じゃあ前回の続き始めるねぇ~
銀時は仲間たちの中でも回復力が高く、体力の回復は比較的早い方だった。
しかし、戦闘の深いダメージと疲労は完全には癒えておらず、夜になると体が悲鳴を上げる。
夜、布団の中で横たわる銀時は、弱々しい体を震わせながら嘔吐を繰り返す。
顔は蒼白で、汗が額や頬を伝い落ちる。
呼吸も荒く、体力があるはずなのに、内臓や傷の痛みが夜になると顕著に現れる。
神楽や新八は銀時の様子に気付き、慌てて側に寄る。
神楽
「銀ちゃん…どうしてアル…!?大丈夫アルか!」
新八
「無理しないでっ言いましたよね…!ちょっと落ち着いてください、銀さん!」
体を支えながら、嘔吐や震えを抑えようとする二人の必死な手。
それでも銀時は弱々しく、呼吸が整うまで時間がかかる。
戦闘が終わった数日後、銀時は昼間はある程度回復しているものの、夜になると必ず悪夢に苛まれる。
夢の中で、2P坂田銀時が血管を膨らませ、体中に絡みつくように迫る。
2P銀時(夢の中で)
「俺とそろそろ一つの体になろうぜ?」
銀時は夢だと分かっていても、その異様な光景に体が拒絶反応を起こす。
目を覚ますと必ず嘔吐し、汗と血の匂いが混じった床に倒れ込む。
桂も2P桂の影に魘され、意識の中で無理やり攻撃される夢を見て嘔吐する。
高杉は2P高杉の狂気的な笑みと刀に追い詰められる夢で夜毎に苦しむ。
辰馬も2P辰馬の怯えた表情と銃の音が頭から離れず、悪夢にうなされて嘔吐する。
銀時の隣で神楽と新八は心配でたまらず、布団や寝床を整え、汗や吐物を拭いながら支える。
桂の隣にはエリザベス、また子・武市・万斉が付き添い、呼吸を整えさせるように介抱する。
高杉の傍には武市が、辰馬の傍には陸奥が羽織や布を掛け、体を支えながら安静を見守る。
仲間たちは深夜に及ぶ悪夢の度に、胸を痛めながらも必死で支え続ける。
黒い樹木の下、青い桜の花びらが舞い散る。
地面には血のように赤い水が張り、静かに揺れている。
その中で、2Pたちはオリジナルたちの情けない面について、楽しげに話していた。
2P銀時
「見たか、あの弱々しい銀さん…壁にぶつかって顔が歪む姿、最高だったな」
2P桂
「ああ、攘夷四天王気取りのくせに、刀一振りであんなに悶えるなんて笑える」
2P高杉
「君はいつもニコニコしてるけど、実際は脆い。あの青い血を見たときの驚き、面白かったな」
2P辰馬(少し怯えながらも)
「俺…あんなに弱いなんて、認めたくないよ…でも見ちゃった…」
銀時たちは目を開ける。
何度目だろうか――夢なのか現実なのか区別もつかないこの場所。
足元には血のように赤い水が広がり、濁った水面が揺れている。
黒く禍々しい樹木の下、青い桜の花びらが舞い、空気はひんやりと静かだ。
何度も見た景色、嫌でも記憶に刻まれているこの場所で、銀時たちは再び立ちすくむ。
銀時(心の中で)
「また…ここか…」
桂も、高杉も、辰馬も、互いに目を合わせる余裕もなく、胸を押さえながら恐怖に震える。
この光景は、何度も彼らを魘し続け、心に深く刻み込まれている。
そして、視線の先にはいつも――
2P銀時、2P桂、2P高杉、2P辰馬が立っている。
無言で、時に狂気じみた笑みを浮かべ、四人のオリジナルを見下す。
その存在は、血の水、黒い樹木、舞う青い花びらと同じくらい鮮烈に記憶に残り、恐怖を呼び起こす。
銀時たちが悪夢の中で2Pたちを見つめ返すと、赤く濁った血のような水面に小さな波紋が広がる。
その波紋が体にまで伝わるかのように、全身がぞわりとした感覚に包まれる。
目に映る光景だけでなく、体まで反応してしまう。
頬や腕、体の表面に血管が浮き出ているかのような感覚に襲われ、心拍が早まり息が荒くなる。
顔を上げると、2Pたちは無言でこちらを見つめ、狂気じみた笑みや冷たい視線が、さらに生理的嫌悪感を強める。
