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- ̗̀⚠︎ ̖́-
kyng × inm
フォロワー様200⤴︎記念、5番
inmが雷獣になってます
白狼と雷獣が西の地を守る神様。
怪我の表現などなどあります苦手な方はご注意ください
inmとkyngは互いに話す時だけいつもの口調になってたらいいなっていう願望が出てます
inm視点
何千年も前から白狼であるロウと共にこの西の地を護っている。
ロウは街の御祭に出掛けてしまったので俺は今独りだ。
暇なので何処かに出掛けてみようと思考を巡らせている内に家の扉が開く音が聞こえた。
誰かが訪ねに来たのだろうか。
そう思い扉の方へ向えば柔らかそうな白髪の男と藤色と空色の髪の男が扉を開けていた。
此方に気づいたのか少し驚きながらも後ろに下がり跪き声を掛けられた。
「初めまして、西のヒーローをしています星導ショウと申します。」
「同じくヒーローの叢雲カゲツ、です」
敬語になれていないのか少し噛みながらも丁寧に挨拶をしてくれた。
此方も挨拶を返すのが筋であろうと思い口を開く。
「ご丁寧にありがとうございます。
雷獣の伊波と申します。本日のご要件は?」
神は苗字のみしか伝えるのを許されない。
名前も伝えてしまうと悪用されるからだ。
「雷獣様に舞を踊っていただきたいとの声が大きく、もしよろしければ踊っていただきたいのですが……。」
「其れの詳細を教えて頂いてから決めてもよろしいですか?」
「もちろんです。
ただ全てが現時点で決まっている訳では無いので今決まっている情報をお伝えしますね。
まず場所は西の雷獣様と白狼様が祀られている神社の境内で行われます。
その中に入れるのは雷獣様と天皇皇后両陛下を護衛するヒーロー数人と天皇皇后両陛下のみです。
お召し物は指定などないそうですのでお好きなお召し物でお越しいただければと考えています。」
「……白狼はどうなる。」
「白狼、様は境内には入れないらしい……です」
「…、申し訳ないけれど今回は見送らせて頂きたい。」
「承知致しました。最後まで聞いていただき誠にありがとうございました。」
「嫌、此方こそこんな所まで御足労頂き感謝しかありません。」
「……帰る時は必ず振り返らぬように。」
「ご挨拶をするために後ろを振り返るのもですか?」
「今日は白狼の機嫌が良くないようだから下手をすれば二度と現世に戻って来れなくなる。
なので後ろを振り返らず前だけを見て帰って下さいね。」
「承知致しました。ほらカゲツも。」
「了解、しました。」
「カゲツ、了解しましたじゃなくて……」
「大丈夫ですよ。今日、無事に帰れるようにお呪いを掛けておきますね。」
「ありがとうございます。」
「いえいえ、」
「それでは失礼します。」
そういい叢雲カゲツという人間と星導ショウという神でも妖でも人間でもない為良く分からない生命体が帰っていった。
でもきっと彼は人間なのだろう。
舞に関しては申し訳ないことをしたと本当に思ってはいるが断って正解だと思う。
西では雷獣は弱く数人の人間で倒してしまえる程だ思われているので白狼であるロウが入れないということは俺の事を処分したいのかもしれない。
本来は白狼と雷獣は同じ量神力を持っているのだが雷獣は西の地を護る役をしている為攻撃手段に使える神力が少ないだけなのだ。
まぁ其れに加えて俺は常に神力を抑え、周りに人が来た時に対応出来るようにしているから其れのせいかもしれないけど。
兎に角久し振りにロウ以外と話したので疲れてしまった。
早く帰ってこないかな。
kyng視点
街の御祭に出掛けていると隣を通った紫髪の男と白髪の男からライの神気を感じた。
俺が居ない時に来客が来ることは殆どない。
何をしにあの場所に向かったのか聞きたいところではあるが下手に問いただせば俺が白狼であることがばれてしまう。
取り敢えず元々ライの為に買って帰ろうと思っていた髪飾りと練り香水を買い、そのまま帰ろうと帰路に着き人気のないところまで来ると先程の男達に声を掛けられた。
「はじめまして、白狼様」
「……何の用だ。」
「白狼様にお伝えしたいことがございます。」
「お前の名は。」
「星導ショウです。
横にいるこの者は叢雲カゲツと言います」
「手短に頼む。」
「雷獣様の暗殺が計画されているようです。
舞と称し天皇とヒーロー数人の所に呼び出し結界の中に閉じ込める予定がたっております。」
