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「ん、つめたっ、」
目を覚ますと、冷たいコンクリートの上で寝ていた
「ここは、薙刀は無事、」
私は起き上がり、薙刀を持って辺りを見回した
「さっきの廃墟、では無さそうだな」
奴のテリトリーに引きずり込まれたか?
だとしたらまずい、さっさとここから出ねぇと
私は灰暗い道を壁に手を伝しながら、ゆっくり歩みを進めた
後ろから見ていた気配に気づかないまま
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扉を開けると、そこにはフードを被ったまま佇む怪異がいた
「!また怪異かよ、」
私は薙刀を構えると、奴はこちらに気がついたのか、私に身体を向けた
“あなた 人間?”
「は?えごめん何つった?」
鼓膜を震わしたのは明らかに人語ではない言語、
やべ私終わったかも
これじゃ意思疎通できねぇじゃねえか
“あなた 理解 ない 言葉 ?”
「あー、ちょっと待ってろ」
私はポシェットの中からお札を取り出した
これは霊の言葉を人語へ翻訳する代物だ
霊用だが、怪異にも通用出来んのか?
私は試しに帽子に札を貼った
すると
「あなた 理解 ない 言葉?」
「通用すんのかい」
だが、こちら側の言葉は翻訳されない為、
こちらが一方的に意味を知っているだけである
「えっとぉ?理解ない、言葉、
言葉が理解出来ないのかって事か」
私が横に首を振ると、フードの怪異は私の口を指差し
「あなた 喋る できる 言葉?」
「喋る、言葉、アンタらの言語を話せるのかって事か?」
私はまた首を横に振ると、
「なるほど 言葉 できる 教える」
「おっ、教えてくれんのか」
私は札を外し、フードの怪異を見る
すると、フードの怪異は私を指差し
“ あなた ”
そして今度は自分を指差し
“ 私 ”
「”あなた、私、?”」
“ 正解 ”
おっ、合ってたぽい
フードの怪異はコインを取り出し、手のひらにのせた
“ ここ ”
そう言うと次は、コインを上へ投げた
“ 上 投げる ”
コインはそのまま重力に従って下へ落ちた
“ 下 落ちる ”
フードの怪異は指を右へ指し
“ 右 ”
次は左を指差した
“ 左 ”
「なるほどな、」
ある程度言葉を理解でき、私は札を帽子につけた
「 あなた 理解 する 言葉 ?」
「あぁ、ありがとう。おかげで助かった」
私は頷き、言葉は伝わらないだろうが
一応言っておこうと礼を言った
「 良かった 」
その後、私はフードの怪異と別れた