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すみれと一緒に「すみれの咲く場所」へ行ってから、私たちの日常は少しだけ変わった。
教室の隅で小さなメモを渡しあったり、
帰り道に一緒に歩いたり。
ときどきすみれが笑うと、
それが私にとって一番の宝物になる。
ある日の昼休み、校庭のベンチに座って、
お互いの好きな本の話をした。
「この前読んだ小説、すごくよかったよ」
「私も読んでみたいな」
そんな些細な会話が、私の心を少しずつ満たしていく。
時には一緒に放課後の図書室で静かに勉強することもあった。
すみれはいつも穏やかで、でも時々はにかむように笑う。
そんな彼女を見ていると、
「私が“すみれ”を好きになったのは、夢の中だけじゃない」と確信した。
ただの友達以上の、
でもまだ言葉にできない、
そんな感情が少しずつ育っていく。