銀時は目をぎゅっと閉じるも、体は勝手に反応し、気持ち悪さと恐怖で吐き気を催す。
桂や高杉、辰馬も同じように、全身に血管が浮き出るような不快感に震える。
この感覚は夢であると理解していても、理性では抑えられないほど強烈で、絶え間なく彼らを追い詰める。
血のように赤い水は静かに揺れ、波紋は全身に伝わり、視覚と感覚を同時に侵す。
黒い樹木の影、舞い散る青い桜の花びら、そして2Pたちの存在が、嫌悪感と恐怖を最大化する。
この場所に立つ限り、オリジナルたちは休むことも逃げることもできない。
黒い樹木の下、血のように赤い水の波紋が全身に伝わる中、銀時はその場に立ちすくむ。
逃げることもできず、ただ立ち尽くすしかない。
静かに近づいてくる2P銀時の体温と存在感が、銀時の心と体を圧迫する。
突然、2P銀時は銀時を抱きしめる。
抱きつかれると同時に、全身の血管が膨れ上がるような気持ち悪さが体中に広がり、呼吸は荒く、苦しみが全身を駆け巡る。
銀時は顔を上に上げ、眉を顰め、微かに声を漏らす。
体は拒絶反応のように震え、痛みと吐き気が交互に襲う。
精神も圧迫され、思考がまとまらず、ただ「苦しい…」という感覚だけが支配する。
「痛い?なぁ?痛いだろ?」
「寂しい?寂しいだろ?」
言葉は甘い響きながら、体と心を同時に縛り付けるように響き、銀時の苦しみをさらに増幅させる。
青い桜の花びらは血の水の上に舞い、赤い波紋と混ざり、視覚的にも不快さを増す。
黒い樹木の影が銀時の体を包み、全身に重く圧し掛かるようだ。
銀時は必死に声を押し殺し、苦しみながらも耐えようとするが、2P銀時の存在と言葉の力は、逃れることを許さない。
黒い樹木と赤い水、舞う青い桜の中、高杉も銀時と同じく立ちすくむ。
体は全身の血管が浮き上がるような気持ち悪さに包まれ、息が荒くなる。
2P高杉は静かに近づき、高杉の顔を両手で包み込む。
顔を触れられる感触が、銀時とは違った嫌悪感と不快さを生み、体中の感覚をさらに研ぎ澄ます。
全身に血管が浮き出る感覚が広がり、胸の奥までざわつくような気持ち悪さが増す。
耳元で低く囁く。
「寂しい、一人にしないで」
「痛い?痛んだろ?」
言葉の響きが、精神を揺さぶり、体の不快感をさらに増幅させる。
高杉は反射的に、2P高杉の腕に手を触れる。
触れた瞬間、血管が全身でさらに浮き上がる感覚が走り、気持ち悪さが倍増。
息は荒く、顔は歪み、体は震えるが、逃げることも声をあげることもできない。
赤い水面は小さな波紋を立て、黒い樹木の影が重く包む。
舞う青い桜の花びらが幻想的でありながら、不快感と恐怖をさらに際立たせる。
高杉は体の感覚と精神的圧迫に耐えながら、必死に現実を保とうとするが、2P高杉の存在と言葉が逃げ場を奪う。
赤く濁った水の上、黒い樹木と舞い散る青い桜の中、桂は立ちすくむ。
全身に血管が浮き出るような気持ち悪さが広がり、呼吸が浅くなる。
2P桂は静かに桂に近づき、首に手をかける。
両手で首を締められ、桂の体は少しずつ上に持ち上げられる。
首を絞められる感覚と同時に、血管がじわじわと全身に浮き出ていき、気持ち悪さが増していく。
耳元で低く囁く。
「ほら…苦しい、息が出来ない」
「助けて欲しいだろ?」
言葉と体の感覚が同時に桂を襲い、全身に不快感と恐怖を呼び起こす。
首を締められ、呼吸が困難になる感覚が全身に響き、息をするたびに苦しみが走る。
血管が浮き出る気持ち悪さと首を絞められる感覚が重なり、全身が拒絶反応を示す。
しかし、気絶することも死ぬこともない。なぜならこれは夢――夢が覚めない限り、苦痛は続く。
桂は体を震わせ、意識を保とうと必死に耐えるが、逃げ場はない。
赤く濁る血のような水、黒い樹木、舞う青い桜の下で、辰馬は立ち尽くす。
2P辰馬は近づくこともせず、ただ目の前で立っているだけだ。
