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うわあああっ、第2話もやばすぎた…!!😭💦 なぎの「僕は君を知ってた」って台詞、優しさの裏にめっちゃ怖さがあって背筋冷えたよ…。 でも「君が僕を好きになる必要はない」ってとこ、歪すぎるのに切なくて、もう複雑な感情がぐちゃぐちゃになったよ…!! 続きが気になって仕方ない、早く読みたいよ〜!!🌸
その声は優しかった。
だからこそ。
みすずは、ぞっとした。
「……お前、本当に俺のこと知らないんだよな?」
扉の向こうが静かになる。
「どういう意味?」
「俺とお前が、昔どこかで会ってたとか」
「ないよ」
「一度も?」
「一度も」
迷いのない返事だった。
「大学が同じだったとか、地元が同じとか」
「違う」
「友達の知り合いとか」
「違う」
「……家族とか」
「違うよ」
なぎは淡々と答える。
「僕と君は、完全な他人」
その言葉が、逆に怖かった。
「じゃあ……なんで」
みすずは震える声で続けた。
「なんで俺なんだよ」
「さっきも言ったでしょ」
「一目惚れ?」
「うん」
「それだけ?」
「それだけ」
「……嘘だろ」
「嘘じゃない」
なぎは扉の前に立ったまま、静かに笑う。
「僕は君を知らなかった」
「……」
「君がどこに住んでるのかも、何をしてる人なのかも知らなかった」
「じゃあ、いつから……」
「初めて見た日から」
「どこで」
「大学の近く」
みすずは眉を寄せる。
「……俺はお前を見てない」
「知ってる」
「気づかなかった」
「それでいいよ」
「……」
「君が僕を見る必要はなかったから」
その言葉に、背中が冷たくなる。
「僕が君を見ていれば、それで十分だった」
「……何日」
「何が?」
「俺を見てたの」
なぎは少し考える。
「二ヶ月くらいかな」
「二ヶ月……?」
「最初は偶然だった」
「……」
「大学の前で君を見かけた」
「そのあと、何度か見かけるようになった」
「……それだけ?」
「最初はね」
なぎは笑った。
「でも、気づいたら探すようになってた」
「俺が何時に大学へ来るのか」
「どの講義を受けてるのか」
「誰といるのか」
「どこで昼を食べるのか」
「何時に帰るのか」
一つ一つ。
まるで当たり前の予定を読み上げるように。
「……」
「毎日、君を見るのが楽しみになった」
「だからって……」
「うん」
「だからって誘拐するか普通?」
「普通じゃないね」
「……」
「でも、僕にはそれしかなかった」
みすずは扉から距離を取った。
「お前、俺のこと好きなんだよな」
「うん」
「俺はお前を知らない」
「うん」
「これからも好きになるとは限らない」
「うん」
「それでも?」
「それでも」
なぎは即答した。
「君が僕を好きになる必要はないよ」
「……は?」
「僕が君を好きだから」
「それだけでいいの?」
「僕にとっては」
みすずは呆然とした。
「……狂ってる」
「そうかもしれない」
なぎは穏やかに笑う。
「でも、君を傷つけたいわけじゃない」
「じゃあ帰せよ」
「それはできない」
「なんで」
「帰したら、君は僕のいない場所に戻るから」
「当たり前だろ」
「だから嫌なんだ」
「……」
「僕は、君と一緒にいたい」
「俺は嫌だ」
「今はね」
「今もこれからもだ」
「それでもいいよ」
なぎは扉を閉める。
「いつか変わるかもしれないから」
「変わらない!」
「じゃあ、変わらないままでもいい」
「……え?」
「君が僕を嫌いでも」
扉の向こうから、なぎの声がする。
「僕は君を好きでいるから」
「……」
「だから安心して」
「何が安心だよ……」
「君が僕を知らなくても」
なぎは静かに言った。
「僕は、君のことを知ってる」
カチャリ。
鍵がかかる。
みすずは一人、部屋に残された。
自分はなぎを知らない。
名前すら、今日初めて聞いた。
思い出もない。
共通の知人もいない。
過去もない。
ただの赤の他人。
なのに。
向こうは自分のことを知っている。
好きな食べ物も。
嫌いなものも。
大学も。
友人も。
生活習慣も。
そして――
自分が知らないうちに撮られた写真まで。
「……本当に、何なんだよ……」
みすずは床に落ちた写真を見つめる。
そこに写る自分は、何も知らずに笑っていた。
その背後には。
いつも同じように。
なぎがいた。