テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
夜凪 くら@旧しゃけ
370
るー
7,827
百桃
地雷さん🔙or自衛
キャラ崩壊大
ご本人様関係ありません
🌸彡は🍣彡のこと 百くん と呼んでいます
今回からこっちで投稿するね~
. ₊ ⊹ . ₊ ⟡ ˖ . ₊ . ݁₊ . ݁ ⟡ ݁⊹ . ₊ ݁.. ₊ ⊹ . ₊ ⟡ ˖ . ₊ . ݁₊
# 逃げても、君は俺のもの。
登場人物
内藤 百 (🎲🍣)
普段は明るく、人当たりもよく、桃を誰よりも大切にしている。けれど、その愛情はいつしか異常な独占欲へと変わっていた。
桜司 桃 (🎼🌸)
明るく仲間思いで、百のことを心から信頼している。だが、百の隠された一面を知り、次第に恐怖を感じるようになる。
#01 逃げても、君は俺のもの。
桃と百が付き合い始めたのは、今から半年ほど前のことだった。
百はいつも桃を気にかけてくれた。
忙しい日でも連絡をくれるし、桃が疲れているときには、何も言わずに好きな飲み物を買ってきてくれる。
桃が冗談を言えば笑ってくれる。
落ち込んでいれば、くだらない話で笑わせてくれる。
桃にとって、百は自慢の恋人だった。
百「桃ゞ、おかえり!」
桃「ただいま〜! 百くん、今日も来てたん?」
百「うん。桃ゞに会いたかったから!」
百は笑顔で桃を抱きしめた。
桃にとって、百は大好きな恋人だった。
桃「今日さ、メンバーと飯食ってきたんよ!」
百「へぇ、誰と?」
桃「いつものみんな!」
百「……ふぅん」
ほんの一瞬、百の表情が止まった。
けれど、桃が顔を上げたときには、もういつもの笑顔に戻っていた。
百「楽しかった?」
桃「めっちゃ楽しかった!」
百「そっかぁ。でも、次は俺とも遊んでね?」
桃「もちろん! 百くんとも行きたいとこいっぱいあるし!」
百「……約束ね?」
桃「うん!」
桃は疑いもしなかった。
その笑顔の奥に、百がどんな感情を隠しているのかなんて。
異変に気づいたのは、それから数週間後だった。
桃「……あれ?」
桃はスマホを見つめた。
友人に送ったはずのメッセージが、なぜか消えていた。
おかしいと思いながらも、気のせいだろうと流した。
けれど、それだけではなかった。
予定を入れようとすると、百が必ず聞いてくる。
誰と行くのか。
何時に帰るのか。
どこにいるのか。
最初は心配してくれているのだと思っていた。
しかし、次第にその質問は増えていった。
百「桃ゞ、明日って予定ある?」
桃「ん〜、友達と遊ぶかも!」
百「……誰?」
桃「え、普通に友達だけど」
百「名前、教えて?」
桃「なんで?」
百「恋人の交友関係くらい、知っておきたいじゃん?」
桃「……まあ、そうだけど」
桃が名前を告げると、百は満足そうに頷いた。
百「そっか。じゃあ、楽しんできてね」
その笑顔に、桃は少しだけ違和感を覚えた。
けれど、それ以上は何も言えなかった。
決定的だったのは、ある日の夜。
桃が百の家を訪れたときだった。
桃「百くん、俺のスマホ知らない?」
百「テーブルの上じゃない?」
桃「ないんだよ。さっきまであったのに……」
百「……ああ、これ?」
百は自分のポケットからスマホを取り出した。
桃「え?」
百「桃ゞ、最近スマホばっか見てるから。ちょっと預かってた」
桃「……は?」
桃は思わず聞き返した。
桃「いや、なんで勝手に持っとるの?」
百「そんな怒らないでよ。心配だっただけ」
桃「心配って、意味わかんない……返して」
百「やだ」
あまりにも自然な返事だった。
桃は固まった。
百は笑顔のまま、スマホを背中に隠した。
百「ねぇ、桃ゞ。俺のこと好き?」
桃「……好きだけど」
百「じゃあ、いいじゃん」
桃「よくないでしょ! 返してって!」
声を荒らげた瞬間、百の笑顔が消えた。
百「……そんなに、俺よりスマホが大事?」
桃「そういう話じゃない!」
百「じゃあ、どういう話?」
百が一歩近づく。
桃は反射的に一歩下がった。
その動きを見た百の目が、ゆっくりと細められた。
百「……なんで逃げるの?」
桃「逃げてない……」
百「嘘」
百は桃の手首を掴んだ。