突如、辰馬の視界に光が差し込む。
その光は不快感しかもたらさず、体中の血管が浮き出るような異様な感覚が全身に走る。
辰馬は体を震わせ、呼吸が荒くなる。頭を抱えても、光の不快感は増すばかり。
頭に流れ込む嫌な感覚に耐えられず、膝から血のような水の上に崩れ落ちる。
血管が一気に浮き出る感覚と、光の不快感が全身を包み、もがくしかできない。
微かな声も上げられず、頭を抱えながらただ苦しむ。
近くに立つ2P辰馬が低く囁く。
「この光から逃げたい?」
「この苦しみから解放されたい?」
その問いは辰馬の意識をさらに揺さぶるが、答える余裕もなく、ただ体と感覚の苦痛に押し潰される。
赤い水面は小さく波打ち、黒い樹木の影が陰鬱に広がる。
舞う青い桜の花びらが静かに揺れ、幻想的でありながらも、辰馬の苦痛を増幅するかのように舞う。
光、血管の浮き出る感覚、頭に流れる嫌なもの――全てが辰馬を包み込み、逃げ場のない悪夢の世界を作り出す。
赤く濁った水の上、黒い樹木と舞う青い桜の中、銀時は目を閉じて苦しむ。
その姿は普段の威勢ある銀時とはまるで別人のように、弱々しく震えている。
微かに、かすれた声でつぶやく。
「やめッッ…てッッ…」
体も小刻みに震え、呼吸は浅く、息を吸うだけで痛みを伴う。
その目はどこか遠くを見つめ、現実と悪夢の境界が分からなくなっている。
新八は銀時の弱々しい声に気付き、慌てて駆け寄る。
「大丈夫ですから、銀さん…しっかりしてください!」
震える声で銀時を抱え、体を支える。
銀時は微かに目を開け、新八の顔を見上げるも、体の震えは止まらない。
新八は銀時を支えながらも、心配で桂のことを思い、一階へと向かう。
桂の部屋の扉を開けると、赤く濁った血のような水の夢の残像が頭をよぎるかのように、桂はベッドの上で震えていた。
苦しみの声を上げ、呼吸は浅く、明らかに呼吸困難に陥っている。
顔は青ざめ、全身に血管が浮き出る感覚に包まれているかのように見える。
息をするたびに苦痛が全身に走り、まるで現実でも死の危険にさらされているかのようだ。
新八は涙をこらえながら桂に駆け寄り、両手で肩を支える。
「大丈夫です、桂さん…だから落ち着いてください…!」
声は震えているが、必死に落ち着かせようとする。
桂はまだ苦しそうに身を震わせ、言葉も出せない。
体中に力が入らず、呼吸も乱れ、痛みと不快感が交互に襲う。
微かに、かすれた声で何度もつぶやく。
「タスッッ…けッッ…て…」
声は弱々しく、震えながらも必死に助けを求める。
高杉の隣には、泣きながらも必死に支えるまた子たちの姿がある。
「晋助様!! 大丈夫です、落ち着いてくださいっす!!」
涙をこぼしながら肩を抱えたり、手を握ったりして高杉を支えようとする。
高杉はまだ苦しそうだが、周囲の必死な声が微かに安心感を与える。
体を小刻みに震わせ、呼吸は浅く、苦しみが全身を覆う。
微かに、しかし何度も繰り返すように声を漏らす。
「わしッッ…の心にッッ…入ってくるなッッ…」
声は弱々しく、苦痛と恐怖の混ざった響きで部屋にこだまする。
辰馬の隣に座る陸奥は、優しく肩に手を置き、落ち着かせようとする。
「大丈夫じゃき、わしがおるけぇ…安心せい」
震える声で辰馬をなだめ、体を支え、呼吸を整えさせようとする。
辰馬は言葉を繰り返しながらも、陸奥の温もりに少しずつ支えられ、わずかに呼吸を落ち着かせる。
銀時は布団の上で体を折り、顔を手で押さえながら吐く。
桂はエリザベスに支えられながらも、まだ震えた手で布を押さえ、苦しそうに吐く。
高杉はまた子たちに支えられ、膝をつきながら声も出せずに吐き続ける。
辰馬は陸奥に支えられ、頭を抱えたまま吐き気に耐えるが、体は小刻みに震えている。
新八や神楽、陸奥、また子、エリザベスたちは、四人の姿を見て顔を青ざめ、涙を浮かべながらも必死に支える。
