「男にモテたって嬉しくねーよー」
「あ」
そうしているうちに日本の飲んでいたいちごミルクがなくなってしまった。不満そうな顔をし、中国にすがりつくような声でねだる。
「金渡すからいちごミルク買ってきてー??」
「自分で行け」
中国にあしらわれながらも日本は頑固として自分で行く気はない。なぜならここから自動販売機までが結構な道のりがあるからだ。階段も経由ってなると流石に行きたくない。
「おねがーいちゅーごくくーん」
ねだるような声で頭を中国に預ける。すると一瞬フリーズしたように見せた中国はすぐに日本の座っている椅子を軽く蹴飛ばし、嫌悪でいっぱいの顔を見せた。
「いちごミルクなんかおこちゃまな飲み物飲んでるなんて思われたくねーよ」
「いちごミルクをバカにすんな!」
日本は渋々立ち上がり、財布を握り自動販売機へと向かっていく。
「いちごメルクの良さが分かんないほうがおこちゃまですー!」
と、吐き台詞を吐いて階段を降りていく姿を中国は見送った。
「はぁ…」
日本が中国の視界から消えたことでやっと中国は落ち着きを取り戻せる。昔からこんなんで愛想を尽かしていない自分に心底呆れている。
昔といえば、日本は昔から随分といろんな人にちょっかいをかけられやすかった。そんな意味わかんないような奴らがいっぱいいる中で頼れるのは中国だけ。しかし、そんな中国も日本が厄介だと思っているような奴だったら日本はどうするだろうか。
一個一個の行動が可愛らしく、愛しく見える。それを恋だと自覚したとき。その恋を日本が知ったとき。そこに待っているのはきっと地獄だろう。
「ねー!バナナミルクしか売ってなかった!」
「おーどんまいどんまい」
今さっき帰ってきた日本の手にはバナナミルクの紙パックが握られている。今思ってる感情を中国は理解しない。理解してしまえば、どうなるか分かっているから
「売り切れとか最悪すぎ」
日本は唇をとんがらせながらさっきまで座っていた席へ腰を下ろす。そしてまたさっきまでしていた愚痴を再開しようとすると、後ろから気配を感じる。中国の方を見るとめっちゃ嫌そうな顔をしているので多分アメリカとかそこな辺だ。
「よっ日本」
後ろにいるのはアメリカ。そして片手にはいちごミルク…こいつが最後のいちごミルクの購入者だったらしい。少しバレない程度に憎しみの目線を向けとこう。
「こんにちはアメリカくん」
「え、俺なんかした?」
バレてしまった。自分のいちごミルクの思いがこんなに強いだなんて…少しダイエットを決意した。
一方の中国は何か考え事をしているらしい。アメリカの顔をじっと見ている。
(アメリカか…まぁこいつに日本を取られることはねーか)
そんなことを思っているが、数年後には取られるときが来てしまうのかもしれない。
2
今の自分は完璧に等しい。日本はそう思っていた。
数時間前。日本は自分の美しすぎる顔を見てしまうことになった。そう、メイクにとびきり成功したのだ。どこを見ても完璧美少女過ぎて言葉を失いかけるほど。
今日は新発売の服を買いに来た。こんなにうまく行ったのに出かけないのはもったいない。
「あの子可愛くね?」
どことなくそんな声が聞こえる。これが自分だったらどれだけ嬉しいものか。日本はそう思いながら優雅にコーヒーを飲み音楽を聞いている。これじゃナンパされるかもな。冗談混じりにそんなことを考えていると
「おの、すみません。一人ですか?」
ガチで声をかけられてしまった。どうすればいいものか。ナンパは数回か受けたことがあるが、あまり慣れないものだ。毎回慌ててしまう。
「あー、はい。一人ですが…」
本当に一人のときになんて言えばいいかがわからない。そもそも本当にナンパなのか?ナンパじゃない可能性だってある。そうであってくれ。
「あの、それじゃぁ今から一緒にお茶でも…」
「おーい、にほーん」
自分の名前が呼ばれたことに驚く。クラスメイトだろうか。だとしたらなぜ自分が日本だと気づいたんだ?女装しているはずなのに!そんなことを考えながらうつむいていると、自分の肩に手が乗っかってきた。隣を見ると、そこにはアメリカが居る。
「おい日本。こいつら知り合い?」
「え、いや…」
自分も急にアメリカが現れたことに困惑しているが、ナンパしてきた方もだいぶ困惑している。当たり前っちゃ当たり前だ。
「すみませんねー。この子は俺の彼女なもんで」
アメリカは肩から手を頭に移す。何がどうなっているかはわからないが、とりあえずアメリカに従っておけばなんとかなりそうだ。
「あ、そうなんですね。サーセン」
ナンパしてきた人たちは焦りながらも去っていってくれた。申し訳ないことをしてしまったな。自分の女装クオリティーが高すぎるばかりに。
安堵のため息をついていると、アメリカがそっと顔を覗いてきた。
「ありがとう。助かったよ」
「…」
機嫌が悪いのだろうか。すごく睨んでくる。なんて返せばいいのかわからずにずっと焦りの微笑みをしていると、アメリカがため息を付き、そっぽを向いたかと思えば横目でこちらを見てきた。
「お前もっと危機感持てよなー?」
「持ってるつもりなんですけどねー」
アメリカの注意はその通りだ。しかし危機感を持つというのもどう持てばいいのかわからないのだからしょうがないじゃないか。そう自分を正当化する。
「仕方ないから一緒にいてやるよ」
「え?大丈夫なの?」
アメリカは照れくさそうに自分の隣に並び。目を泳がせる。
「いいんだよ。だって偽物でもお前の彼氏なわけだし…」
後半小さくなっていった言葉は、確実に全て日本の耳へ入った。日本はその発言に小さく笑った。
「じゃぁ、俺のボディーガードになってもらおっかな」
日本はアメリカをからかうのが結構上手なのかもしれない。
#カントリーヒューマンズ
#センシティブ
コメント
3件
ディ腐腐腐
うわ、今回もめっちゃ良かった!特に二本立ての構成が新鮮で、キャラの掛け合いが自然でほっこりしたわ〜。前半の中国の密かな恋心が切なくて、後半のアメリカの「偽物でも彼氏」発言にはグッときた。日本が割と図々しくて可愛いのも好き。女装バレしないかハラハラしたけど、最後はアメリカがボディーガードになってくれて安心したよ。続きが気になる!