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コメント
3件
あらすじから一気に引き込まれたわ…。最初のバーでの出会いから、ふたりの関係が壊れていく流れが切なくて。「貴方と出会わなければ良かった」って言葉がすごく重く刺さった。最後の「愛していたのに」がまたね…。明治の空気感もよく出てて、雰囲気小説としてすごく好きだわ。続きが気になるな〜。
明治■年 白井 綴:美しさを求める小説家の男
ある日の夜、バァで一人の女と出会った。絹のような髪を持った、濃い紅がよく似合う女だった。其の女は、バァのマダムの娘らしい。口が達者で、よく狐女と呼ばれている。私は女の美しさがよく分からない。だが、其の女は美しいと思えた。
私が、酒で溺れている様を見て、其の女は話し掛けてきた。
「あら、そんなに飲んで大丈夫なのかしら?」
「うるせぇ。こうしてやっていかないと男は無理なんだ」
「そうなのね、邪魔をしてごめんなさい」と、ちっとも反省していないかのように軽く謝る。たしかに狐女だ。
明くる日の夜も、酒と興味を持った狐女に会うことを楽しみにバァへ向かった。私はいつもの酒を頼み、いつもの席に座った。
「あら、また飲みに来たのね」と狐の笑顔で寄ってきた。
少し会話を挟んだあとある疑問が浮かび、聞いてみることにした。
「そういや、お前の名前はなんだ?」
「私は鶴見薫よ」と今度は本当の笑顔らしい顔を見せた。
「ふぅん…….そうか」いいものを知れたような声で答えた。
いつしか、薫に恋心を抱いていく。薫も私に恋心を抱いていたらしく、私と薫は、やがて夫婦となった。薫といるときは、言葉で言い表せないほど幸せだった。薫は、このような日々が続くこと願っていたらしい。
ある日の夜、私はバァの帰りで家に帰ってきた。私は薫と出会った日ほどに酔っていた。家に入ったら知らない小柄な男と薫がいることに気がついたが、何をしてるのかは見えないため二人に近づくことにした。
目の前には疑い難い光景が広がっていた。二人の周りには物が散乱しており、割れているものもあった。そして、小柄の男は薫の首を絞めていた。私は何が何だか分からないが、止めなければいけないという使命感に襲われた。男を薫から引き離した。軽い暴力で済ませるつもりだった。だが、男は抵抗した。私も引かなかった。
気がついたとき、男は動かなくなっていた。
薫はその死体を見て吐いてしまった。私は「あぁ、殺してしまった」という無心に近い感情になり、棒立ちになって薫を眺めた。
薫が吐き終わったあと、私は薫に近づき、背中を撫でた。
「ごめんな……..俺のせいで……俺は警察の元に行く。最後に聞かせてくれ、何があったか。俺が何とかするから」薫は何かに反応したのか口を開ける。
「話す!話す!だけど行かないで…….」と私の腕を強く握り、泣きながら言う。
「だが…….」
「お願い!私には貴方がいるの!だから、だから、お願い」と叫びながら縋りつく。
私は隣で泣いて縋ってくる薫に戸惑った。薫の言葉で私を悩ませる。
「わかった……わかった……..だから落ち着け」と言い、薫を優しく抱きしめた。私は、薫が見えない手すら震えていなかった。
薫は少し落ち着いてから何があったか説明してくれた。
薫は私のために私の大好きな菓子を買ってきてくれていた。薫は私に早く渡したいがために私を待っていた。そして、待っていたら、コンコンと戸を叩く音がし、私が帰ってきたのだと思い、戸を開けたのだった。しかし、そこにいたのはあの男で、酔っていた男は薫を無視して家に入って、薫は男をどうにかして出ていかそうとしていたら首に手をかけられたらしい。
薫の説明が終えたあと、私は家の近くにあの死体を埋めることにした。そのとき薫は、家で抜け殻のように座っていた。
あの事件から薫は、外出しないようになっていった、髪も結ばなくなっていった、やせ細っていった。薫は笑顔を見せなくなっていった。薫の元の姿が次々と無くなっていった。
私はそれでも薫を愛していた。薫の落ち込む姿も私にとっては前とは違う美しさがあったからだ。私のためにと、自分が苦しむとわかっているはずなのにここまで来てくれた。優しく美しい女性だった。
ある日、薫は布団から起き上がり、私に向けて冷たく小さな声で言った。
「貴方と出会わなければ良かった」
私は息が止まりそうだった。私の鼓動はどんどん大きくなっていく。そして、私の目に映る薫は美しくなくなっていった。
その女は続けて言った。
「貴方と出会っていなかったら幸せだった。貴方が全部壊したんだ!」冷たい声で叫び、化け物のようだ。いや、あの女は化け物だ。
私は汗が止まらない。私は恐怖と焦りに襲われた。違う。私はパニックになった。そんな私を知らずにあの化け物は私に罵倒を浴びせた。あぁ、なんて憎たらしい。
いつの間にか私は、化け物に手をかけていた。化け物は最初暴れていたが、どんどん弱っていき、動かなくなっていた。
「あぁ、愛していたのに」
私は数時間後、美しかった薫を小説に書き、警察に出頭した。
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#TL
瀬名 紫陽花
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#初心者
ゆいぽん
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