「銀さん、大丈夫です…!」
「桂さん、落ち着いて!」
「晋助様、しっかりしてください!」
「辰馬さん、無理せんで…!」
仲間たちは四人を見て、普段の姿との違いに息を呑む。
銀時はいつもなら軽口を叩きつつも戦場では頼れるリーダーだが、今は声も震え、体も小刻みに震えている。
桂は普段の冷静で圧倒的な剣の使い手としての威厳を失い、苦しげに息をするだけだ。
高杉は常に冷酷で計算高く、圧倒的な存在感を放つが、膝をつき、呼吸困難に苦しんでいる。
辰馬は普段は冷静沈着で的確に銃を扱うが、頭を抱え、体全体が震えている。
「こんな四人、見たことがない…」
「攘夷四天王が揃えば、どんな敵でも立ち向かうのに…」
目の前の四人は、普段の圧倒的な強さを完全に失い、何もできずに衰弱していく。
体は衰弱し、呼吸も乱れ、微かに声を漏らす四人の姿は、仲間たちに強烈な不安と焦りを抱かせる。
それでも、性格は原作通り、弱気になっているわけではない。苦しみながらも仲間の存在に微かな安心を求め、抵抗しようとする意志は残っている。
仲間たちはその姿を見て、必死に支え、守ろうとする覚悟を新たにする。
日々が過ぎ、銀時、桂、高杉、辰馬の体の傷はみるみる癒えていく。
傷口は塞がり、筋肉や体力も少しずつ戻ってくる。
血の気も戻り、呼吸も落ち着き、外見上はほとんど元の状態に近づく。
だが、四人の心にはあの悪夢の記憶が深く残る。
赤く濁った水、黒い樹木、舞う青い桜、2Pたちの姿――
夢の光景は繰り返し甦り、夜になると体を震わせるほどの嫌悪感と恐怖を伴って現れる。
銀時も桂も高杉も辰馬も、目覚めるたびに悪夢の余韻に苦しみ、嘔吐や震えを繰り返す。
新八、神楽、陸奥、また子たちは、体が回復しても悪夢が残る四人の姿を見て深く心配する。
「体は治っても、あの悪夢だけは…」
仲間たちは何とか精神的に支えようとするが、完全に取り除くことはできない。
薄い灯りの中、銀時、高杉、桂、辰馬がちゃぶ台を囲んで静かに座っている。
誰も口を開こうとしないまま、重い沈黙が落ちる。
先に口を開いたのは銀時だった。
銀時「……毎晩、あいつらが来やがる。俺の顔してんのに、気持ち悪いくらい嬉しそうな面してさ。
抱きついてくるんだよ。まるで俺の体を奪うみてぇに」
銀時は奥歯を噛みしめる。
その視線の先には、まだ消えない不安があった。
高杉「俺もだ。
“寂しいだろ?”だの“痛いだろ?”だの、耳元で囁きながら触れてくる。
血管が浮き上がるような……あれは悪夢だけで済ませていい代物じゃない」
高杉の拳は震えていた。
怒りと恐怖、そのどちらも抑え込むように。
桂「私は……首を、締められる。
息ができないのに、死ぬこともできない……
夢だと理解していても、苦しい」
桂はエリザベスにもたれ、苦しげに目を伏せる。
辰馬「わしは……光じゃ。
眩しくて、逃げたくても逃げられん光が、頭ん中まで入り込んでくる。
考えること全部、踏みにじられるようで……ぞっとしたき」
辰馬は額に手を当て、思い出すだけで吐き気を覚える。
銀時はゆっくりと辺りを見回し、静かに言った。
銀時「……つまりだ。
誰一人として、ただの夢なんて思っちゃいねぇ」
誰も否定しなかった。
あの夜の痛みと気持ち悪さは、現実と変わらない。
高杉「奴らは俺たちを壊そうとしている」
桂「心を……」
辰馬「魂ごと奪おうとしてるみたいやき」
三人の言葉が重なる。
銀時はふっと息を吐き、いつものふざけた調子は微塵も見せずに言った。
銀時「だったらよ……四人でぶっ倒すしかねぇだろ。
今度は夢の中じゃなくて、現実で」
2P銀時は黒い樹木の太い枝に腰掛け、ブランコのように足を揺らしながら——
鼻歌を紡ぐ。それは破滅を招くような「滅びの歌」。
メロディは優しく、美しい。
だが込められた意味は、限りなく冷酷。
2P銀時「ねぇ、思わない?
