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壊れた君を救うまで 10
「すち、服が昨日の血で汚れちゃってるから、着替えようか。俺たちの服でぶかぶかかもしれないけど、貸すね。……じゃあ、俺たちはリビングで待ってるから、ゆっくり着替えておいで」
男の人が苦手なすちに配慮して、らんの合図で5人は一度部屋を出ることにした。
「ゆっくりでいいからね」「リビングで美味しいご飯待ってるよ」と、みんなで声をかけながらドアを閉める。
リビングに戻った5人は、ホッと一息つきながらも、これからの看病計画について話し合っていた。
「あの子の『普通』を上書きするくらい、毎日愛して甘やかさないとな」となつが呟き、みことがお粥を温め直す。
こさめも「僕、お洋服いっぱい選んであげるんだ!」と少し笑顔を取り戻していた。
――その時、リビングのドアが静かに開いた。
「あ、すちくん着替えられた――」
みことが笑顔で振り返った瞬間、その笑顔が、恐怖の形に凍りついた。
ガタァン!! といるまが椅子をひっくり返して立ち上がる。
こさめは悲鳴すら出せず、ただガタガタと震えだした。
「……す、ち……? お前、それ……ッ!!」
なつの声が、聞いたこともないくらい裏返る。
ドアの前に立っていたすちは、手渡された大きめの白スウェットにちゃんと着替えていた。
けれど――その左手首には、銀色のカッターナイフの刃が、深々と突き刺さったままだった。
白い袖口からは、どす黒い鮮血がとめどなく溢れ出し、すちが歩いてきた廊下、そしてリビングの床へとポタポタと大きな水たまりを作って滴り落ちている。
カッターを刺したまま、すちは何でもない顔をして、右手で血まみれの左腕を少し持ち上げるようにしてリビングに入ってきたのだ。
「あの、らんらん……。着替えようとしたら、袖が引っかかって上手く着られなくて……」
すちは、痛みを一切感じていない虚ろな瞳で、困ったように眉を下げて笑った。
「だから、ちょっと邪魔だったから、刺したまま着替えた。……おれ、やっぱりおかしいのかな? これ、みんなは着替えるときどうしてるの……?」
「すちぃぃぃいいいいいッッッ!!!!!(全員)」
リビングに、5人の絶叫が木霊した。
なつがいるまを突き飛ばす勢いで飛び出し、すちの身体を抱きとめる。
らんは血の気が引いた顔で、すちの手首に刺さったままのカッターを、震える手で固定しながら絶望に目をみはった。
「な、んで……ッ、なんで抜かねぇんだよ!! 刺さったまま歩いてくんじゃねぇよ!!!」
いるまが涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、すちの肩を掴んで激しく揺さぶる。
「みこと!! 止血帯!! こさめ、らんを手伝え!! 救急車――いや、俺が車出す、病院行くぞ!!」
なつが狂ったように叫ぶ。
すちは、血だらけになりながら自分を必死に抑え込む男たちの熱い体温と、パニックに陥る姿を見て、やっぱり自分はおかしいんだと、悲しそうに涙をこぼした。
次回♥️440💬1
コメント
5件
グロいグロい話がグロい ...すごい話逸れるんだけどシクフォニのKINGめっちゃ楽しみ
えっ、ちょっと待って……!! この展開やばすぎるんだけど!!😭💦 すちくん、カッター刺したまま歩いてきて「袖が引っかかって邪魔だったから刺したまま着替えた」って…… その感情が一切欠落したような口調と、困ったような笑顔が、もう胸が締め付けられて苦しくなるよ…。みんなが必死に止血しようとするシーン、全員の絶叫がリアルでこっちまで息が詰まった。すちくんの心の傷が、目に見える傷になって現れたみたいで怖いし、切なすぎる……。 続き、絶対に読む!! 早くすちくんが助かってほしいよ〜〜!!🆘💔