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-–凪side—–
最近なんだか玲王の俺への接し方が冷たい気がする、もっと言えば玲王は俺より他の人と関わる事が多くなった、玲王といる時間が1番長かったのは俺だから、他の人への嫉妬心がメラメラと燃えた。俺はこの日を境にゲームより玲王の観察に時間を割いた。
こそこそ隠れながら観察をしている。と言っても身長190もある俺が隠れれる場所は少ないのだ、どんなに目立っていても玲王は別の人と話すのに夢中でこちらに気づくことも無い、こうなってくると少し寂しくなってきた、明日は自分から話しかけてみることにしようと心に誓った。
結局今日は寝転びゲームをし過ごし玲王の事ばかり考えて寝れなかった。
朝目を覚ませばもう同室の皆は居なかった、未だ眠りたかったが玲王の事を思うと動く気になりベットに逆戻りしそうな身体に鞭を打ち欠伸をしながら食堂に向かった。
途中眠りそうになりながらも無事に食堂に着くと玲王の姿を見つけ近付き声を掛けた。
『れお…おはよ』
挨拶をすると玲王の肩は大きく跳ねたきっとビックリしたのだろう、玲王は食べている物を飲み込んだ後にいつもと変わらぬ元気な声で「おはよう!凪!」と返して来た為、嫌われてはいないんだと安心した。
俺は思い切って今までの事を聞き出すことにした。
『れお、なんで俺を避けてたの?寂しかった。』
本心を全て晒したたった一言寂しかったと、数日間もお預けにされていたのだから流石に玲王を近くで感じたく後ろから引っ付いた。
玲王は俺を振り払う事も無くただ、「ごめんな」と一言呟いた、俺が頭にクエスチョンマークを浮かべていると玲王が言葉を紡いだ。
「俺さ、凪に依存してる気がして…俺がいつ脱落するか分かんねーじゃん?寂しくなんの嫌だからさ」
『は?』
俺がその言葉を聞き1番最初に発した言葉はたった1文字だった、玲王が脱落?そんな事俺がさせない、依存してるのはこっちの方だ。そんな事をモヤモヤと心の内で呟いていたつもりだったが自然に口に出ていた。
『玲王は俺が脱落させないよ。ねぇ、れお、一緒に世界一って言ったのは誰?夢を捨てるの?弱気でいるの?依存?そんなの俺も一緒じゃん』
自分もこんな声が出るんだと驚く程優しい声で無意識に言葉を述べた、玲王の方を向けば玲王は大きな瞳を見開きクスリと微笑んだ「そういえば世界一ってほざいたのは俺だな」と微笑みながら呟いた、なんだか元気を取り戻した玲王は「弱気じゃいらんねーな!!」と呟き残っている飯を口の中へ掻き込めばしっかりと噛み飲み込みご馳走様でしたと手を合わせた。
「ちょっと待ってろ~!」と静止をかけられ大人しく携帯を弄って待っていると思ったより早く玲王が戻ってきた何をしてきたのかを尋ねればここまで一緒に来たお嬢に先に行くと声を掛けてきたらしい。
俺が椅子に座りぽーっとしていると玲王が目の前でこちらに背を向け屈みおんぶの姿勢になった俺は久々なその体勢をみて嬉しさで頬が緩みその背に飛びついた、玲王は体勢を崩しそうになったが耐え俺を受け止めてくれた。
「んじゃ、行くか!モニタールームで試合見よ~ぜ!」
と元気に声に発し俺をおぶり歩き出した、久々の玲王の背に落ち着き久々にぐっすりと眠れる気がした、俺の大好きな玲王の背中、俺の大切な玲王、手放す訳には行かない存在俺は一生玲王から離れたくない、確認する様に俺の口から言葉が紡がれた。
『俺の1番の宝物は玲王だよ』
「今更かよ、俺も凪が1番の宝物だから安心しろ!おやすみ凪」
『ん、おやすみ…玲王』
心地よい感覚に身を任せ重い瞼を閉じた。