壊した方が綺麗なものもあるんだってさ」
その声はどこか上品で、静かだ。
だが、その瞳は狂気だけを宿している。
2P桂は無言。
刀を膝の上で丁寧に研ぎ、異様なほど滑らかな刃を整える。
青い桜の花びらが刀へ落ちると、血の水面に落ちたように赤い痕を残す。
カン……カン……
刃を叩く小さな音だけが、胸をざわつかせた。
2P高杉は、樹木の高い場所。
銀時の鼻歌に合わせ、まるで踊るように体を揺らしている。
口元には不気味な笑み。
その指先には、いつの間にか血色の蝶がとまっていた。
2P辰馬は赤い水のほとりでしゃがみこみ、
落ちていく青い花びらをぼんやりと見つめている。
ぽちゃん……ぽちゃん……
花びらが沈むたび、辰馬の表情が歪む。
怯えなのか、期待なのか、それは判別できない。
再び、2P銀時が童話の語り手のように口をひらく。
2P銀時
「オリジナルのボクたち。
あんなにボロボロになって……かわいそうに」
くすりと笑う。
2P銀時
「でもさ。
壊れる顔が一番面白いんだよねぇ」
2P高杉「もっと見たいなぁ。ねぇ、次はいつ遊べるの?」
2P桂は刃を拭い、静かに言う。
「次は逃がさない」
2P辰馬は小さく首を振る。
「……帰りたくない。
あの光……怖い」
だが、誰も辰馬を助けない。
その怯えは彼らにとって、ただの娯楽だからだ。
最後に2P銀時が指を鳴らすと、
赤い水面が「笑うように」揺れた。
2P銀時
「次は……魂まで取りに行こっか?」
青い花びらが、舞い散る。
その色は、血よりも不吉だった。
血の水面が静かに揺れ、
青い花びらが沈むたび、闇が深まる。
2P銀時は、枝の上でクスリと微笑みながら——
オリジナルたちへ向けていた視線を、ゆっくりと別の方向へ移す。
その先。
いつからそこにいたのかも分からない。
黒い樹木の影の中、気配さえ感じさせずに立つ“誰か”。
2P銀時
「僕らはさぁ……
彼らと“一心同体”になってからが、本当の遊びなんだよ?」
声は楽しげ。
けれど奥底に潜むのは、救いの無い悪意。
その言葉に——
◆2P高杉は
「そうだ。壊して、同じにして、混ざり合う」
と、愉悦の笑みを浮かべる。
◆2P桂は
刀を握りしめ、小さく「賛成だ」と呟く。
目は揺らがず、静寂の狂気そのもの。
◆2P辰馬は
震えながらも頷き、
「……離れたくない……」と呟く。
そして。
2P銀時が振り向いた**“その者”**。
そこに立っている影の目は、
黒すぎて、光すら吸い込んでしまいそうな闇。
その目と視線が合った瞬間——
空気が変わった。
赤い水面すら波立つことを忘れるほどの、
圧倒的な存在感。
2P銀時
「ねぇ……“君”もそう思うよね?」
暗闇だけが返答。
しかし沈黙こそが肯定だった。
高杉の背後で、空気がひび割れる。
桂の刃に、知らぬ血が滲む。
辰馬の膝が勝手に震える。
その闇の存在は、ただ一歩踏み出す。
それだけで全てを飲み込む準備が整っているように見えた。
2P銀時
「楽しみだなぁ……
ねぇ——“僕らの本物”」
青い花びらが、血の水面に触れる。
ぽつ…り。
その音が、破滅の合図のように響いた。
足元がじわりと赤く染まる。
温度のない血のような水が、銀時たちの足首を撫でるたび、
胸の奥がざわりと逆立った。
――また、ここだ。
銀時は苦々しい顔で呟き、桂、高杉、辰馬も同時に息をのむ。
何度も繰り返した悪夢。
逃れられぬ景色。
青い花びらが、黒い幹からふわりと落ち、
赤い水に溶けて、じんわりと黒に染まっていく。
そして、その木の根元。
そこには、まるで“来るのを分かっていた”かのように、
2Pたちが佇んでいた。
2P銀時は、微笑を浮かべながら、片足で水面を軽く蹴る。
波紋が広がり、その反射で彼の白髪が闇に淡く光る。
