「うう、寒」
日音は待ち合わせに遅れていた。冬の夜にわざわざ出かけたんだから、本当に。
「遅れました!」
「2分19秒遅刻」
すると、マジックアイテムか?得体のしれない何かを取り出しいつものように語り始めた。今日はすごい物を見せるって言って、このためにお屋敷を抜け出して来たんだからなにか成果が無いと困る。でも正直、おとなしいこと以外はやりたくなかった。大人たちに叱られたくなかったから。
「栄、天界の外を見て見たくない?」
日音がそう持ちかけて来たのは、7日前の事だった。俺たちは2年くらい前から友達をやっててその事は親には黙ってる。日音はどうなのか知らないけど、秘密の友達って考えるとなんだかワクワクするんだ。
「天界の外って何、日音?」
「天界と地上」くらいは知っているけど「天界の外」なんて聞いた事なかったし、唐突だったのでそれくらいしか出てこなかった。
「天界の外は、天界の外です」
日音はそう言いながら小さな小石を取り出した。なんの変てつも無い石ころだった。
「これを使うの」
「ただの石ころじゃん兄ちゃん」
「私には、独自ルートがあるんだあ。栄尊くん」
どういう事なのかさっぱりわからなかったけど、どこからか盗んできたのかな、とか考えこんでもわからないくらい兄ちゃんこと
國照日音{くにてる ひね}は不思議な人だった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!