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向井side
『俺がこのバラを渡したいのは、先生なんよ』
俺は先生を体から離して、先生の両手を握って言った
先生の目から綺麗な涙が流れていた
「向井くんなの…?」
『向井康二やで』
「向井くん…やっと会えた…泣」
今度は先生から抱きしめてきた
『先生からなんて初めてやな』
「もういいでしょ、先生と生徒じゃないんだから…泣」
『そうやね、先生の言う通りやわ^^』
あの時は、背があんまり変わらんかったけど今になっては、先生全部を包み込めるようになっとった
「向井くん、今日夜会えない?」
『夜?何も用事はないよ』
「じゃあ、夜6時にここにまた来て」
先生はそう言いながら、俺から離れて仕事を始めた
さっきとは大違い、ほんまにこれが大人なんやなと思った
俺は言う通りに6時に先生の所へ来た
丁度そこには先生が店の前で立って待っていた
「あ!向井くん!」
『先生さっきぶりやな』
「ごめんね、来てもらっちゃって」
『全然ええけど、どうした?』
「1つ向井くんと叶えたい夢があって」
『えっ、何!?』
そう言うと、先生は自分の車に俺を乗せてどこかへ走り出した
車にずっと揺られていると、目的地に着いた
「向井くん、ここなんだ一緒に来たかった所」
『めっちゃ綺麗やん…』
車から降りると、夜空に星が沢山あって綺麗やった
夜空から目を逸らし先生を見ると、先生の横顔は夜空より綺麗だった
『これが先生が叶えたい夢やったん?』
「うん、そうだよ。叶えてくれてありがとね」
『先生、ほんまにこれでええんやな…』
「うん?向井くん?」
『俺にも叶えたい事あるんよ、それ聞いてくれる』
「うん、良いよ^^」
俺の叶えたいことは、先生と結婚を前提に付き合う事。
とにかく先生と特別な関係になりたかった。
『先生、俺な先生に告白したいんや』
今言っておかないと、何故か先生がまた目の前から消えるんじゃないかと怖くなってた
「向井くん……」