2P銀時
「やぁ、また会えたね。
……君たち、ほんと頑丈だね。壊しても壊しても戻ってくる」
その声音は穏やかで、しかし底の方で金属が擦れるような冷たさがあった。
2P桂は刀を軽く抜き、薄く笑む。
「何度もここに来るのは、運命だと思わないか?桂」
桂
「……運命? こんな悪趣味な夢をか?」
2P高杉は指先で髪を撫でながら、
血の水を見下ろして笑う。
「違うな。これは“呼ばれてる”んだよ。
お前たちの心が、俺たちを求めてるんだ」
高杉
「ふざけんな……誰がてめぇなんか……!」
怒りを押し殺しながらも、その声は震えていた。
心の奥の、何かを見透かされているようで。
2P辰馬は一人、水面に膝をつき、
青い花びらを掌に乗せ、ゆらりと呟く。
2P辰馬
「痛みも、寂しさも、全部共有できたら……楽になるのになぁ」
その言葉に、銀時のこめかみがピクリと動く。
「……寝言は寝て言え。
お前らと一緒になったら、余計気持ち悪くなる」
だが、2P銀時はゆっくりと首を傾け、
楽しそうに微笑んだ。
2P銀時
「……じゃあ、“慣れ”てもらおうか」
その瞬間、血の水面が激しく波打ち、
赤い光が四人の足元から絡みつく。
それはまるで、逃がさないという意思を持つ“手”のように。
――再び、悪夢が始まろうとしていた。
血のような水面が波紋を描く。
銀時の掌を包む2P銀時の手は、ひどく冷たいのに、同時に焼けつくように熱い。
握られた瞬間、腕の血管が浮き上がり、皮膚の下で何かが蠢く。
その不快感が脳髄を刺し、銀時の呼吸が乱れた。
「やめろ……ッ」
震える声で、銀時は手を引こうとする。
だが指先はまるで鉛のように重く、力が入らない。
2P銀時は、もう片方の手も掴み取り、血のような水の上で、ふわりと踊り出す。
まるで舞台の上のように、優雅で、けれど狂気じみた動きだった。
「ほら、俺と一緒になればさ――」
2P銀時は銀時の頬に額を寄せ、笑う。
「もっと強くなれる。もっと皆を守れるようになる。
……お前が願ってること、俺はちゃんと分かってるよ」
銀時は苦しげに唇を噛み、目を逸らした。
「そんな力、いらねぇ……お前の中に守るもんなんてねぇだろ」
だが2P銀時はその言葉を楽しむように鼻で笑い、
囁くように言葉を滑らせた。
「違うよ、銀時。俺は“お前”だ。
お前が抑えてる弱さも、痛みも、俺の中に全部ある。
だから――一緒になれば、もう何も怖くない」
銀時の視界がぼやける。
血管が鼓動を打つたび、頭の中に金属音のようなノイズが走る。
2P銀時は銀時の耳元で、甘く狂った声で囁いた。
「今、サナギから蝶になろうよ? ねぇ……オリジナルさん」
その声が響いた瞬間、
銀時の背中を伝って、黒い蔓のようなものが這い上がる。
まるで“融合”が始まるかのように、皮膚の境界が曖昧になっていく。
銀時は必死に抵抗する――
だが、その身体が、夢の中で徐々に“溶けていく”ように見えた。
2P桂の白い手が、静かに桂の首へと伸びる。
掴まれた瞬間、冷たい金属のような感触が走り、桂の全身がびくりと跳ねた。
その直後――首の周りからじわじわと青い色が滲み出す。まるで体内の血が、冷たい鉱石に変わっていくかのように。
「……ッ、やめ……ろ……ッ」
桂は苦しげに息を吐きながら、両手で2P桂の腕を掴む。
だが触れた指先から、また青色が広がり始めた。
皮膚の下で、血管が青い光を帯びて浮かび上がる――まるで体そのものが“変質”していくように。
2P桂はその様子を見て、微かに笑った。
「ほら……お前も、僕と同じ色になってきた」
低く静かな声が耳を撫で、冷たい吐息が首筋にかかる。
桂は必死に腕を振り払おうとする。
「お前なんかと……同じになるつもりは……ねぇッ!」
