テラーノベル
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実際の団体、個人とは無関係です。
※成人向けに準ずる表現があります。ご注意ください。
※その他、捏造した設定が多く含まれます。
※中華絵巻を元にしてます。
※※※ 閲覧には十分注意してください。
朝を告げる鳥が鳴いている。
耳をよく澄ませると小さな爪がカツカツと瓦を叩く音まで聞こえる、静かな朝だ。
瞼から透けた朝日が眩しくて、雲雀が目を覚ます。
布団の温かみから抜け出すには惜しいが、如何せんお腹が空いた。
仕方がないと起き上がり、居間の方まで降りていく。歩く度にじくじくと腹が疼くのは気が付かないフリをした。
洗顔を済ませてから、居間に行くとセラフと四季凪が朝食を食べている最中だった。
軽く朝の挨拶をして、雲雀もご飯を食べ始める。
今日の朝は肉まん。ふかふかの白い生地、中には肉と野菜を混ぜ込んだ餡が入っている。
ほくほくと頬張っていると、セラフが不安そうに眉尻を下げて雲雀を見ていることに気づいた。
「セラお?どしたん…あっ、これ食べたいん?」
「え、あぁ…違うよ。何でも、ない……。」
言葉とは裏腹に深く考え込んでいるようなセラフに引っかかるものを感じながら雲雀は朝食を終えた。
「ごちそーさまでした!んまかったぁ〜」
「ふふ、お粗末様でした。貴方、本当に”何でも”美味しそうに食べますねぇ…」
食器を流し台へと入れていると後ろから四季凪に頭を撫でられる。
頭頂部をよしよしと何度か撫でてから横髪を滑るように四季凪の指が通っていく。
ついでに手の甲で頬を撫でられ、唇に指を引っ掛けるようにされると、昨夜のことを思い出してしまい雲雀は思わず赤面してしまう。
「アキラ、そーやってすぐ手出すんよくないって……」
「だって、可愛いからねぇ、つい。」
朝から甘やかな空気を出されてドキドキと胸を高鳴らせていると、ひょこっとセラフが台所の方へ顔を覗かせた。
それに驚いた雲雀は猫みたいにその場から飛び退いた。
「わぁ゙ああっ!!?せらお!!!!」
「あー……ごめん。邪魔しちゃった?」
「本当ですよ、全く。」
男三人ともなると少し狭く感じる台所。
今日が皿洗い当番のセラフが食器を洗い始めると、四季凪は外出の準備を思い出したらしく慌ただしく自室へと戻っていった。
雲雀の今日の当番は水やりなので、気合を入れて庭へと向かった。
ーー
雲雀が花々と野菜たちに水やりを終えて部屋へ戻ると、セラフも食器洗いを終えたらしく、居間でお茶を飲みつつ本を読んでいた。 彼の膝上では例によって赤毛の猫がくつろいでいる。
「そういえば奏斗起きてこんな…。」
「んぐっ…!ごほっ、ごほっ!………ぞぅ゙だね゙…」
「どうした!?」
突然噎せたセラフ、一体どうしたのだと雲雀が駆け寄って背をさする。
噎せた勢いで前屈みになっていたが、猫が逃げてしまったことでセラフは顔をあげた。
それから、雲雀の顔を見ると朝一番に見せたあの考え込むような表情をした。しばらく雲雀を見つめて同じ表情をしていたがセラフは重く口を開いた。
「……雲雀、凪ちゃんとエッチなことするの好き?」
「へ?」
あんまりも突発的で答えづらい質問に雲雀は固まる。 それでもセラフのためだと必死に頭を回転させて答えを絞り出した。
「ぇ、と…正直な?正直、エッチ自体はあんま……」
そっかぁと少し眉尻を下げたセラフを見て、求めていた答えでは無かったのかと少し焦る。
「や!でも、アキラのこと、す、好き……だから……エッチできて、嬉しい…です……」
言葉を口から出すたびに自分の顔が熱くなっていくのを雲雀は感じていた。
