テラーノベル
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ある日、生徒会内部で極秘裏に開催された“内部査問ギャンブル”。
対象となったのは、三役のひとり・五十嵐清華。ギャンブル結果の操作を疑われた彼女は、夢子によって提案された特別戦に引きずり出された。
ゲームは「決闘記憶(メモリ・ロワイヤル)」
お互いの記憶に基づく“偽証”を積み上げ、最も整合性のある嘘を語った者が勝つ。
「蛇喰夢子……あなた、私が“操作”したと思ってるの?」
清華は震える声で問う。
「うふふっ、いいえぇ。思っているのはわたくしじゃなくて、“記録”の方です」
冷たい笑顔を浮かべた夢子は、静かに札を切る。その札には、清華が“ある生徒の負債データを改ざんした記録”が映っていた。
清華が、口を開けかけ──閉じた。
「その札、どうやって手に入れたの……?」
「書記ですもの。記録を見るのはお仕事です」
夢子の“書記”という肩書きは、実質的にすべての記録情報にアクセスできるという意味を持つ。
それを誰よりもよく知っていたのは、桃喰綺羅莉だった。
査問は夢子の圧勝に終わる。
清華は失脚し、会内の空気はざわめきに包まれた。
「蛇喰夢子…生徒会を、内側から壊すつもりか?」
副会長が訊いた。
夢子は微笑んで、こう答えた。
「いいえ。もっと面白いものを、創るだけです」
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