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※キャラ崩壊注意

合間にこんなことあったらいいなって



リアムsaid


見回りのため最上階のプール、3階、2階、1階、地下牢の順に回る。

この飛空艇はかなりの高さを飛ぶため外は夜になると冷え込む。それも冬は5分もせずに手がかじかむほどに。中に入れば暖房が付いているが、地下にはそんなものはなく外とほぼ同じ気温になる。



地下牢の入口のドアを開ける。ここに来るまでも寒かったが空間そのものが冷えきった上に隙間風も吹いていた。少し身震いをして声をかける。


「ちゃんと寝てるか」


3人の寝息が聞こえるのを確認しながら手に持ったランプで牢の中を確認していく。

9番と6番がさすがに寒すぎるのかパーカーを着込んで薄手の毛布を肩までかぶり寝ている。が、問題は8番。

なぜこの寒さでいつもの囚人服に毛布もかぶらず牢のど真ん中で寝ているのか。


「8番。…寝るならベッドで寝ろ8番」


意外とふわふわした髪を撫でてみる。

………起きないか。

それならばと上を向いた額を軽く叩くが起きない。あまり大きな音をたてて他の2人を起こすのも申し訳ない。

はぁ。

吐く息が白い。

持ち歩いている鍵で牢の扉を開け中に入る。

大の字で寝る8番を軽く揺すると小さき呻くが起きる気配は全くない。


「8番、さっさとベッドへ行け。凍死するぞ」

「んん〜………」


少しだけ目を開け天井を見つめた後、こちらを見る。


「とら、ぞー?」

「………」

「とらぞー、抱っこ」

「は?」


腕をのばし早くと急かす。

このまま放っておけばここで寝そうだがその『とらぞー』とやらと勘違いされるのもどこか癪に障る。


「ぺいんと……」


隣…9番の方から声がする。

2度目の白い溜息がもれる。

成人男性を持ち上げるのは初めてでどう持てばいいのかわからず横抱きにする。狭い牢屋ではベッドまでそう距離はなく体温が伝わる前に腕の中から温もりが無くなる。


「まったく………」

「ま、て」

「次はなんだ」

「おやすみの、…………」

「?」


おやすみの…なんだ?

言い切る前に夢の中に旅立ったらしい。

まぁ、おやすみの、と言えばキスしかないか。しかしどこにするか、いや、どこにしていたのか。普通は額や頬、鼻…だが。

真夜中のせいか少しの悪戯心が芽を出す。

普段あれだけ問題行動を起こしてくれてるんだ。少しの仕返しだと思えばいい。

逃げないように顔を固定して8番の唇と自分のものを重ねる。幸運にも監視カメラは6番のほうをむいている。気にせず、長く合わせ続ける。苦しいのか少し身じろいだ時に離れる。小さなリップ音と、それから少し息が荒い8番。

そのまま壁の方を向いてしまい仕方ないかとその場を離れる。


「看守?」


地下牢を出ようと扉に手をかけた時、9番に呼び止められる。


「9番。寝てたんじゃなかったのか」

「眠りが浅いので足音で起きました」

「そうか。それは悪かった。それで、何か用か」

「いえ、今ぺいんと…8番の部屋から出てきた気がして」

「あぁ、ベッドに入らずに寝ていたからな」

「そうだったんですね。いつもあんな感じなのでそこまで気にしなくてもいいんじゃないですか」

「こんな寒い日にあんな寝かたしたら風邪をひくだろう。囚人の体調管理も看守の仕事のうちだからな」


長めの前髪から覗く目は警戒と威嚇の意がこもっている。まさに猫だ。


「明日は朝から刑務作業だ。さっさと寝ろ。それじゃあ、おやすみ」

「おやすみ、なさい」


どこかふわふわとした足取りで仮眠室に戻る。

腕に残る温もりと柔いあの感触が嫌になるほど残っている。


起きてたの、気付いてるぞ。




おまけ

ぺいんとsaid


何故か息苦しくて意識が一気に浮上した。

いつもよりあたたかいことに気がつく。毛布が被っている。床で寝ていたはずなのに……。

それよりも、とにかく苦しい。うっすら目を開けると慣れしたしんだあの人の香り。いつもは見えない目元。

あ、今看守とキスしてる。

意識した途端さっきよりもずっと息苦しく感じる。監視カメラが、とか2人が、とか。どうでもいい考えが通り過ぎていく。

身動ぎをするとゆっくり離れていく。咄嗟に目を瞑ってしまう。

離れる瞬間の音と触れ合っていた頬の熱がどこか気まずくて背を向けてしまう。


牢屋から出る音、話し声、部屋から出る音。

緊張が解けたのか深い眠りについた。



(それで朝寝坊したとかそんなことない)

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コメント

1

ユーザー

やばい、最高すぎる! フォロー失礼しますm(*_ _)m

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