だが指先に力が入らない。
青く染まる皮膚が、もう自分のものではないように感じる。
2P桂は首を絞めながら、その瞳を細めた。
「でも、もう手遅れだよ。
お前の中の“怒り”も“孤独”も、全部僕が染めてあげる」
首を締めつける力がさらに強くなる。
視界が滲み、息が詰まり、鼓動だけが耳の奥でうるさく鳴る。
「僕らはひとつになる……桂。
お前が望んだ“静かな世界”を、僕が叶えてやるよ」
その言葉が響くたびに、桂の肌を覆う青が濃くなっていく。
まるで魂ごと、冷たく凍り付いていくように。
2P高杉は、背後から音もなく近づいていた。
冷たい気配だけが、背中を撫でるように走り、高杉は思わず身を固くする。
次の瞬間、2P高杉の手がゆっくりと高杉の肩に触れ――指先が、まるで霧のように体の中へと“沈んで”いった。
「……っ!?」
声にならない声が喉から漏れる。
体の奥に、異物が入り込む感覚。
そしてすぐに、腹の中を掻き混ぜられるような、ぞわりとした気持ち悪さが高杉の全身を支配した。
「やめろッ……ッ」
体をよじって振り払おうとするが、指は抜けない。
2P高杉の腕は、高杉の体の中で脈打ち、内側から何かを撫で回すようにゆっくり動く。
そのたびに、吐き気と寒気が一気に込み上げてくる。
「どう? 内側まで“触れられる”って、どんな気分だ?」
2P高杉は耳元で笑う。
声は穏やかで、まるで恋人に囁くような甘さすら帯びていた。
「お前の中身……温かいねぇ。ほら、怒りも、痛みも、ぜんぶここにある」
そう言って、高杉の胸の奥をぎゅっと握るように手を動かす。
瞬間――高杉は喉から悲鳴を漏らし、全身を震わせた。
体の中がぐちゃぐちゃにかき回されるような感覚。
痛みではなく、ただ“不快”で、“恐怖”で、“吐き気”しかしない。
2P高杉はその苦しむ姿を見て、ゆっくりと顔を寄せた。
「苦しい? でもこれは、お前の中身を“確かめてる”だけさ。
お前がどれだけ汚れてるか――俺が一番、知ってるだろ?」
高杉の呼吸は荒く、足が震える。
だがその瞳には、怒りの炎がまだ消えていなかった。
「……テメェ……俺の中まで勝手に……触るんじゃねぇ」
2P高杉はその言葉に、にやりと笑った。
「でも、もう俺は“中”にいるんだよ。高杉晋助。
お前と俺は、もう――離れられない」
そう囁いた瞬間、冷たい指が心臓のあたりをゆっくり撫で、
高杉の体中を再びぞわりとした悪寒が駆け抜けた。
血のように赤い水面が揺れる。
辰馬はその場に立ったまま、2P辰馬の冷たい視線を感じる。
何もされていないはずなのに、胸の奥でざわつく感覚が走った。
腕や首に、血管が浮き出す。
普段なら夢の中で感じる程度の不快感。
しかし今回は――違う。
それが、どんどん膨れ上がり、体の奥から押し出されるような圧迫感になっていく。
息を吸うたびに、胸が締め付けられ、鼓動が暴れる。
心臓が痛くなるような錯覚とともに、吐き気と悪寒が同時に襲ってくる。
「……く、くっ……」
辰馬はかろうじて声を出す。
だが、手を振り払おうにも、体の感覚が鈍く、力が入らない。
2P辰馬は微動だにせず、ただその場で辰馬を見つめる。
無言のまま、存在するだけで辰馬の体を“侵食”していく。
体の奥に広がる圧迫感が、単なる気持ち悪さから、痛みと苦しみそのものへと変化していくのが、辰馬自身に実感できる。
体が叫び、心が叫ぶ。
しかし声は外に出せず、ただ胸の中で反響するだけ。
「……や、やめ……っ……」
微かな声が震え、涙が頬を伝う。
辰馬は立ったまま、逃げることも、抗うこともできず、ただその苦しみに飲み込まれていく。
朝の光が差し込むと同時に、辰馬の身体は重く、全身に冷や汗がびっしょりと滲んでいた。
