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”おはよう”
挨拶、たとえ他人同士だったとしても気を使うことなく、交わせる言葉である。
でも、僕みたいな、他人とまではいかない、でも、よく知りもしない、他人以上知り合い以下みたいな存在には、挨拶はしない。
要因は間違いなく、僕自身。
勇気を出さずして友だちが欲しいなんてわがままだ。
だからこそ、
そんな意気地なしの僕は、戻りたいんだ。
勇気を出せばまだ変われる、過去に__
「おはよう!堀さん!」
突然の声。
心があたたまる笑顔、元気が出る声、彼女はその素敵な人間性を持って生まれた、愛される人間。そんな彼女は僕にもみんなと同じまではいかないが、それでも優しく、声をかけてくれる。
僕はおはよう、とだけ返す。
発言したあとに考えれば、あまりにも冷たすぎたのではないか?もっとユーモアある返し方があったんじゃないか??
考え込んでいる少しの間のあと、
彼女は微笑んで、他のクラスメイトのところに体の向きを変え、歩いていく。
結果、おはようの一言で会話が終わってしまった。
でも良かった、と思う…、
下手な真似して、また、
また悪口を言われるのは、御免だ。
いったーーい!!
教室に彼女の声が響いた。彼女がつまずいてしまったのだ。教室の机はガタガタなので机の足にでも引っ掛けたのだろう。
それを横目に僕は自分の背負っていたカバンを降ろし、自分の準備にうつる。彼女の周りには、仲良しのお友達、近くにいたお友達が心配の声や笑い声を上げている。
……以前にも見覚えが、ある、なんでだ?
前もこんなことがあったと思うのは、なぜ??