「いっちゃん!」
咲希は一歌と仲がいい。
咲希が遠くの病院で入院している間、一歌がよくお見舞いに行っていた。
咲希は中学の間は入院していて学校には来ていなかった。
中学の間に私達はバラバラになってしまった。
でも今は一緒に演奏できるし、遊んでいる。
けれど、私達は咲希にとって『友達』『幼なじみ』って言うレッテル。
それだけならよかった。
私はどうしても一歌が咲希の【特別】に見えてしまう。
どうして咲希は自分の細くて可愛い指…手で一歌の手を握るの?
どうして一番に一歌の報告するの?
どうして私は【咲希】の特別になれないの?
当然だ。
一歌は私達がバラバラになっている間も咲希が入院してる病院にいって咲希を元気づけていたし。
…あぁ、でも咲希はこの事を知らないんだな。
「それじゃあ咲希、またお見舞い来るね」
「ばいば〜い!いっちゃん!」
…いっちゃん帰っちゃった。
今頃ほなちゃんとしほちゃんは何してるんだろう…….。
ほなちゃんは勉強とかかな…それともほなちゃん料理上手だから晩御飯の準備でもしてるのかなぁ…….。
しほちゃんはベース弾くの上手だからその練習とか?
「退院出来たら皆でバンドやりたいなぁ…….」
なん、か、グラグラする
熱いし…な、に
きも、ちわるい
「咲希、お見舞いに来「っ!咲希っ!!大丈夫!?」
誰…….?
制服着てる…….
もしかして…
「いっちゃん…?」
顔はよくわかんないけどいっちゃんな気がする…….
「っ!私はっ「よかったあ…….いっちゃんが来てくれてほんとにっほんとによかったぁ…….泣」
いっちゃんが先生を呼んでくれたおかげで楽になった。
…まだ万全な状態じゃないんだけどね。
早く遊びたいなぁ…….
この後すぐにお兄ちゃん達が駆けつけてくれた。
お兄ちゃん達が来たと同時にいっちゃんは帰っちゃったけど…….。
「咲希ィーーーー!」
「お兄ちゃん!病院では静かに!!」
「む…すまない。それで体調は大丈夫か?」
「うん!いっちゃんがすぐに先生を呼んでくれたから平気!」
「そうか…よかった」
咲希が体調を崩したと病院から連絡が入って急いで咲希の病院まで駆け付けた。
病室前で志歩とすれ違ったんだが志歩もたまたま咲希のお見舞いに来ていたのだろうか…….。
「いっちゃんがすぐに先生を呼んでくれたから平気!」
一歌…….?
一歌なんて見てないぞ?
もしかして…….。
咲希があの時一歌って勘違いしてたんだよね。
咲希…….私も一歌程じゃないんだけどお見舞いには行ってた。
偶然咲希が寝込んでたりして直接話してはないけど…….。
ねえ咲希…….。
「愛してよ。」
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