夢の悪影響はまだ残り、胃が強く反応する。
思わず吐き出す。
喉を通る液体の感触とともに、体の奥まで不快感が染み渡る。
横にいる陸奥が慌てて手を差し伸べる。
「辰馬、大丈夫じゃき……しっかりせんと」
辰馬は膝をつきながら、まだ震える声で答える。
「……わし……また……夢を……」
吐き終わった後も、胸の奥に重く残る違和感。
体は回復しても、心と体の内側に残る“気持ち悪さ”は、消えることなく、まだ辰馬を支配している。
隣で見守る陸奥の目には、深い心配と、絶え間ない疲労が映る。
この苦しみは、まだしばらく終わらない――。
因みに攘夷組の2Pたちの設定はこんな感じ
象徴色:黒×深紅
特徴:
黒い樹木の上で「滅びの歌」を鼻歌で歌う存在。
口調は穏やかで柔らかく、どこかおしとやかにも聞こえるが、その中身は底知れない不穏さを孕む。
何より「オリジナル(本物)」に強い執着を持っている。
目的は“完全な融合”——「自分と本体が一つになり、完全体となること」。
そのために銀時を抱きしめ、血管が浮き上がるような苦痛と気持ち悪さを与える。
「一緒になれば、もっと強くなれる」「蝶になろうよ」など、優しくも狂気的な言葉で誘惑する。
性格:
穏やかな口調の裏に狂気を秘めたカリスマ。
感情を抑えているようで、心の底では飢えと孤独、そして“同化願望”が渦巻く。
攘夷4人の2Pの中でもリーダー的存在。
戦闘スタイル:
象徴色:青黒×群青
特徴:
黒い樹木の根元で刀を整備し、常に冷静沈着。
本体の桂を「弱さ」と呼び、徹底して痛みや恐怖を与える存在。
戦闘中に本体の首を締め上げ、「息ができない」「助けて欲しいだろ」と嘲笑する。
手に触れた部分から青色に染まる“変質”の力を持ち、触れられた部分は冷たく凍るように青ざめていく。
性格:
理性的だが冷酷無比。
感情が薄いが、内面では本体への羨望と憎悪が入り混じっている。
「自由」を求めた桂とは対照的に、「支配」を望む存在。
戦闘スタイル:
精密な剣技。移動速度は非常に速く、残像のように動く。
象徴色:深紫×漆黒
特徴:
本体を苦しませるために、直接体に干渉する能力を持つ。
手を差し込んで「内側から痛みを与える」異質な攻撃。
常に狂気じみた笑みを浮かべているが、怒りと悲しみが混ざるような不安定さがある。
性格:
攘夷4人の中で最も破壊的で、快楽と痛みの区別がない。
自分を「オリジナルの影」と認識しており、存在の意味を「痛みで証明」しようとする。
鬼兵隊の存在を嘲りながらも、「仲間」という言葉にはわずかに反応を見せる。
戦闘スタイル:
超接近戦型。
象徴色:黒×青白
特徴:
黒い樹木の下で、血のような赤い水に落ちる青い花びらをただ見つめている。
他の3人と違い、直接的な攻撃はあまり行わない。
しかし“光”が差すと、彼の体も血管が浮き出し、周囲の者にも痛みを伝播させる。
光は「不快」「痛み」「真実」を象徴するもので、彼自身もそれを恐れている。
性格:
静かで無表情だが、時折優しげな微笑みを見せる。
しかしそれは“苦痛の共有”を望む歪んだ優しさ。
「逃げたい?」「楽にしてやる」と穏やかに語るが、その結果は苦しみしか生まない。
戦闘スタイル:
素早く動き震える手で正確に拳銃で撃ってくる
ぞれが「本来の攘夷組」の影であり、彼らの心の歪み、罪、弱さ、そして恐怖が形となった存在。
彼らは“対”ではなく、“心の中のもう一つの答え”として生まれた存在。
って感じChatGPTってやっぱ偉大だわ、、
じゃばいちゃ~
コメント
4件
うわーお。すんごい文章量‥ こんなに書こうと思ったら多分4日はかかるわ(( 今度チャットさんにかいてもらおーかなw(そんなことはしません)
一週間分の読書した気分 続編待ってるます