第1話 出会い
このお話はアプリ”LINE漫画”で連載中の「喧嘩独学」の夢小説です。
地雷の方はお手数かけますがお戻りください。m(_ _)m
〈設定〉
月島杏奈(主人公)·····16歳(高校1年生)
松島絵梨花·····杏奈の親友 16歳(高校1年生)
「ねぇ、まだ〜?」
「もうちょっと待ってよー。マジ化粧品ってずっと見てられるんだよねー。」
そう言って親友の絵梨花は店の奥の方に行ってしまった。
そんな絵梨花を横に、もう買い物を終わらせてしまった私は店前のソファーに座っていた。
昨日で定期テストが終わった私たちは、創立記念日の今日、平日だが、隣町のデパートへ買い物に来ている。絵梨花とはよく買い物に来るが、絵梨花はとにかく買うのが遅い。ひとつの店で軽く30分は過ごしている。かという私は、10分程度で終わらせてしまうため、ずっと座ってまつはめになる。
(まっ、待ってるのも楽しいけど)
そう思いながら、私は鞄から本を取り出した。本が好きな私は、デパートに行けば必ず本屋によって、本を買う。そして、絵梨花を待っている間に買った本を読む。絵梨花と遊ぶときは必ずそうしている。
2、30分たって、私は一旦本から目を離し店の中をみた。
(絵梨花、遅いな………)
店の中では、絵梨花が定員さんと夢中になって話している。
(まだまだかかりそうだな)
そう思い、私は再び本に目を戻した。そのとき、私の隣に誰かが座った。チラッと目をやると、大柄の男性だと分かった。髪をセンター分けにしているせいか、目が見えない。(と、ジロジロ見ては失礼だ。)
私は目を離した。
「何の本ですか?」
突然声をかけられて、私はビグッとしてしまった。慌てて声の方を見ると、さっき隣に座った男性がこちらをめていた。そして、びっくりした。その男性はアイドルや俳優さんでもおかしくないほど整った顔をしていた。
「あっ、えっと………」
「ああ、突然話しかけてしまってすみません。」
そう言って男性は微笑んだ。
「いえ、大丈夫です。これ、最近はやってる本ですよ。〇〇〇っていう、知りませんか?」
「ああ、その本ですか。知ってますよ。最近テレビでも取り上げられてましたよね?」
「はい。私もテレビを見て知ったんです。」
私は一旦本を閉じて、表紙を見せた。
「へぇ、そうなんですね。」
「はい………」
少しだけ気まずい空気になってしまった。どうにかしようと私は話しかけて見ることにした。
「あの、あなたはどうしてここに来たんですか?何か欲しいものでもあったんですか?」
「はい。でも、もう買い終えてしまいまして。」
「なるほど………では、どうしてまだここに?」
「それは………………」
男性は少しだけ考えるような仕草をしてから、こちらを見て微笑んだ。
「もし、あなたに気があるから、と言ったら?」
「はい?」
一瞬意味が理解出来なかった。
「ですから、先程からあなたを見ていたんですが、とても可愛いらしいと思って。あなたと話したかったんです。」
「えっと………」
やっぱり、よく理解出来ない。それから、意を決して聞いてみた。
「えっと、それはナンパ………ということですか?」
男性の顔を見た。男性はさっきからずっと私の顔をじっと見ている。
「ふふっ、そうですね。ナンパですね。」
「ははは………」
どうしよう。私は中高と女子校で男性に免疫が無い。普通の学校に行っている人達はこんな時なんと返すのだろうか。考えてはみたが分からない。少し怖くなって、絵梨花のところへ行くことにした。
「すみません。友達が待っているので。」
そう言って、席を立ち、絵梨花の方へ駆け出した。しかし、次の瞬間、手首を掴まれてしまった。
「あの、離してください。」
本格的に怖くなり手は震え出した。
「ん?嫌です。」
そう言って、また微笑んだ。
「いや、あの、本当にいいんで、」
「いいって、何が?」
男性は立ち上がって私を見下ろした。さっきまで座っていたから気づかなかったが、この男性すごく背が高い。
(うわっ、背高!?やっぱ、怖い………)
私は振りほどこうとしたが、どれだけ手を振っても離れない。助けを求めて、周りを見たが、驚くほど人がいない。
(そっか、今日は平日だから………)
私が慌てふためく様子を見て、男性は笑いだした。
「はははっ!どうしますか?誰もいませんけど?」
私は男性をキッと睨んだ。しかし、男性は怖がるどころか何ともなさそうに笑っている。
「何がしたいんですか?」
「何がしたいのか、か………」
男性はしばらく黙ったが、再び話しだした。
「じゃあ、着いてきてくれる?」
「嫌です。」
「うーん。だよねー」
そう言うと、掴んでいる手の力を強めた。
「うっ、」
手首がミシミシし言っているような気がする。
「もう一度聞きます。………来てくれますか?」
「………もし、嫌と言ったら?」
「そうですね………あちらはお友達ですか?」
男性は絵梨花を見ている。
「もし、あなたが嫌と行ったら、あの子に何かしてしまうかも知れません。」
「っ?」
(何かする?何かって、何?)
考えても分からない。ただ、絵梨花に何かあるなんて、絶対に嫌だ。
「………分かりました。分かりましたから。あの子には何もしないでください。」
「もちろん。あなたが来てくれるならそれでいいですから。」
男性は微笑んだ。
「では、」
そう言って、男性は私を引っ張った。
「あれっ??杏奈ー?どこー?電話にも出ないし。」
私は再び電話をかけ直した。
コメント
1件
内容が最高すぎる!