百「桃ゞ、最近おかしいよ。俺がいるのに、ほかのやつと遊びたがるし。俺が連絡しても、すぐ返さないし」
桃「……百くん?」
百「俺、こんなに桃ゞのこと考えてるのに」
声が震えていた。
怒っているのか、悲しんでいるのか。
桃には、もうわからなかった。
桃「……俺、百くんのこと好きだよ。でも、これは違うでしょ……」
その言葉を聞いた瞬間、百はふっと笑った。
百「……そっか」
掴んでいた手を離す。
百「ごめんね。怖がらせちゃった」
桃「……」
百「今日はもう帰っていいよ」
桃は何も言わず、スマホを受け取って家を出た。
背後から聞こえた百の声が、ずっと耳に残っていた。
百「……また明日ね、桃ゞ」
まるで、何事もなかったかのように。
その夜、桃はほとんど眠れなかった。
百は優しい。
ずっとそう思っていた。
けれど、今日の百は違った。
自分の知らない誰かを見ているようだった。
翌朝、桃は百から届いたメッセージを見た。
『おはよう、桃ゞ!』
『昨日はごめんね』
『今日、会える?』
いつもどおりの文章。
いつもどおりの絵文字。
なのに、怖かった。
桃は返信できなかった。
すると、すぐに次のメッセージが届いた。
『桃ゞ?』
『忙しい?』
『ねぇ』
『なんで返してくれないの?』
『俺、なんかした?』
そして最後に。
『……俺のこと、嫌いになった?』
桃の指が震えた。
返信しなければ。
そう思うのに、何を返しても、またあの百に戻ってしまう気がした。
桃はスマホを伏せた。
そして、決めた。
少しだけ距離を置こう。
ちゃんと話せるようになるまで、会わないでいよう。
それが間違いだったのかどうか、桃にはわからなかった。
ただ、その日の夕方。
桃が玄関を開けた瞬間、そこに百が立っていた。
百「桃ゞ!」
百はいつもの笑顔で手を振った。
百「迎えに来ちゃった!」
桃「……なんで、ここに」
百「え? 会いたかったから!」
桃「……連絡、返してなかったじゃん」
百「うん。だから心配になっちゃって」
百は首を傾げた。
百「ねぇ、桃ゞ。俺、嫌われた?」
桃「……そんなこと」
百「じゃあ、なんで会ってくれないの?」
桃は言葉を失った。
百は笑っていた。
けれど、その目は少しも笑っていなかった。
桃「……ちょっと、考えたいことがあって」
百「何を?」
桃「……」
百「俺とのこと?」
桃「……うん」
数秒の沈黙。
そして百は、小さく頷いた。
百「……そっか」
一歩、近づく。
桃は一歩、下がった。
百「……やっぱり、逃げるんだ」
桃「ちが……」
百「俺から離れたいんだね?」
桃「百くん、落ち着いて……」
百「落ち着いてるよ?」
百は笑った。
百「俺、すごく落ち着いてる」
その声が、あまりにも穏やかだったから。
桃は、余計に怖くなった。
桃「……ごめん、今日は帰って」
百「……」
桃「お願い」
百はしばらく桃を見つめていた。
やがて、ゆっくりと頷いた。
百「……わかった」
そして、優しく微笑んだ。
百「またね、桃ゞ」
百が帰ったあと、桃はすぐにドアを閉めた。
鍵をかけ、背中を預ける。
桃「……なんなの、ほんと……」
その夜、桃は家族に事情を話し、しばらく別の場所で過ごすことにした。
百には何も告げなかった。
今は、離れたかった。
ただ、それだけだった。
数日後。
桃は、いつもの日常を取り戻そうとしていた。
友人と話して、笑って、ご飯を食べる。
百のことを考えない時間が、少しずつ増えていく。
そんなある日、スマホに見覚えのある名前が表示された。
『内藤 百』
桃の体が強張った。
メッセージを開く。
『元気?』
『ちゃんとご飯食べてる?』
『最近寒いから、風邪ひかないでね』
『桃ゞの好きな店、今度一緒に行こうよ』
どこまでも優しい文章だった。
だからこそ、胸が苦しくなった。
桃は、しばらく画面を見つめたあと、返信した。
桃『百くん、ごめん』
桃『俺、今は会えない』
送信。
すぐに既読がついた。
そして。
百『……なんで?』
たった四文字。
続けて、メッセージが届いた。
百『俺、謝ったよね?』
百『ちゃんと反省してるよ?』
百『桃ゞが嫌がること、もうしないから』
百『だから、帰ってきてよ』
桃は唇を噛んだ。
桃『ごめん。でも、今は無理』
