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「お座りください」
長テーブルがよっつ、四角く置かれた会議室。
ひとつには、私を挟んで戸倉兄妹。
その右手に、叔母を挟んで敬と弁護士。
その向かいに、叔父と弁護士。
そして、私の真正面に早川さん。
「口々にお話になるのは控えていただきたい」
早川さんは“なんで?”“どういうことだ?”と口にする叔母と叔父を制する。
「お電話を差し上げました、ハヤカワ総合住宅グループの早川です。無事、一ノ瀬菊邸の売買契約が完了したところです」
「おいっ!」
「完了って、終わった⁉」
「勝手なことをっ!」
敬、叔母、叔父が一斉に立ち上がったが
「一ノ瀬武夫さんと、木野山さんは、弁護士を伴ってまで何を伝えに来られましたか?」
早川さんは左右に冷たい視線を送った。
「早川副社長。話を進めてくださる前に、僕も菊ちゃんの代理人弁護士であることを皆さんにお伝えさせてください。弁護士の戸倉永人と申します。よろしくお願いいたします。一ノ瀬さん、木野山さん、どうぞ」
「私は菊の叔母として【特別縁故者】を主張しますっ!」
叔母が前のめりで、しかし堂々と言い切ると、叔父の隣の弁護士が口を開いた。
「一ノ瀬武夫さんも、同じく【特別縁故者】だと伝えに参りました」
「おにい、【特別縁故者】って何?」
「被相続人に法定相続人がいない場合に、被相続人と一定の関係にあったことを理由として、特別に被相続人の財産を受け取る権利のある人。被相続人は亡くなった方だから、菊ちゃんには関係ないね」
何ということ……別々に考えても、そんなところに行きつくことが情けない。
「一定の関係以下ですから。叔父、叔母、敬、この3人は、私に私が余命半年だとか嘘を言って陥れようとしたような人だもの」
「証拠は?」
――えっ……?
「そうよ、敬の言う通り、証拠は?ないでしょ?」
「そんな嘘は誰も言っていない。夢でも見ていたんじゃないか?」
「そうよ、夢よ」
――叔父と叔母は、ここで手を組むのか……確かに証拠はない……
コメント
6件
証拠? なんか…私あるような気がする😏 だってチーム菊だよ?なめられちゃあ困る( *¯ ^¯*)フンッ
証拠ときたか!!弁護士の知恵かな? 菊ちゃん焦らないで〜 チーム菊の出番だよ🤩

ハラハラします💦負けるな菊ちゃん。