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桃 視点
あの配信から数週間後、俺のDMには心配の声が沢山届いていた。
未だに受け止めきれない現実の中でずっと彷徨っている。
配信ではあんな風に伝えたけど、正直に言えば俺は誰よりも前に進むことが怖い。
これからの活動に変化が訪れるのは勿論のこと、
メンバーの活動に対する思いも変化して、いれいすが大きく変わってしまう。
もしそうなったらリスナーさんは受け入れてくれるのだろうか。
紫 視点
この期間は気持ちを整理してこれからのことを考えるときなのに
あの喧嘩のことが頭から離れない。僕のせいで…まろちゃんがいなくなったんじゃないか。
そう思って生きている。
もっと寄り添ってあげられてたら、こんなことにはならなかったと思うと涙が止まらなくなっていた。
今の僕には謝ることしかできない気がして未来のことを考える余裕はない。
まろちゃんと笑えてこそ、一緒に歌えてこそ、‘‘六人でいれいす‘‘。
ずっとそう思ってた。誰が欠けても僕たちは変わらずに六人で居続けたかった。
五人なんて、言ってほしくなかった。
でもそう言わないといけない、理由があった。
仕方が無いと自分に言い聞かせて眠りについたあの日を絶対に後悔する日が来るだろう。
水 視点
…ないちゃんから、いふくんの訃報を聞いたときは頭が真っ白になって放心状態になってしまっていた。
今になってようやく受け入れられているけど、やっぱりこれからが怖い。
六人じゃなくなるのも、活動も、全部いふくんがいるから成り立ってたのに。
ライブで見えるペンライトの色も五色に減ってしまうかもしれない。
怖い、辛い、寂しい。
僕の中には負の感情しかない。前向きに考えられないことが凄く悔しいし辛い。
こんなとき、いふくんならどうしてるんだろう。諦めて寝てるのかな…
僕はいふくんと不仲って言われてるけど裏ではそんなこと無かった。
お互い褒め合って伸ばして二人で成長できる関係で居られた。
そんな相方がいなくなった世界なんて生きていたくない。六人じゃないいれいすなんて
居る意味が無い。
明日、ないちゃんに連絡しよう。六人じゃないなら脱退するって。
僕は緊張と不安と戦いながら作業を進めた。