テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「あ、いた!」
校舎の外に、見慣れた背中を見つける。
みつきちゃんは何だか急いでいるみたいに早足だった。
「みつきちゃん発見! どこ行くの?」
「ご、ごめ〜ん。私、ちょっと行くところがあって·····」
そそくさと行ってしまうみつきちゃん。
むぅ。
何だか怪しい。
ひみつの隠し事? わたしはあごに手を当てて考えこみ·····、もうすぐ「アイプリバースデー」の始まる時間だということに気がついた。
いけない! 早く寮に戻ろ〜っと。
「そのはずだったのにぃ〜」
カラスの鳴き声がひびく森の中で、わたしは一人立ち尽くした。
太陽はうんと傾き、あたりはどんどん暗くなる。
こわくて半べそになるわたし。
「寮に戻れないよぉ〜。ここ、どこ〜? この学校、広すぎだよぉ〜」
とつぜん、背中のしげみがガサガサと動いた。
「ひぃぃぃぃ! く、くま!? 」
「くまじゃねぇ、ゆうまだ!」
しげみから出てきたのは、制服を着た小さな男の子だった。
「ゆうま·····ちゃん? 初等部の子?」
「う、うるさいっ!」
ゆうまちゃんはいきなり真っ赤になって(なんだろう?)大声で叫んだ。
#.君のポケットに夜が咲く
30
コメント
1件
読みました!ひまりちゃんがみつきちゃんを追いかけようとして逆に迷子になる流れ、あるあるすぎて笑ったw 真っ暗な森で半べそなのに、ゆうまちゃんの登場で一気にギャグっぽくなるテンポ良かったです。「くまじゃねぇゆうまだ」のツッコミで吹いたわ。初等部の子が照れて叫ぶのも可愛いし、続きどうなるんだろ!