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裕介も美奈子とセックスレスになったことは悩んでいた。

自分ではできるのに、なんで美奈子とは出来ないのかと考えれば考えるほど焦りが出る。

ネットでEDについても調べた。

病院に行って相談すれば良いのかもしれないが、どうしても自力でどうにかしたいと思ってしまった。

初めは本当に仕事のストレスだった。

だが最近では美奈子に甘えられ、求められるとそれがプレッシャーに変わってきた。

美奈子の期待に応えたいと思えば思うほど、元々性欲がないせいか空回りをしてしまっていた。


「裕介。あのね」


美奈子の声に裕介はハッとした。

隣で寝ている美奈子がまだ起きていたことに、裕介はギクリとしてしまった。


「ん?眠れないの?」


明るい口調で裕介は尋ねた。


「うん。裕介も眠れないの?ため息ついてたよ」


無意識にため息をついていたんだと、美奈子に指摘されて裕介は驚いた。


「ごめんな。いつも最後までできなくて」


裕介から切り出した。


「私、性欲、強いのかな。裕介にキスされたり、抱きしめられるだけじゃ、満足できないの」


こんなにハッキリと言ってくるのは初めてだと裕介は驚く。

よほど溜め込んでいたんだと分かった。


「どうして良いか僕も分からないんだ。病院に行くしかないかな」


声のトーンが低い。

裕介が病院に行くのを嫌がってるのが、美奈子にも雰囲気で分かった。


「無理しなくて良いよ。でも、いつまでこんな風に時間を過ごすのかと思うと怖い。1年前に戻りたいよ」


美奈子は堰を切ったように泣き始める。

裕介は、こんなにも美奈子が辛かったんだと思い知らされた。


「ごめん。ごめんね!近いうち病院行くから!泣かないで」


もう、決心するしかないかと裕介も決めた。

美奈子を悲しませるのは不本意だった。

薬の力を借りてでも、昔のように美奈子を満足させてあげたいと思った。

そう思っても、やはりいざとなると病院へは足が向かない。

なぜこんなことで悩まないといけないのかと思ってしまう。

言い訳だと責められても、仕事のことも頭がいっぱいで、本当に余裕がなかった。

優しいあなたは罪な人

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