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「この村は神嫁家のおかげで成り立っていたんだよ、ただそれだけ。それ以上でもそれ以下でもない。ひめか自体には価値がない。 あの家系全員が揃っていたから価値があったものだ。そんな彼女にもう村の人達は関心がないんだ。この村でのひめかは死んだも同然なんだ

昔は神嫁家ということでチヤホヤされていたが家族を失ってからはもう誰も誰も見向きもしないってことか

そこで村長との会話は終わった

次の日、僕は昨日尊重と会って話したことを伝えた

君はどこか不安げな表情を浮かべた

今日話されたことを自分なりに解釈して話した

「君の家系は随分優秀な人がいるんだね。神嫁家がいるからこの村は成り立ってたって言ってたよ。でも、家族を失ってから君はきっと僕が想像出来ない以上に辛い思いをしたんだよね。

君は笑った

「お兄さんって読解力ない人?それとも村長の話し方が下手だったの?家に優秀な人は居ない

僕は間違っていたみたいだけどそんなことを忘れるくらい君の笑顔が眩しかった

つい可愛いと思ってしまった

「僕は君のことを知りたい。だから質問をしてもいい?

「いいよ

「君は毎晩なんで村を徘徊してるの?

手の震えが止まらない。僕はいけないことを聞いてしまったのかもしれない

分からない。何が正しいのか

君は開き直ったかのように淡々と話し始めた

「あれは私の仕事なの。私が仕事しないと村は無くなっちゃう

僕には分からなかった。君に見えてる危険はきっと僕には見えない

「君をひとつしれた気がする


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