送信した瞬間、電話がかかってきた。
百だった。
桃は出なかった。
また電話が鳴る。
出ない。
三度目。
四度目。
やがて、着信は止まった。
桃はほっと息を吐いた。
その直後、最後のメッセージが届いた。
百『……わかった』
百『今は、ね』
桃の背筋が冷たくなった。
その週末。
桃は、友人と街を歩いていた。
桃「いや〜、久しぶりに外出た!」
友人が笑う。
友人「お前、最近大丈夫か? なんか元気なかったじゃん」
桃「ん〜、まあ、ちょっといろいろあってな!」
友人「無理すんなよ」
桃「ありがと!」
桃は笑った。
久しぶりに、心から笑えた気がした。
そのとき。
向こう側の歩道に、見覚えのある人影が立っていることに気づいた。
黒い服。
見慣れた髪。
そして、こちらを見つめる目。
桃「……え」
百だった。
目が合った瞬間、百が微笑んだ。
いつもの笑顔で。
桃の足が止まった。
友人「……桃?」
桃は答えられなかった。
百はゆっくりと近づいてきた。
百「桃ゞ!」
明るい声。
周囲の人が振り向くほど、嬉しそうな声だった。
百「久しぶり! 元気そうでよかったぁ!」
桃は震える声で尋ねた。
桃「……なんで、ここにいるの」
百「え? 買い物!」
百は笑った。
百「偶然だねぇ!」
偶然。
その言葉を、桃は信じられなかった。
百は隣の友人に目を向けた。
百「……お友達?」
友人「あ、ああ……」
百「そっかぁ」
百はにこやかに頭を下げた。
百「いつも桃ゞがお世話になってます」
あまりにも自然だった。
まるで、何も問題なんてない恋人同士のように。
百「……桃ゞ、ちょっと二人で話せる?」
桃「……無理」
桃は即答した。
百の笑顔が止まった。
百「……え?」
桃「俺、帰るから」
桃は友人の袖を掴んだ。
桃「行こ」
その瞬間、百の声が低くなった。
百「……桃ゞ」
桃は振り向かなかった。
百「俺から逃げるの、やめてくれない?」
周囲の音が遠くなる。
桃「……っ」
百「俺、桃ゞのことが好きなんだよ」
百は笑っていた。
百「こんなに好きなのに、なんで逃げるの?」
桃は、震えながら振り返った。
桃「……怖いんよ」
百の表情が固まった。
百「……は?」
桃「百くんが、怖い」
言ってしまった。
ずっと言えなかった言葉だった。
桃「……俺、前みたいに百くんといれない」
百「……」
桃「好きだったよ。ほんとに好だった。でも、今は……一緒にお いると、何されるかわかんないって思っちゃう」
百は黙っていた。
桃「ごめん」
桃は頭を下げた。
桃「もう、終わりにしたい」
その瞬間、百の顔から笑顔が消えた。
百「……終わり?」
低い声だった。
百「……俺と?」
桃は唇を噛んだ。
桃「……うん」
百は、しばらく動かなかった。
そして。
百「……そっか」
笑った。
百「……わかった」
あまりにもあっさりした返事に、桃は戸惑った。
百は桃を見つめた。
百「……今まで、ありがとね」
そう言って、背を向けた。
そのまま人混みの中へ消えていく。
桃は、しばらくその場から動けなかった。
友人「……桃、大丈夫か?」
桃「……うん」
けれど、胸の奥に残る不安は消えなかった。
その日の夜。
桃は、百から届いた最後のメッセージを読んでいた。
百『今日はごめんね』
百『びっくりさせちゃったね』
百『もう、追いかけないから』
百『桃ゞが幸せなら、俺も嬉しいよ』
桃は目を閉じた。
本当だろうか。
本当に、終わったのだろうか。
それでも、今は信じたかった。
桃『……ありがとう、百くん』
それだけ返信して、桃はスマホを置いた。
もう戻らない。
そう決めた。
それから、一か月が過ぎた。
百から連絡は来なかった。
街で見かけることもなかった。
桃は少しずつ、以前の生活を取り戻していた。
笑えるようになった。
眠れるようになった。
百の名前を見ても、以前ほど動揺しなくなった。
そして、ある夜。
久しぶりに、知らないアドレスからメールが届いた。
件名はなかった。
本文には、たった一行。
『桃ゞ、元気?』
桃は息を呑んだ。
差出人の名前はない。
けれど、わかってしまった。
桃「……百くん……?」
指先が冷たくなる。
返信するべきか。
無視するべきか。
