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ガタンゴトンガタンゴトン

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名古屋に向かう途中だった。大阪から名古屋は遠いから名古屋に着いたらホテルに泊まる予定だ。結構時間が経っただろう。電車の窓からみた空は夕焼けへと変わっていた。話を聞いたら移動、話を聞いたら移動の繰り返しだった大阪ではフラフラだったがこの時間で体力も回復してきた。

『幻太郎、見てみて、夕焼け』

『本当ですね、都会だと周りの灯りなどであまり見えない景色ですね』

『帝統は………寝てるね』

『ですねぇ』

『起こすのも申し訳ないからこのままでいっか』

『ですね』

帝統は気持ちよさそうにスヤスヤと眠ってる。確かに長距離を歩いたので仕方ないかもしれない、実際今ボクも疲れている。

『乱数も寝ていいですよ、小生は……ふわぁ〜』

『幻太郎こそ、人のこと言えないじゃん』

『『ふふっ』』

何気ないことで笑う。それくらいこの難しい旅が楽しく感じるのだ。俺が消えそうな時だってこのふたりが俺の隣で笑うから俺を俺じゃなくさせた。この責任はこの旅と共に取ってもらわないと…俺が困ってしまう。

ガタンゴトン

電車が揺れる、瞼が重くなってくるようにかんじた。肩の力が抜けて、腕も力が抜けている。

(眠い……)



『ら…』

『むだ』

『乱数!!!』

『ふゃっ!あ、着いたかな?』

『そうですよ、何回呼んだ事か…』

『だな、気持ちよさそうにスヤスヤ寝てたもんな』

『帝統、貴方が言えたことじゃありませんよ』

いつの間にかボクは寝ていたらしい、名古屋に着いたはいいが空はもう真っ暗だ、急いでホテルに行かなくてはいけない。

『ではホテルへ行きましょうか』

『うん!』

『おう!』

〜翌日〜

『やはり探しやすい波羅夷さんから…いや、四十物さんから行きましょうか』

四十物十四はヴィジュアル系バンドのヴォーカリストであり豚のぬいぐるみ…「アマンダ」をとても大切にしている。名古屋のチーム、Bad Ass Templeの元2番手だ。

〜移動〜

『ここのはずですが…』

『………?』

『まさか、波羅夷さんもいるとは……』

『なんか文句あるか?』

『い、いえ、会いにいく手間が省けます』

波羅夷空劫は由緒ある寺の息子であり粗暴で僧侶らしくないが、信心深く、仲間を大切にする一面があり、独自の説法のような言葉をよく口にする、Bad Ass Templeの元リーダーだ。

どんな奴だったかを思い出しているうちに四十物十四が話し始めた。

『え、えーと、その子のいる場所は分かんないっスけど…』

『けど?』

幻太郎が聞き返した。

『思い当たりがあるというか…その、しゅ、修行で行っていた山…があるんスけど』

『…そうですか、ではその場所は…?』

『えと、それは……』

四十物十四に紙に場所を書いてもらった。幻太郎はふむふむと何かを書きつずっている。

『では波羅夷さんは?』

『んなもん拙僧じゃなくて一郎に聞けばいいだろ?』

『…………は?』

開いた口が塞がらないとはまさにこの事だろう。確かH歴の元ディビジョンメンバー達は俺の事で話し合っているはずだが…それを分かっているなら一郎が俺にそのことを話すわけがないことも分かってるだろう…それが分かっているならわざわざあんなことも言わないはず……?

『え、ちょっと、え?』

『あ?なんだぁ?拙僧がなんか変なこと言ったか?』

『え、すみません、理解が追いつかな…え?』

『はぁ?』

『ゴフッ』

後ろの席の方で誰かが吹く音がした…気が?

『空劫お前っ!!』

『あぁ?獄じゃねぇかよ』

『お前絶対あの時寝てただろ!!』

『『『は????』』』

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