「……雷獣はなんて言っていたかわかるか」
「今回は辞退すると仰っていました。」
「ですが舞の呼び掛けに答えられないとなればほかの方法で暗殺されてしまう可能性があるのでお話を伝えにまいりました。」
「…承知した。兎に角この札をお前ら2人に渡しておく。気をつけて帰れ。」
「ありがとうございます。」
札を渡されたふたりはすぐ踵を返し、ヒーロー本部の方向へ向かっていった。
あの2人はヒーローなのか。
取り敢えず今の状況で雷獣が独りで家に居ると知られてしまえばそこに刺客が送られてくる可能性があるので急ごうと足を早めた。
inm視点
家の周りに何人か人間が居る。
其れよりも未だ帰ってこないロウの方が気になり流石に遅すぎるので探しに出掛けようと外に出ると周りは槍や刀、剣等を持ったヒーロー共。
ヒーローは此の地を護っていた神すらも悪と見なすのか。
結界が貼られていく気配がする。
俺を殺そうとしているのではなく捕らえようとしているのか。
ロウの気配が近づいて居る気がする為仮に此処で捕らえられようと何の問題も無いがロウにまで迷惑をかけるのは許せない。
そう思い何時もの戦闘用の着物へと姿を変えた。
戦い終わり周りを見渡すが続々とヒーローが現れる。
その中には先程の2人もおり、明らかにこちらの分が悪い状態で2戦目は始まった。
先程の2人はこちらに危害を与えることはなかった。
その為戦いは直ぐに終わるかと思ったのだがヒーロー達が何度も何度も挑んでくるため終わらず、やっとのことで俺が勝利したのだが。
倒れていたヒーロー達が一斉に俺の体を槍やら刀やらで突き刺したため酷く醜い姿になってしまっただろうことは容易に想像できた。
此のままではロウに捨てられてしまうかもしれないという焦りが出てきた結果今まで手加減していたのが急に出来なくなった。
人間を簡単に殺せるだけの力をどの神も持っているのだがそれを知らない人間達は更に立ちはだかってくる。
煩い、邪魔なのに。
……こんな世界、何千年も護る価値なんて無かった。
そう思うと同時に西の地全体に張られていた結界が無くなったのが分かる。
其れと同時にロウが視界に入った気がする。
kyng視点
急いで家に帰れば其処には沢山の武器に体を貫かれた姿のライが居て。
西の地の結界はライが死んだとしても続いていく。
それが無くなった時は雷獣が此の地を不要なものだと判断した時なのだ。
結界が無くなった事を把握してないヒーロー達は喜んでいる。
雷獣を倒したのだと。
これから地獄が始まることなど露知らず。
「……雷獣。」
「白狼。」
神としての名を呼べばすぐに目が合う。
其れなのに何処を見ているのかすら分からないような目つきをしている。
「雷獣。此処では無く別の館へ行こう。」
「連れてって。」
「勿論だ。」
そんな会話をしていれば漸く神から見捨てられたことに気づいたヒーロー達が声をかけてくる。
「待て!この地の結界が無くなったってどういうことだ!!」
「雷獣と白狼に見捨てられたということだ。
其れ以上でも以下でもない。
これ迄のような暮らしが出来るとは思うなよ。
地獄の様な世でせいぜい仲良く暮らすんだな。」
「其処の紫髪と白髪の2人、其の札を失くすなよ。」
「分かりました。」
「なら良い。」
直ぐに向かわないと俺もライも巻き込まれるため雲の上の館へと急いで向かう。
着いた時にはライの意識は無かったため手当を済ませた後また地上に降りようとするとライに足を掴まれた。
「…何故止める?」
「今は俺と一緒に居てよ。」
「……、仕方ねぇな。」
「やったぁ……。」
「…頑張ったな。」
「、何が?」
「いつもあんな量の人間と戦う時に手加減してやってんのか。
殺さないようにって。」
「……ロウが昔言ったんじゃん。
俺の手は綺麗だから汚さないで欲しいって。」
「……お前…、。」
「俺を冷静にさせてくれるのはいつだってロウの言葉なんだよ。」
「……じゃあ、一緒だな。」
「?」
「俺も、お前が止めてくれてるから冷静でいられる。
お前がさっき身体中武器だらけになってた時本当に殺してやろうと思った。
それでも、ライが止めてくれたから殺さずにすんだ。
だから一緒だな。」
「そうだね。
ねぇロウ。今日は久しぶりにゆっくり休もう。」
「あぁ、一緒に寝てから……そうだな、散歩でも行くか。」
「いいね。そうしよ。」
そんな会話をしながらこんな時間が永遠に続けばいいのにと願い続ける。