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薄暗いシェアハウスの廊下。夜も更け、住人が寝静まった時間。

大瀬は喉が渇いて台所に向かう途中で、ふと依央利の部屋の前を通りかかった。閉ざされたドアの隙間から、声が漏れていることに気づき、足を止める。

「……んっ……はぁ……っ……っ、あ……だめ……っ……♡」

掠れた声とともに、シーツが擦れる音。大瀬の呼吸が一瞬止まった。聞き間違いではない。依央利の声だった。

心臓が跳ねるように打ち、逃げるべきか迷ったが結局、ノブに手をかけてしまう。

軋む音を立ててドアを少しだけ開けた。月明かりの差すベッドの上で、依央利はシャツを捲り上げ、汗ばんだ胸を晒しながら腰をゆるやかに揺らしていた。片手でシーツを掴み、もう片方の手で下を激しく扱っている。

「はっ……あっ……っ♡ っ、♡奴隷がきもちよく…なったら……っ……はぁ……♡」

荒い吐息に混じる自嘲めいた呟き。汗に濡れた前髪が頬に張りつき、伏せた目が潤んでいる。

細い指が忙しなく動き、濡れた音が静かな部屋に響いた。

チュプッ♡ ニチュッ♡ クチュクチュッ♡

大瀬は息を詰めたまま、その光景に釘付けになる。普段は「僕には何もない」と卑下するばかりの依央利が、今は堕ちたように声を洩らしている。

「や……あ……っ♡ しんどっ……のに……もっと……ほしい……♡」

途切れ途切れの声がベッドに溶け、腰が小刻みに跳ねる。汗で湿ったシーツが脚に絡み、白い太ももが薄明かりの中で静かに浮かび上がっていた。

クチュッ♡ヌチュッ♡

「……いお君……」

気づけば、大瀬の口から名前が零れていた。その声に反応したのか、依央利の体がびくりと跳ねる。驚いた顔で振り向き、目を見開く。

「……お……大瀬さん……っ!? み、見ないで……っ……♡」

驚きが引き金となり、白い液が一気に噴き出した。

ピュルッ♡ピュッ♡


「……ごめんなさい。僕、勝手に……でも……止められなかったんです」

静かに言葉を落とし、ベッドに腰を下ろす。依央利は震える手で顔を覆ったが、下半身は果てた後も、腰の奥が淫らに痙攣していた。

「ち、違うんです……僕、ほんとに……、止められなくて……くっ……んぅ……♡」

涙声まじりの弁解が漏れるたびに、硬く握ったシーツの下で指先がさらに深く動く。羞恥と快感が絡み合い、理性が崩れていく。

チュプチュプッ♡ ビクンッ♡

「……いお君」

大瀬はそっと依央利の手首を取った。濡れた指先が月明かりに光る。

「…僕が触ったら、もっと気持ちよくしてあげられるのに……」

その静かな声に、依央利の目尻から涙が溢れた。

「っ……さわらないで…っ♡……でも……っ…♡……ああっ……♡///」

羞恥の言葉と同時に、腰が勝手に跳ね、涙混じりの喘ぎが溢れる。

クチュ♡クチュ♡ジュプッ♡

「やめてくださっ……て……っ♡ でも……気持ちよくて……っ///」

抑えきれない熱が滲んで、彼の瞳は潤んでいた。

そんな姿を見てしまったら、もう何も言えなくなる。

「っ……あっ……っ♡ もう……っ、限界……っ/// イく……っ♡」

「……うん、いいよ。そのまま、僕の前で蕩けて」

ピュルッ♡ ピュルッ♡


白い液が腹に跳ね、依央利は仰け反って絶頂した。汗と涙で濡れた顔は、普段の整った面影を失うほどに乱れている。

大瀬はそっとその頭を支え、背に手を回した。

「そんな顔……僕以外に見せないでください……」

依央利は肩で荒く息をしながら、大瀬に顔を押しつける。

「……っ……僕、奴隷なのに……っ…♡///」

震える声に、大瀬は何も言わず抱きしめた。

濡れた夜気の中、二人の体温だけが強く重なっていた。


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