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草香みちる🍀
2
キーンコーンカーンコーン
「え〜、今日の講義はここまで。」
(なんだ、もう終わりか)
(俺の名前は鈴田 恭弥。大学3年生だ。)
「恭弥〜!学食行こうぜ!」
(こいつは田中 聖(たなか さとる)。俺の親友だ。こいつは少し馬鹿だが、いいやつだ。)
「おう。行こう。」
(俺の大学生活は、退屈だ。講義を受けて昼飯食って、帰るだけ。少しの楽しみと言えば、聖と喋る事くらいだ。)
「カツ丼定食で。」
いつもの、安定の味のカツ丼を頼み、席に座る。ボーッとしながら食べていると、田中が隣に駆け込むように座って来た。
「危ないな…急に飛び込んでくるなよ。」
「悪い悪い。てか、今日もカツ丼?飽きねぇ?」
「飽きないよ。」
「仕方ない。俺のラーメン分けてやる!」
そう言って田中は、鈴田のカツ丼の上にラーメンの麺を乗っけてきた。
「おい!なんだよこれ…不味そ…」
鈴田のカツ丼の上にはラーメンが乗っている。傍から見れば、ゲテモノ料理だ。
「不味そうってなんだよ!意外と美味いかもだぞ?」
「そんなわけないだろ…はぁ、」
鈴田は渋々、ラーメンを先に食べてその後カツ丼を食べ始めた。味は予想通り混ざっていてあまり美味しくない。
その時、食堂に設置されているテレビに目が留まった
『昨夜、秋風商事の秋風 亮が廃倉庫で殺害されているのが発見されました。警察の調べによると、”鳳凰”が再び動き出したとこの事です。』
鳳凰(ほうおう)。聞いた事がある。今、世界で名を上げているマフィア。
『鳳凰の組員の特徴ですが、どこかに必ず、蠍と蛇のタトゥーを入れているそうです。』
「また被害が起きたのか。」
「ん?あぁ、そうっぽいな。お前も気おつけろよ?」
ラーメンを啜りながら、田中は冗談っぽく話した。
「お前にだけは言われたくない。」
だが、鈴田も気おつけなければならない。何故なら、最近は悪い事がよく起きているからだ。花瓶が目の前に落ちてきたり、鳥のフンが肩にかかったり。今日も、良くない事が起きる。
「あ、てかさ、今日夜まで飲み行かね?」
田中が急に提案してきた。確かに、明日はバイトも大学も休みだ。田中もいるんだ、断る理由がない。
「あ〜。いいぜ。20時に駅前集合な。」
「了解!」
足を弾ませながら、二人は大学を出た。
そこから数時間後、時刻は深夜0時を回っていた。
「おい、お前本当に大丈夫か?」
田中をタクシーに乗せる
「お〜!だいじょうぶだぁ〜!もう1件、行くぞぉ〜、!」
田中は酔っ払ってしまった。居酒屋のテーブルを見れば、ビール瓶が五、六本転がっている。そのうち鈴田が飲んだのは1本だけだ。そりゃぁ、酔うだろう。
「すみません、お願いします。」
タクシー運転手に田中を預けると、鈴田は歩いて自分の家に向かう。秋の夜は肌寒く、冷たい風が肌を容赦なく刺していく。
「寒…早く家帰ってあったまろ。」
鈴田は川の橋を渡ろうとする。そこを通ると、数分で自分の家に着く。だが、橋を渡ろうとすると、強面の男達十数人が、その橋を渡っていた。
「なんだアイツら…ガラ悪。」
そう思いながら、鈴田は橋を渡る。通り過ぎた時、何処かで見た事ある顔が見えた。
「……直太、?」
鈴田自身、何故その名前が出てきたのかは定かでは無い。顔も初めて見たはずだ。どういうやつなのかも知らない。どこで何をしているのかも。ただ、” 直太”そんなような気がした。
その男は、こちらを振り向く。
「…恭弥、か?」
コメント
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めっちゃ上手い!