テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
右左一奥
587
そして残るは、なんとプリンセス・ロードだけとなってしまった。
相変わらずウチのチビ達4人組が、支え合いながら進んでいる。こっちもあとは、ボス戦を残すのみだ。
以前はオーク達がボスだったが、対象レベルが広がったため、今ではシルバーウルフ4体が、このダンジョンのボスを務めている。
強靭な顎と爪、賢く連携プレーも織り交ぜてくる上、なんと言ってもスピードが早い。このレベルの冒険者から見れば、かなりの脅威に違いない。
ボス部屋の前で、ナギ達も緊張の表情だ。顔を見合わせて頷き合うと、ゆっくりと扉を押し開ける。
扉の向こうには、銀色の毛並みが美しい、4体のシルバーウルフが待ち構えていた。普通のウルフより一回り大きい体躯。ウチのチビ達と比べてしまうせいか、どうしても凶暴そうに見える。
……大丈夫か、チビ達…。
「プリンセス・ロード、いよいよボス戦のスタートです!」
キーツのキレの良いアナウンスと共に、否応なしに戦闘はスタート。カフェからは盛大な声援が飛んでいる。
「ナギとローラは人気だね~」
「フロアの強みよねぇ、顔が知られてるから。日頃から人気があるみたいよ。シルキー達が悔しがってるもの」
まだまだ戦闘も始まったばかり、マスタールームものんびりしたものだ。
「よ…よろしくお願いします!!」
「怖くないからな!…絶対、倒す!!」
凶暴そうなシルバーウルフに、さすがにローラもトマスも腰が引けている。
最初の一撃を放ったのは、なんとマークだった。
隙を窺ってジワリジワリと近付いていたシルバーウルフAの右目に、矢が突き刺さる。
「ギャウン!!」
声をあげ、矢を受けたシルバーウルフAがもがく。先制攻撃を受けた群は色めき立ち、チビ達に一斉に襲いかかってきた。
3体同時に走り込んで来るかと思いきや、チビ達の目の前で、急に三方に分かれ、サイドから急襲する。
ナギとトマスはなんとか攻撃を防いだが、接近戦が苦手なローラは、左肩を咬まれ、そのまま地面に倒されてしまった。
カフェからは、悲鳴のような声が響く。
「ローラ!!」
何とかローラを助けようと、ローラに覆いかぶさるシルバーウルフBに、ナギが何度も何度もナイフを突き立てる。
やっとシルバーウルフBが絶命した時には、ローラはかなり深い傷を負い、上半身が真っ赤に染まっていた。
「ローラ、早く回復魔法…!」
あのナギが、半泣きで叫ぶ。
コメント
1件
うわあ、第140話、めっちゃ熱かったですね…! プリンセス・ロードのボス戦、シルバーウルフの連携が想像以上に厄介で、特にローラがやられたシーンはハラハラしました。あのナギが半泣きで叫ぶところ、普段冷静なだけにグッときます。マークの先制攻撃は見事だったけど、やっぱりチビ達の成長と絆が試される展開。続きが気になりすぎます!