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えっちだ
⚠️attention⚠️
・政治的意図や戦争賛美などはございません
・多少のcp表現があります
フランスがイギリスにピアスを開けてあげるお話。
「本当にいいの?」
フランスは念を押すように、イギリスに問いかけた。フランスの手には、小さなピアッサーが握られている。
「えぇ、先程から良いと申し上げているでしょう?」
イギリスは少し呆れたような顔で言った。先程からこんなやり取りを5回は行っている。
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今日は珍しくイギリスの方から連絡が来たのだった。「私の家に来てくれませんか?」という簡素なメッセージに、どうせ暇でしょうからという皮肉が添えられていた。まぁ、間違ってはいなかったので、フランスはイギリスの家に行くことにした。
イギリスはいつもの上等なスーツに身を包み、フランスを出迎えた。フランスがソファに腰掛けると、イギリスは単刀直入に切り出した。
「ピアスを開けて欲しいんです。」
と一言だけ。
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というわけで、現在に至るわけだ。ピアスを開ける予定の右耳は、オキシドールですでに消毒は済ませてある。あとはピアッサーでホールを開けるだけだ。
「じゃぁ、開けるよ」
「えぇ、何度もそうしろと言ってます」
イギリスの右耳に、ひやりと冷たい感触がした。思わず小さく身を捩る。
「ふふっ、もしかして怖がってんの?」
散々慎重に確認していた割には、いつものふざけた彼は健在のようだ。
「違いますよ、少し冷たかっただけです。」
イギリスの声は、ほんの僅かに震えていた。フランスはくすくすと笑いながらも、そんな彼に優しく言葉をかけた。
「アングルテール、大丈夫だよ。3、2、1で開けるからね」
フランスの言葉に、イギリスは小さく頷いた。フランスはカウントダウンを始めた。
3
2
かちり、小さな音がする。イギリスは顔を顰めた。耳に鈍い痛みが残る。しかし、それはどこか心地良くもあった。フランスは、イギリスの耳のふちを優しくなぞった。
「ふふっ、僕の証だ。ちゃんと付けててよ?」
柔らかな微笑みをたたえて、フランスは言った。
「……言い回しが気色悪いです。」
イギリスは耳の熱を隠すように、そっぽを向いて言った。そんなことお構いなしに、フランスは続ける。
「……一生消えないね?この傷」
イギリスは何でもないような顔で、でも消え入りそうな声で言った。
「だから…だから貴方に頼んだのです。」
フランスはその言葉を聞き、鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をした。が、次の瞬間にはイギリスを揶揄い始めていた。
「え?ごめん聞こえなかった。もう一回言ってよ。」
イギリスは先程の発言を後悔した。顔に熱が溜まっていくのが自分でもわかる。
「何でもありません!紅茶を淹れてきますから、そこで待っていてください!」
ドタドタと慌てた足取りでキッチンへ消えていく彼を目線で見送り、フランスはくすりと笑った。
「だから貴方に頼んだ、ねぇ…」
先程のイギリスの言葉を思い出し、フランスはまたくすりと笑うのだった。
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どうでもいい豆知識
昔、右耳というのは「誰かに捧げる象徴」でした。そう、つまりえっちですね。