【 好きバレしちゃった輝くんの話 】
⚠ /// ATTENTION /// ⚠
最初から最後まで輝→茜です。
輝くんが終始わたわたしてます。
「…会長って、僕のこと好きなんですか?」
「……ん??」
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「いや、風の噂というか、なんとなくというか…。」
そういって口ごもる茜を他所に、輝は動揺していた。今までの人生で一番と言っても過言ではないかもしれない。
なんで、なんでバレた?そんな分かりやすい素振りを見せた覚えは無いし、そもそも自分はそういう点において分かりにくい方だろうに。
誰にバレて、誰が蒼井にバラした??仮に気づいても、黙ってくれればよかったのに。
「あの…会長?大丈夫ですか?」
「っえ、ああ、うん、………」
全くもって大丈夫ではない。が、早く弁明しなければ。沈黙は肯定と捉えられてしまう。もしそうなったら、彼の傍にいることすら憚られる。それは嫌だ。
早く、早く弁明しないと。
「…それで、さっきの件だけど。…誰?そんなデマ流したの。」
「今の間を作っておきながらそれはないですよ。ハッキリ言えばいいじゃないですか。」
「は、………」
馬鹿言え。そんなことしたら、きっと君は僕から離れて、卒業までずっと他人行儀でいるだろ。それが嫌だから、今迄ずっと黙っていたのに。
動揺する輝を見て、茜は考える。
コイツがこんな慌てるのは珍しいな、とか、殆ど冗談だったんだけど本当だったんだな、とか。
正直少し気分がいい。勿論、コイツに好意を向けられたことにではなく、コイツが慌てていることに、だ。
普段から散々弄ばれているのだから少しくらいいいだろう、と思い、コイツの珍しい面を黙って眺めていた。
……まあただ、流石に飽きた。沈黙は苦手では無いとはいえ長すぎる。息が詰まりそうだ。
「…源会長。生きてます?」
「…生きてる、よ。」
「瀕死ですね。写真撮ってあげましょうか。」
「やめて」
そんなことを言いつつ実行しないのは、今の状態の会長を本格的に煽ったら、恥ずかしさでヤケクソになった会長によっていつもより強く雷を撃たれそうだと思ったのと、ほんの少しの茜の優しさである。
「…あの、さ、なんで分かったの?誰かに聞いたの…?」
「あー、…今日の昼休みの話なんですけど。」
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『お前って、結構源会長に好かれてるよな〜』
『いいなあ羨ましい。ギャルゲーの主人公か!』
『…はあ?どこが』
『いやいや、分かりやすいだろ〜。お前さ、その眼鏡くれたのだって源先輩だろ?』
『そうそう、なんか特別扱いみたいなね』
『はあ……』
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「…って、ことがありまして。言われてみればそうかなあ、と。」
「………………」
…僕は、そんなに分かりやすかっただろうか。少なくとも一般生徒の前では、誰に対しても同じ態度で接していた筈なのに。やはり態度や目線で分かってしまうものなのだろうか。
「ていうか、別にそんな恥ずかしがることじゃなくないですか?…そこまで動揺されると思ってなかったんですけど。」
「蒼井にとってはそうかもしれないけど、僕にとってはそうじゃないんだよ…」
「まあ確かに、アンタ経験なさそうですもんね。」
「…それに、フラれることは目に見えてるし。負け戦をするつもりはないよ。」
「………ん? 」
「どうしたの?」
蒼井の口から疑問符が浮かぶ。僕はなにか可笑しなことを言っているだろうか。蒼井は赤根さんのことが好きなわけだし、実る可能性はゼロじゃないか。
…と、その時、嫌な予感が頭をよぎる。もしかして、いや、そんなことはないはず。…でももしかして、もしかしたら、
「…その、すごく言いづらいんですけど、僕はアンタに、”後輩として”とか、”友達として”、友好的に思われてるのかな、と、思って、」
…さいっあくだ。
「もしかして、アンタ僕のこと、」
あーーーーもう、本当に最悪だ。そりゃそうだ、僕も蒼井も男なんだから、 友達としての話に決まってるだろ。
「恋愛的な意味で、好きなんじゃ、」
言わないで欲しい。本当に。
「……ちょっ、会長、?!?!まって、なにする気ですか、!!?てかなんで!!?」
「もうこうなったら蒼井の記憶を消してから僕も死ぬ」
「ちょっと!!!!?!?!?」
先程までの静かな雰囲気から一転、ドタバタと騒がしくなる生徒会室。
もうなんでもいい。バレてしまった事実を一刻も早く消したい。僕の馬鹿。本当に嫌だ。
「、っ落ち着いて下さいってば!! 死にますよ僕!!」
「……っ、…………」
「自暴自棄になりすぎです、もう……」
「……だって……」
墓まで持っていくつもりだったのに。絶対絶対、蒼井にだけはバレないようにしてきたのに。変に勘違いして、自分からバラして、傍からみたらすごく滑稽じゃないか。
「…蒼井」
「なんです?」
「好きだよ」
「ごめんなさい」
「……はぁぁああ、……。」
もう無理。こんな空気耐えられない。なんで、なんで少しだけ期待したんだ、馬鹿なのか僕は。
乱暴に鞄を取りながら椅子から立ち上がり、机の上の自分の物を雑にカバンに詰めて、扉へ向かう。
「帰るね」
「…はあ、さようなら」
「もう関わってくれなくていいから、ほんと、」
「………はあ?」
「………っじゃあ、またね!!」
バンッ、と扉が勢いよく閉まる。
衝撃の事実と輝の行動に混乱しつつ、茜は思う。
…いや、普通に明日も生徒会あるし、会長と副会長だし、関わらないのは無理だろ。物理的に。てか、またねっつっちゃってるし。馬鹿なのかあの人は。
別に今回のことに関してはそんなに気にしてない。ああそうだったのかぐらいで。会長には、僕が好意を寄せてくる人間には二度と関わらないような、冷たい人間に見えているのか。確かにハッキリ断りはするが、別に二度と関わらない訳でもないし、そんなの無理なのは分かってるだろ。本当に今は頭が回っていないらしい。気にしてないの意思表示の為に、うさぎのスタンプだけを送っておいてやった。どうせ見ないだろうがな。
身勝手な先輩のお陰で倍にまで増えてしまった仕事を眺めて、茜は大きな溜息を吐いた。
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【 おまけ 】
『あああ、あおいせんぱい……、!!』
『家帰ってきてから、兄ちゃんが部屋から出てこなくなっちまって……!』
『何か知りませんか……!?!?』
「………さあね~…。」
コメント
2件
ウワァァァァ!!!!やっバイ……やっぱ🧬様の輝兄まじで一番くらい好きです……あたふたしてて頭回ってないの可愛すぎました……(泣)🫶茜くんは茜くんで意思曲げないのほんとに好きだし、兎のスタンプ送るとかの気遣い方向性が可愛くて好き!!(•ө•)♡ ギャルゲーの主人公は草