テラーノベル
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ゆき
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今日は真冬日らしく、冷たい風を浴びる度に体温が奪われる感覚に襲われる。仁人は寒がっていないだろうか。仁人の大事な喉を守るためだと思っていたマスクが、実は風邪によるマスクだったらどうしよう。仁人、体弱いとこあるし。仁人に風邪を引かすだなんて、何のための俺なんだ。ああ、仁人を直接をあたためることは出来なくても、マフラーの一つくらい贈ればよかった。そんな後悔が頭をよぎる。
今日の仁人の帰りはそんなに遅くないはずだったから、俺が事前に部屋をあたためておいておこう。それで仁人が好きな食べものも用意して、ふふ、仁人びっくりするかな。
そういえば、さっき見たことのない知らない奴が仁人に話し掛けていたな。仁人は警戒心が強いからすっごい顰め面だった。そんな顔も俺からすればかわいいって思っちゃうけど、俺はやっぱり仁人が笑ってる顔の方が好きだ。
仁人には早く機嫌を直してほしいから、もう仁人の家に向かっていろいろ準備しよ。
…あれ?鍵が開かない。なんだよ仁人、いつの間に鍵を変えたんだ?ひどいじゃん俺に黙ってさ。
仕方ないので、持っていた道具を使って何とか仁人の部屋の鍵を開けた。なんか探偵とかスパイみたいでかっこよくね、俺。仁人惚れちゃうかも。
まるで自分の家のように入って、暖房を点けて、部屋の中の確認をして、仁人が好きなものを作って。
《お疲れさま。離れてても俺はいつでも仁人の傍にいるから。》
《でも、なんで勝手に鍵変えたの?》
最後に置き手紙を残して仁人の部屋から出た。本当は帰ってきた仁人を迎えて仁人と一緒にいたかったんだけど、朝が早いから、断念。
今日もかわいかったよ仁人。
また、明日。
(昨日も今日も明日も、ずっとずっとずぅっと、仁人を見続けることが俺の使命)
end
🩷はただの一般人
コメント
1件
うわっ……これ、めっちゃ重いやつだ……でも好きだわ🤍 「仁人のため」って思いながら、鍵を壊して部屋に入って、飯作って、置き手紙して、「ずっと見続けるのが使命」って——もう完全に執着の完成形じゃん。 読んでて背筋ゾワッとしたけど、その“狂気”がちゃんと愛の形として描かれてるのが、えぬえぬさんのすごいとこだと思う。 続き、気になるよ……仁人はこの“使命”に気づいてるのかな。