迷っているうちに、もう一通届いた。
『返事はいらないよ』
『ただ、これだけは伝えたかった』
桃は画面を見つめた。
そして、最後の一文が表示された。
『俺、今でも桃ゞのことが大好きだよ』
胸が苦しくなった。
あの優しい声が、頭の中で蘇る。
笑顔も。
温かい手も。
そして、あの怖い目も。
全部、同じ人だった。
桃はスマホを伏せた。
桃「……もう、嫌だ……」
小さく呟いた声は、誰にも届かなかった。
百のことが嫌いになれたわけではない。
楽しかった思い出まで、嘘だったとは思いたくない。
でも。
好きだったからこそ、怖かった。
優しかったからこそ、信じてしまった。
そして、信じていたからこそ。
あの人の知らない顔を見たとき、どうしていいかわからなくなった。
桃は、ゆっくりと息を吐いた。
もう、戻らない。
どれだけ寂しくても。
どれだけ懐かしくても。
自分の気持ちを押し殺してまで、誰かのそばにいる必要はない。
そう、自分に言い聞かせた。
一方、その頃。
百は自分の部屋で、スマホの画面を見つめていた。
送信済みのメール。
返信はない。
百は小さく笑った。
百「……そっか」
スマホを置く。
机の上には、桃と一緒に撮った写真があった。
笑顔の桃。
その隣で、嬉しそうに笑う自分。
百は写真を手に取った。
百「……桃ゞ」
指先で、写真の中の桃の顔をそっとなぞる。
百「俺、ちゃんと待ってるよ」
優しい声だった。
百「いつか、また会えるよね?」
返事はない。
それでも百は笑った。
百「……だって、俺たち、あんなに幸せだったじゃん」
写真を胸に抱きしめる。
百「俺は、今でも幸せだよ」
そして、静かに呟いた。
百「……桃ゞがいなくても、桃ゞのことだけ考えてるから」
部屋の中に、百の声だけが響いた。
数か月後。
桃は、友人たちと笑っていた。
百のいない日常。
最初は寂しかった。
何度も振り返りそうになった。
けれど、今は少しずつ前を向けている。
スマホが震えた。
桃は画面を見た。
友人からの、くだらないメッセージ。
桃は笑って返信した。
もう、怯えなくていい。
もう、誰かの顔色ばかり窺わなくていい。
桃は空を見上げた。
桃「……俺、これでよかったんよな」
風が吹く。
答えは返ってこない。
それでも桃は、歩き出した。
自分の足で。
自分の意思で。
もう、誰にも縛られないように。
――そう、信じたかった。
その夜。
桃のスマホに、一件の通知が届いた。
差出人の名前はなかった。
本文は、たった一行。
『おやすみ、桃ゞ』
桃の指が止まった。
画面を閉じる。
何も見なかったことにする。
そして、スマホを引き出しの奥へしまった。
桃「……もう、終わったんだよ」
そう呟いて、桃は部屋の明かりを消した。
けれど。
暗闇の中で、最後まで消えなかったものがある。
百の声。
百の笑顔。
百の、あの優しい囁き。
百『ずっと俺のそばにいてね』
桃は布団を握りしめた。
桃「……百くん」
名前を呼んでも、返事はない。
もう会わない。
もう戻らない。
そう決めたのに。
心のどこかでは、まだあの頃の優しかった百を探してしまう。
それが恋だったのか。
執着だったのか。
桃には、まだわからなかった。
ただ一つ、確かなことがある。
桃は、百から逃げた。
そして、今も逃げ続けている。
けれど百は、まだ諦めていない。
桃が知らないところで。
桃が気づかないところで。
いつかまた会える日を、信じながら。
百「……桃ゞ」
百の声が、暗い部屋に落ちた。
百「逃げてもいいよ」
優しく、甘く。
まるで、恋人を安心させるように。
百「……いつか、俺のところに帰ってきてね」
その笑顔は、誰にも見られていなかった。
そして。
桃はまだ知らない。
百が本当に諦めたのかどうか。
それを確かめる術は、もうどこにもなかった。
――END……?
百「桃ゞ、俺は諦めないよ。
君を手に入れるまで」
コメント
1件
第1話、読ませていただきました。桃さんの「好きだったけど怖い」という揺れる心情が丁寧に描かれていて、胸が締め付けられました。百さんの優しい笑顔の裏にある執着の温度差が不気味で、特に最後の一行がぞっとします…。この先、どうなるんでしょう。続きが気になります!