しどろもどろになってはいるが、嘘は一個も言ってない。全て事実だ。人に言う事が恥ずかしいだけで。
「あ、うん。そこまで言わなくて大丈夫だったんだけど……。」
「えっ?!!そ、そか、…ごめん……」
言わなくてもよかったと別の恥ずかしさがこみ上げて、俯く雲雀。
セラフが謝りながら椅子へと座らせてくれる。その顔はどこかまだ思い悩んでいるようだった。
「……実は昨日の夜、奏斗がさ、」
「うん…?」
セラフが昨夜あった事をかいつまんで雲雀へ話すと彼は少し顔をしかめた。
雲雀が言うには奏斗は以前から良くも悪くも忠実だったそうだ。痛みに弱いことを利用されて、ずいぶんと教え込まれていたと。
昨日の事後もぐったりとしたまま眠り込んでしまっていたのをセラフは雲雀へ話した。
「だから、奏斗が起きてこないんやね?」
「うん。たぶんそうだと思う。……ごめんね。友達を…」
謝るセラフに雲雀は頭を振って否定する。
それから一言断ってセラフの部屋へと入っていった。
ーー
古びた木と金具が擦れる音をたてながら扉が開く。 部屋の中は薄っすらと暗く、かろうじてカーテンの隙間から日が差し込んでいるぐらいだ。
なんとなく店を思い出してしまうが、この部屋は店よりも雑多で、生きている。
窓下の一人用のベッドに布団を被った何かが起き上がっているようだった。
「奏斗、起きとったんか」
「…ひばり……」
声をかけると奏斗はすぐに振り向いた。その目元は泣き腫らしたように赤くて、雲雀は一気に青ざめた。
セラフは優しい、が、とても行為に慣れているようには思えない。まさかそれ故に酷いことをされたんじゃないか、雲雀は背筋に冷たい汗が流れるのを感じた。
奏斗の傍まで行って、自然な流れで隣に座る。何を言わなくても前までやっていた事だ。奏斗も受け入れ、ポツポツと話し始めた。
「ひ、雲雀…僕、…あのさ……セラフとえっち、…した……。」
「うん。大丈夫なんか、体とか…」
「そこはだいじょぶなんさけどさ。その…すごかった、あんな、………初めてかも…。」
布団に包まって三角座りをしたままの奏斗、ぎゅうっと体を小さくまとめて布団で顔を隠そうとしている。
泣いたのかと思った雲雀が覗き込んでみると、初めて見る奏斗の表情だった。
赤くなった頬は瑞々しい果物みたいで、潤んだ目は宝石みたいな、恋をしている顔。
「奏斗…?」
雲雀がまた呼びかける。
奏斗はハッとしたような顔をして、どうして居間に来ないのかを口にしていく。
「ずっと、優しくてさ、セラフ……。無理に挿れないし……強く触んないし……それで、はしたなく求めちゃって、恥ずかしくて、……もうセラフの顔見れない……。」
言葉尻が弱々しくなっていく様子をみていると雲雀まで恥ずかしさが移ってしまいそうだ。
もごもごと布団越しに言い訳を続ける奏斗の姿には、店ではあんなに頼りにしていた面影は無い。
それにしても、たった一回の行為でこんなフニャフニャにさせてしまうセラフは一体何なのだろうか。
「え〜奏斗ぉ、可愛すぎるんやけど〜……」
雲雀は布団ごと奏斗を軽く抱き締め、頭をよしよしと撫でてやる。
可愛いのでこのままでもいいが、当のセラフから心配されている。もう少ししたら部屋から出さないといけない。
「マジで本当にさ、恥ずかしい……もうやだ……」
「大丈夫やって〜!ほれ、起きようぜ!」
雲雀は半ば無理やり奏斗をベッドから起こし、ずるずると布団ごと居間へと連れて行った。
コメント
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コメント失礼します‼️🙇🏻♀️今回も最高な作品でした>ヮ<♪照れる2人がとても想像できて楽しかったです😼🎀次の作品もお待ちしております🙌🏻✨