愛の病(Ai No Yamai)
attention
・ブルーロック本編とは別軸です
・虐め、嘔吐、自傷や暴力、差別的な表現があります
・烏が先天性難聴、パニック障害
・手話、または普通に会話してる場合、『”』はとっております。
・烏『』凪「」
・決して虐め等を助長する意図ではございません
・誤字脱字もあるかも
・烏、凪sideあり
大丈夫なら本編どうぞ!
烏side
夏ももう終わり。しかし、この暑さは未だ収まる気配がない。
夏休みがいつの間にか終わっていた。また学校が始まる。また鬱な日が続く。
───はずなのだが。
『な、い゛…(呟』
「呼んだ?」
『ぅあ”ッ、?!(吃驚』
「驚きすぎでしょ、…」
『ぁ、うぁ、…/』
「どしたの?」
『…/(手話』
「?」
『”世話になってばっかりやから…せめて、名前ちゃんと言えるようになりたくて、…”』
ちょっと引かれるような事を言った気がするが、凪は喜んでくれていた。
「えっ、…嬉しい…/」
『ッ、!』
『ッ、ふっ、…(微笑』
「あっ、今、…、!」
『、?』
「笑えた、よね、」
『そう、やっけ、…?』
「すごいよ、烏、…!」
『ッありがと、…/』
自分の喜びを
自分ではない誰かが
一緒に喜んでくれる
今までこんなことなかった。
”嬉しい”
だが、最近、凪に頼ってばかりで。今のままでええんかって改めて思った。
授業時間も削った。
よくわからんようになるぐらいまで考えた。
寝る間も惜しまなかった。
そして決断したのだ。
“俺は、凪と関わるのをやめる”
凪side
「おはよ〜烏」
『…、 “おはよ”』
「あれ、紙で、…?」
いつもは手話で返してくれた。なのに、今日は”文字”で。
いつもと違う烏の反応に、少し動揺した。
烏と喋らず、早1週間。
なんだろう、このモヤモヤした感じ。
というか、なんだろ、これが…「感情」?
俺は幼い頃から、「感情」というものがなかった。
親が超放任主義だったからというのもあるけど。
まわりの人達が感じている「喜び」であったり、「悲しみ」であったり、「怒り」や「憎しみ」。何もなかった。
昔、虐められもした。
「感情を持て」と。
でも、俺の考えは全て「めんどくさい」と諦めることだった。
めんどくさいって言ってたら、何からでも逃れられる。自分でやりたいことは自分でやるし、めんどくさいことは自分でやらない。
他人任せはよくないけど、そういう奴なんだ、『俺』は。
実は烏とは、小3から一緒だった。烏は覚えていなさそうだけど。
小3の時、俺が転校してきた。変わった髪型の奴だなと思って、気になってた。
数日立って烏が虐められていることに気づいた。俺は気弱だったし、自身も虐められてたから、その事には関わらず、見て見ぬフリをしていた。
今思えば、これも『虐め』なんだろうな、ごめん烏。
あの時からもう10年も過ぎてるのか、…。
俺は段々、文武両道、誰とも仲良くなれる王子的な存在になっていた(なんでだろ)。
虐められることなんてなくなり、友達(と呼べるかはわかんないけど)が増えた。
──あれ、ていうか、なんで今思いだしたんだろ…?自分のことなんて、気にもしなかった。なのに。
今でも虐められている、『彼』と昔の自分を重ねてしまって。
「そんな”俺の過去があるから”…俺は、烏を助けたいんだ…」
烏side
知らん間に1ヶ月も経ってた。嘘やん。
凪と関わらんようにしてたら、また虐められることが増えた。
「凪様が可哀想」
「彼奴に迷惑だろ」
「お前なんかが凪と連むな」
…そんなことばっか言われた。
正直、辛い。何度も言うが、凪に頼ってばかりだった。凪から離れただけでこんな目にあう。
世の中は理不尽だ。不公平だ。
『神様は微笑む』という言葉を聞いたことがある。
俺には、一度も微笑んでくれた事はなかった。生まれながら耳が聞こえず、上手く喋れない。勉強、運動は出来たものの、虐められる。恵まれなかった人間。
いや、一回だけ、ホンマに微笑んでくれたことがあった。
“凪と会った時”だ。
トイレで意識飛びかけてた時、助けてくれた。あれは紛れもない『奇跡』、『偶然』。
そんな事ばっかり考えてる1ヶ月。
あかんやん、俺…彼奴の事、ずっと忘れられてへん。
自分を落ち着かせる為、また自傷行為を繰り返した。この時だけは、全てを忘れられた。
腕を切り、自分の首を絞め、眠気防止薬を過剰摂取し、カフェイン中毒になって病院へ連れてかれたこともあった。特によくやったのが首絞める事だった。
『ッか゛、ぁ゛っ、…(ギリッ、…/首絞』
『カヒュッ、ッゲホッ、…ヒュッ、(ボロボロ、』
ッくびしめてたら、あたま まわらんくなるから、いやなこととか、わすれられる。
『はぁッ、はーッ、゛、ふッ、ぁ”(ビチャビチャッ』
あと、くび しめるときは 、ぱにっくは、あんまおこらんだ。
『ッ、またやってしもた、…』
つい憎悪や苦しさで力を強めてしまう。
『跡…残ってんなぁ、』
こんな姿、
凪に見られたら笑われてまうなぁ、(笑)
ℯ𝓃𝒹