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コメント
5件
すちくんが結構な辛い思いをしてるってことがわかるね 精神病って怖いよね
みぅです🤍🥀 「傷つけても、なにも感じなくて」ってタイトル、すごく刺さりました…。すちくんの心が麻痺してたのは「異常」じゃなくて、限界まで耐えた証拠だってカウンセラーの先生が言ってくれたシーン、本当に救われました。5人の執着が、ただ重いだけじゃなくて、すちくんを生かすための必死の愛だって伝わってきて、こさめが手を握る場面で私も泣きそうになりました。次回も読みます🌙
壊れた君を救うまで 11
なつの運転する車が、激しいブレーキ音を立てて総合病院の夜間救急の前に止まった。
いるまとらんが、血まみれのすちを抱えてロビーへと飛び込む。
「すみません!! 早く、医者を呼んでくれ!!」
すぐにストレッチャーが運ばれてきて、すちは処置室へと連れて行かれた。
待合室に残された5人は、自分の服や手についたすちの血を見つめたまま、誰も一言も喋れなかった。
ただ、すちを死なせないという執着だけが、5人の間でより一層強く、黒く、固まっていくのを感じていた。
ーー数時間後。
手首の緊急縫合手術が終わり、すちはなんとか一命を取り留めた。
しかし、事態を重く見た医師から「身体の傷は塞がりましたが、精神的なケアが最優先です」と告げられ、5人はすちを連れて、病院内の静かなカウンセリングルームへと移動することになった。
白い清潔な部屋。中央のソファに、両手首を分厚い包帯で保護されたすちがポツンと座っている。
男性恐怖症のすちを刺激しないよう、少し離れた場所に、らん、なつ、いるま、みこと、こさめの5人が、まるでナイトのようにすちを囲んで座った。
正面には、優しそうなカウンセラーの先生が座っている。
「すちくん、お名前は言えるかな? ……ここに来て、怖かったね」
「……すち、です……。おとこの、ひと……たくさんいて、こわい、です……」
すちは小さく震えながら、後ろにいるらんたちをチラッと見た。
男の人は怖いけれど、さっき必死に自分を泣きながら助けてくれた5人に対してだけは、かすかな安心感を覚え始めていた。
「そうだね、怖かったね。……すちくん、さっき自分で手首にカッターを刺したとき、痛くなかったって本当かな?」
「……うん。いたく、ないです。おれ、むかしから……傷つけても、なにも感じなくて。だから、みんながなんであんなに怒って、泣いたのか……分からなくて」
すちが淡々と語る言葉に、後ろで聞いていたこさめがまたグスッと鼻を鳴らし、いるまが拳をギチッと握りしめる。
「なるほどね……。すちくん、それはね、心が傷つきすぎて、脳が『これ以上痛い思いをしたら死んでしまう』って、痛みの神経を無理やり麻痺させてしまっている状態なんだよ」
カウンセラーの先生は、静かに、でもはっきりと告げた。
「君の身体がおかしいんじゃない。君の心が、それだけ長い間、一人でボロボロになるまで耐えて、限界の悲鳴を上げている証拠なんだよ」
「……おれの、こころが……?」
すちは目を見開いた。
おかしい、異常だ、狂ってると言われると思っていたのに、先生は「心が限界を教えてくれている」と言った。
「すちくん、君の後ろにいるお兄さんたちはね、君が自分の傷に気づかないから、代わりに傷ついて、代わりに泣いてくれているんだよ。彼らは君を怒っているんじゃない。君が大切で、死んでほしくないから、必死なんだ」
カウンセラーの言葉に、すちはゆっくりと後ろを振り返った。
そこには、血に汚れた服を着たまま、自分をただ真っ直ぐに、どこまでも過保護で、執着の籠った愛おしそうな瞳で見つめる5人の男たちがいた。
「すち。俺たちが、お前の痛みを半分もらうから。だから、もう一人で自傷なんかするな」
なつが、静かに、だけど重い声で言った。
「そうだよ、すちくん。僕が、すちくんの代わりにいっぱい泣いてあげる。だから……僕たちと一緒に生きて?」
こさめが、すちの包帯の手をそっと握りしめる。
すちの瞳から、またぽろぽろと涙が溢れ出した。
今度は困惑の涙じゃない。5人の特大の愛が、冷え切って麻痺していたすちの心へと、ゆっくりと染み込んでいく温かい涙だった。
次回♥️450💬1