コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
神話解説『アフロディテの章』より抜粋 ***
――ギリシャにおいて「月の女神アルテミス」(ローマにおいてはダイアナと同一視されている女神。狩猟や貞節を司る)が、その処女性を誇示するため、しばしば月明かりの下で裸になるという逸話が残っていることはご存知のことと思う。だが、「アフロディテ」もまた同じことをやったというのだ! はたして本当にそうなのだろうか?
「いいえ」とある歴史家は断言している。
古代ギリシャの詩人たちが言うには、アポロン神がゼウス神の妻ヘーラーと密会している現場を目撃し、嫉妬のあまり神々の女王たるアテーナーをけしかければ事態が解決するかと考えたアフロディテだったが、結局それは失敗に終わり、かえってゼウスの怒りを買う結果となったのだという。「月の女神と夜の女神は同根なのだから……、まあそういうことでしょうな」とポセイドンは後に言ったとかなんとか……。
ギリシャ神話における太陽神のアポロン(ラテン読みでサントン/アポローン)。音楽や詩の技に長けているだけでなく、竪琴の名手として名高く、狩猟の神としても名高い。美少年の姿で登場することも多いが、青年の姿をしている時は、金髪に青い瞳のハンサムであることが多い。
太陽の矢を射ることができる弓の名手であり、また火刑の刑に処された罪人の魂を天上に昇らせる力を持つともされる。
竪琴の音色と共に死者の霊を呼び戻し安らぎを与え、その魂を送り還して天へ昇らせる力を持つとされています。他にも疫病や戦争、飢餓などの災害を防ぎ平穏な暮らしをもたらすとされます。一方で嫉妬心を抱きやすく不吉なものともされるそうです。また月の女神とも同一視されていますね。
神話によれば女神アプロディーテの息子でオリンポス山に住むアポロンの妹に当たると言われます。アポロンは兄であると同時に父でもありましたが……ギリシャにおいて近親相姦はそれほどタブーではなかったようですね。むしろ積極的に行われていたらしいとか。とはいえ近親婚を繰り返した結果、子々孫々と受け継がれてきた血によって遺伝子が狂って子孫たちに奇形が生まれ始めたという例が幾つかあったそうなのですが、それこそが先程の病気の元になったのではないかとされているのだそうで。まあ、だからといって必ずしも遺伝するとかそういった訳でもないでしょうけどね。
あとこれは余談なのですが、ギリシア文化において最も重要視していたものは美だったようで、例えば古代ギリシア人の理想像は『理想的な容姿を持つ』ことだったとか。
古代ギリシャでは顔貌が整っていることは何よりも重視されていたんですね。そしてその基準とは……眉が細い・目が切れ長、鼻筋が通っている等々の美の基準です。
これは当時の彫刻を見てもわかりますよね?ギリシアの美術においては美しい顔をしていなければ芸術作品の価値なしだったんですよ