◇◇◇◇◇
リンドウの見守る中、小さくなったゼータと遊んでから、王都の外にいるうちにもう一つの確認をすることにした。
それは高級テント+5である。
ボン!
リオ:「うわ!デカい。」
リンドウ:「そうね。もうこれはテントと呼んじゃいけないくらいね。」
大きいのもそうだが、すでに普通に家のサイズである。
リオ、リンドウ、ゼータは高級テントの中に入った。
すると中の様子も豪華になっていて、なんと!2階建になっていた。階段もある。
案の定、部屋が3つ増えていて5LDKまで拡張されていた。
早速、今回のガチャで追加された家具類を設置していく。
高級テントも家具類もガチャ産ということで、そもそもの統一感は半端なく良い。
さらに家具の配置については、リンドウのセンスがいいのか、全体的にものすごくいい感じに仕上がった。
リオ:「リンドウ。こんな感じで完了かな。」
リンドウ:「うん。そうね。これでいいんじゃない。」
ゼータ:「兄ちゃん。広いおうちだね。」
リオ:「ゼータもこれからは、移動中は一緒にここに住むからね。」
ゼータ:「やったー。良かった〜!」
すでに本当の兄弟のような、リオとゼータを微笑ましく見ているリンドウだった。
◇◇◇◇◇
高級テントも収納して、王城に戻ってきた。
ララさんが迎えに来てくれた。
ララ:「おかえりなさいませ。」
リオ:「ララさん。ただいま。
今日からゼータも一緒にお世話になりたいんだけど、お願いできますか?」
ララ:「え?はい。殿下に確認して参りますので、少々お待ちくださいませ。」
ララさんは小走りで王子のところに確認に行ってくれた。
待っているとシャビル王子と一緒に戻ってきた。
シャビル:「リオ。ゼータも一緒にって。
え?この仔狼がゼータ?」
リオ:「はい。なんか進化してちっちゃくなれるようになったので、一緒にお世話になりたいんですけど、大丈夫ですか?」
シャビル:「もちろん!いいよ。へえ、かわいいね。
ゼータ!この前は乗せてくれてありがとうね。」
ゼータ:「うん、全然いいよ。また乗せてあげる。」
シャビル:「へ?まさかゼータが喋ったの?」
ゼータ:「そうだよ。僕が喋ったの。よろしくね。」
シャビル:「ビックリした〜。なんかいろいろすごいことが起こるね。何があったの?」
リオ:「ゼータがいろいろ進化してるんです。
たぶん、この先も進化していくと思いますよ。」
シャビル:「そっか。リオとリンドウと一緒にゼータも引き留める必要があるね。
ゼータ!ずっとここに住んでくれる?」
ゼータ:「兄ちゃんと一緒ならいいよ。」
シャビル:「そっか。兄ちゃんと一緒によろしくね。
それじゃ、部屋に行こうか。」
ゼータの同居も認められて一安心。
家族が3人になって嬉しい。
◇◇◇◇◇
部屋に戻るとシャビル王子が聞いてきた。
シャビル:「リオ。ララから聞いたんだけど、リンドウと二人でなんか変な踊りを踊ってたらしいね。
それに気になることも言ってたみたいだけど。
さっきは何をしてたんだい?」
シャビルはリンドウのこととなると気になって仕方がない。
リオ:「えーと。なんというか……。」
リンドウ:「秘密よ。リオと私の遊びなの。」
リンドウの発言からすると、まだ秘密にしておいた方がいいということだろう。
シャビル:「うーん、そっか。わかった。言えるようになったら教えてよ。」
リンドウの遊びという言葉は妙に引っ掛かったが、無理に聞くのは良くないと思い、なんとか押しとどまった。
ただし、胸のモヤモヤ感が半端ない。
シャビル:「それとね、どういうわけか、兄のアルビル王子から、リオとリンドウと一度話がしたいって連絡があったんだけど。」
リンドウ:「あんまり会いたくないけど、断る理由がないわね。リオ、どうする?」
リオ:「うーん。僕もあんまり会いたくないけど、会わないわけにはいかないよね。ここでお世話になっているわけだし。」
乗り気ではないが、やむ無し。
シャビル:「じゃあ、僕も一緒にここに来るから、その時にね。変なことにはしないようにするから。」
リオ:「はい、お願いします。」
シャビル:「じゃあ、また後でね。
そのあと、一緒に食事を取ろうね。」
そういうとシャビル王子は去っていった。
リオ:「アルビル王子は何の用なんだろね。」
リンドウ:「そうね。私たちの品定めじゃないの。
あまりいい気はしないわね。」
意図がわからないので、一応注意しておいた方がいい。
◇◇◇◇◇
バタン!
急に扉が開いて、人が入ってきた。
アルビル:「邪魔するぞ。」
いきなり入ってきたのはアルビル王子。
あまりの勢いに、リオはビックリしてひっくり返った。
それとは対照的に、リンドウは瞬時に刀に手を置いて構えの姿勢を取っていた。
ゼータも同じく、身構えている。
リオと違って弟は頼もしい。
アルビル王子の後から、一人の武人とシャビル王子が入ってきた。
シャビル:「兄さん。急に入らないでください。
リンドウ。ごめん。抑えて。」
ハガン:「お前。ここでやるか?」
シャビル:「もう。ハガンもやめてください。」
この男はハガン。第二近衛兵団の団長でアルビル王子の護衛を務めている。
シャビル王子の護衛である第三近衛兵団は人となりで選抜された部隊に対して、第二近衛兵団は戦力のみで選抜されているため、ハガンはこの王国では5本の指に入る力を持っている。
ハガンは気象が荒く喧嘩っ早いのだが、アルビル王子とは馬が合うらしい。
なお、ゼルダンは強いには強いが、ハガンには全く敵わない。
ちなみに王国一の戦力はオウキ大将軍である。彼は王国内では別格であり、幼少期から国王を支えている古参の人物で国王に対する忠義も厚い。
リンドウ:「やるって何をするのかしら?」
ハガン:「お前、死ぬぞ。」
アルビル:「ハガン。やめておけ。
お前がリンドウだな。」
リンドウ:「そうよ。あなたは第一王子かしら?」
アルビル:「そうだ。
……たしかにいい女だな。
闇懸賞金が1千万ペロか。なるほど。」
ハガンは相変わらず、リンドウを睨み付けている。一触即発の雰囲気だ。
アルビル王子は、品定めのようにリンドウを見ている。こけているリオは眼中にない。
アルビル:「ハガン、行くぞ。」
バタン!
それだけでアルビル王子とハガンは部屋を出ていった。
リンドウ:「何をしに来たのかしらね。」
リンドウは構えを解いた。
シャビル:「リンドウ。すまないね。兄さんはあんな人なんだよ。気にしないで。」
リンドウ:「大丈夫よ。大したことないわ。
リオ、大丈夫?」
リオ:「あ、うん。大丈夫。」
あー、怖かったー。
本当に何しに来たんだろ?
それから、シャビル王子からアルビル王子やハガン団長のことなどを聞いて、後で食事を一緒にとる約束をして、シャビル王子も出ていった。
◇◇◇◇◇
第一王子の居室にて。
アルビル:「ハガン、どうだ?」
ハガン:「リンドウという女は全く隙がない。
正直にいうと相当手強いな。
少年の方は素人だ。放っておいても問題ない。」
アルビル:「たしかにあの女は底が見えん。
シャビルから剥がした方がいいな。
さて、どうするか。」
アルビルは今後の計画を考えていた。
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