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「今日はみんなに転校生を紹介するぞー」
漫画や小説でよく聞くこのセリフ。
まさか私が今日転校生側になるとは…
鞄を肩から下ろし、廊下の壁にもたれて天井を眺める。
…どうせ誰とも仲良くしてくれたり、無いよなぁ。
そんな事を思っていると、「入ってこい」と
担任の声が耳に入った。
ぼーっとしていたので焦って鞄を持ち直し、大きく深呼吸して教室の扉を開ける。
「…あ、こんにちは…今日からこのA組でお世話になります、夢咲 風佳です。 」
少し吃ったが、なんとか軽い自己紹介が出来た、はず…
「趣味は小説を読むこと、それと、猫が好き、です。よろしくお願いします、」
クラスのみんなが無表情で拍手し始める。
「え、あの子可愛くない?」
「休み時間に話しかけに行こうよ!」
コソコソと話す声が聞こえた。内心怖かった。
「じゃあお前の席…あの1番窓側の前から3列目で。 」
窓側の席は嬉しかった。本読んだり、静かに過ごせる気がして。
「は、はい」
自信なさそうに返事をして、席に着いた。
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