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刀の大型競りイベント《一刻 刀祭》開催まで残り1時間…
特に黒いマントを羽織った女の様子は伺えない
その中、零財団の七人はベンチに座り待機をする
零財団一人目 顔にガスマスクを装着した男 黒嶋 一葉
零財団二人目 白髪でポニーテール 容姿の良い女 宝島 神楽
零財団三人目 両腕に金属の装備をつけた 大柄な男 藤原 早大
零財団四人目 金髪のモヒカン 顔以外が機械の男 南雲 悟郎
零財団五人目 ボサッ寝癖が跳ねた黒髪 塩顔の男 東条 楽
そして、残り二人は白叉 黒子と檪原 快晴
7人共に腰に刀を携え、各々は周りを監視する
黒嶋 一葉『今ん所は特に異変は無い、か…どうだ?お前ら』
黒嶋はガスマスクの下で、カラカラと飴玉を舐め転がす
宝島 神楽『今のとこはね…マントを着てない可能性もあるだろう』
宝島はガムを噛みながら、双眼鏡を覗いて周りの人々を監視
ぷくーっとガムを膨らませ、退屈そうに大きな伸びをする
宝島 神楽『ん~…なんか、トランプとかないのか?』
檪原 快晴『おっ、確かに!ウチもやりたいわ~』
宝島と檪原は顔を見合わせ、同時にケラケラ笑う
藤原 早大『ったく、相変わらずバカ二人組だな…』
呆れた様子で溜め息をつき、藤原はベンチから立ち上がる
黒嶋 一葉『どうした…異変なら同行する』
藤原 早大『いいや…ちっとな』
そのまま藤原は、一人で歩き去る
藤原が向かう、その先には…
金髪の男『なーガキんちょ…良い刀持ってんじゃねーの』
少年『い、いや…!こ、これは…じいじがくれた物なの!』
路地裏でチンピラ三人に絡まれる、小さな男の子の姿があった
茶髪の男『良いから…お兄さんにちょっと見せてみな?』
そこで一人の男が、少年が抱える刀に手を伸ばす
男の指が刀に触れそうになった、その時
茶髪の男『く゛ッッッ…!!?』
大きな音と共に、茶髪の男が一撃で吹き飛ばされる
茶髪の男『あ゛ッ…う゛ぁ゛ッ…』
そのまま男はゴミ箱に突っ込み、顔面血だらけで気絶する
黒髪の男『だ…だ…誰だ!?オメェ!!』
黒髪の男は、焦った様子でシャキッとナイフを抜く
藤原 早大『零財団………とでも言えば、バカにも分かるか?』
藤原は、バキッ ポキッと拳を鳴らし、ニヤリと笑う
金髪の男『ぜ、零財団がなんだ…!!勝つのは俺らだぁ!!』
残りの二人は、ナイフを持って藤原に突進する
ビュ バキッ
しかし、藤原は難なくナイフの刃をデコピンで折る
藤原 早大『テメェら……ここで死んどくか?』
一方その頃、ベンチにいる零財団の6人は…
宝島 神楽『い~や~…チンピラ君たちも気の毒だよね~』
檪原 快晴『ホンマ…あんな死に方したないなー』
宝島と檪原の二人は、双眼鏡で藤原を観戦していた
白叉 黒子『競り大会開始まで、残り30分…奴の姿はないな』
黒嶋 一葉『だな………』
するとその時、何か威圧的な空気が会場内に流れ込む
東条 楽『………?この圧…』
東条は腕を組みながら、会場の入り口に目をやる
そこには…
東条 楽『ッ…!?き…北河…?なぜここに…』
北河 英二 顔や身体中に、龍の刺青が入った 黒髪ロン毛の男
北河とは…現刀業界の裏社会を牛耳る、謎の多い人間
年齢も、戦闘力も、妖術使いかどうかも…何もかもが謎である
南雲 悟郎『コイツァ、厄介なことになったナ…』
そう言いつつも、南雲はニマリと笑い、立ち上がる
南雲 悟郎『行くぞ…一人でいる今が首をとるチャンス…』
シャキッと自分の目の前で刀を抜き、刃を確認
黒嶋 一葉『待て…俺らの任務は、あくまで零刀の回収』
南雲 悟郎『俺は機械人間だぜ?嗅覚も、お前らより優れてる…』
バッ
南雲 悟郎『して…奴から零刀の匂いがすんだよォ!!』
そのまま南雲は策無しに、その場から消える
黒嶋 一葉『なッ!?アイツ…!?』
白叉 黒子『まっ、バカだけど南雲の勘は良く当たる…行ってくる』
白叉は、そのまま南雲の後を走って追い掛ける
北条 楽『お、俺も行く!待てぇ!黒子!』
北条もその後を追い掛け、ベンチには檪原 宝島 黒嶋だけになる
黒嶋 一葉『あ、あのバカども…計画もなしにっ…』
檪原 神楽『まま、一葉くん、ウチらはここで待機しよや~』
櫟原はクスクス笑いながら、黒嶋の肩をトントン叩く
一方、一心不乱に突進を進める3人は…
北河 英二『一刻 刀祭…始まるまであとぉ、10分か…』
壁にもたれ掛かり、一人で腕時計を見てニヤつく北河 英二
腰には黒い二本の刀を携え、葉巻を燻らせている
そんな中、突如にして
南雲 悟郎『北河の首、取ったりィ~!!』ドッ
南雲が上空で体勢を作り、北河に向かい刀で攻撃を仕掛ける
北河 悟郎『…?やっぱし零財団も来てたか…』
北河は易々とその刀を刀で弾き返し、距離を取る
北条 楽『おい悟郎!相手は妖術使いかも分からねぇんだぞ…』
南雲 悟郎『不用意に突っ込むなって?俺に言うなんて野暮だナ』
そして南雲は興奮した様子で息を荒げ、北河と睨み合う
北河 英二『テメェら、んなとこでドンパチやり合おうってか?』
一方、北河もニヤニヤしながら二本の刀をシャリィと抜く
北河 英二『それじゃあここに、3体の死体が転がることになるな』
ザッ チャキッ
脚を踏み出し、二本の刀を十字に構える北河
白叉 黒子『零刀と関係あろうがなかろうが、裏社会の人間だ…』
シャリィーッ
白叉 黒子『ここで討つ』
そして白叉 黒子 北城 楽 南雲 悟郎も、刀を持って構えを取る
北河 英二『零財団…ここで殺すッ』
《一刻 刀祭》開始まで、残り5分…
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