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俺は昔からよく夢を見るのだが、今日もまた不思議な夢の続きを見たんだ……それは一体どんな内容だったかと言えば……。
(確かあれって何処かの村みたいな場所で変な格好をした人達に囲まれていたんだよな?それにしては何か凄くリアル過ぎるというのかなんなのか良く分からないんだけどさ。本当にあの光景は何を意味しているんだろうか?)
とりあえず、いつもどおりに起きようとして……なんだか体がだるいことに気づいたんだ。それに、部屋の中が何だかもわっとしていたしね。僕はその空気の悪さに耐えかねたのかなんなのか、目を覚ました。そして気がついたら目の前に大きな鏡があって――そこに写っている自分の姿を見たんだよ。そのとき僕の体の中に、今まで感じたことの無い妙な違和感があったんだけど、そのせいで鏡を見ていて気がつかなかった。自分の体に何が起こっていたかをね!だってそこには見たこともない僕の姿がいたんだもん! まず目に入ったのは自分の髪の毛だったよ。銀色に輝く髪に、まるでお人形さんみたいに大きくてつぶらな瞳、ぷっくりとした頬……そうさ、それはどこから見ても美少女だった!! 思わず声を上げそうになったところでやっと気づいた。そうだ……今の自分の体は女の子なんだってことに。慌てて自分の股間を確認するために手を伸ばしたけど……無い!男の証たるアレが無いじゃないか!!どうしよう!?こんな姿で外に出たら大騒ぎになるよね!? だけど、そんな僕の心配はすぐに無くなった。何故かっていうと、すぐに部屋にあるインターホンが鳴る音が聞こえてきたからだ。しかも何度もピンポンと鳴り止まなくて……。一体誰が来たんだろうと思って恐る恐るドアを開けたら……そこに立っていたのは父さんの会社の部下の方々でした☆みんなスーツ着ているからきっと仕事だろうね。でも、父さんがいないときにやって来るなんて珍しいこともあるもんだなあと思ったんだけど、話を聞くうちにその理由を知って納得だよ!だって今、会社の方は大変な状況になっていて、今日はその報告をしに来たらしいし。まあ何が起こったのか詳しくは知らないけれど、とにかく社員たちがバタバタしていて凄い忙しい状態らしく、社長の父さんもとてもじゃないけど家に帰れない程だという話を聞いて驚いたよ。そして部下の方が最後にこう言ったのには更にびっくり!!なんと僕を預かってくれないかと言ってきたのだ!!なんでも父さんはどうしても帰らなくちゃいけない用事があるとかなんとか言ってたっけ?その話を聞いた僕は思わず叫んでしまったほどビックリして慌てふためいてしまったわけだが……。まさかこんな事になるとは夢にも思わなかったからねえ〜……。
* さてさてそれからというものの……。僕の目の前にいる人達は誰でしょう?正解はもちろん……父の会社の人たちです♪えっとですね、実はこの人達……今日は僕の家にお泊まりする事になりました。もちろんそれは僕にとっては嬉しい出来事だったんですけど、ちょっと困った事もあるんですよねぇ。なぜかというとその前にちょっぴり昔話をしてもいいかな?そうこれはまだ母さんが生きていた頃の小さな幸せのお話しなんだけれども。まぁ簡単に言えば家族3人で暮らしていたあの日の出来事を思い出しながら書いてみようと思います! *
***
あれはまだ僕が5歳の子供の時。とある冬の日の夕方頃に、突然母さんが亡くなった。その時は本当に何も考えられなくなって頭が真っ白になって泣き喚いていただけだったのだが、時間が経つにつれてだんだんと心が落ち着いてきて悲しさが増していく一方になった。どうして死んでしまったのかよく分からないままだったけれど、とりあえず1番先に思い浮かんだのは父さんの顔だった。父さんはいつも家に帰らないし連絡も滅多にこないし家に居ても仕事ばっかりしていて殆ど話したこともなかったけれど、それでも父さんじゃないかってそう思えた。だから急いで電話をかけようとしたのだけれども、僕の携帯電話の電池が無くなって切れてしまった。僕はもうどうしようもないくらいに不安で仕方なくなってしまい泣いているしかなかった。するとしばらくして玄関のドアをノックされた。誰かが来たと思って慌てて涙を拭いて出てみるとそこにはスーツ姿の父さんがいた。そして一言だけ言った。『一緒に来るかい?』と言ってくれたのですぐに返事をした、『うん』とただそれだけ言って車に乗った。
それからしばらく車の窓の外を見てぼーっとしていた。辺りはとても暗くなっており外灯だけがポツリポツリと寂しく照らしていた、それに雪が降っていてとても寒かった。今からどこに連れて行かれるのだろうかと少し怖くなってきた頃、急に大きな屋敷が見えてきた、それは洋風の造りになっていてまるでお城みたいな見た目をしていた。車はゆっくりと敷地内へと入っていった。中に入ってみるとその建物の広々とした庭では白い息をして手を擦り合わせながら子供みたいにはしゃぎ回って遊ぶメイド服の人達や綺麗なお花畑が広がっていた、そんな風景を見ているうちにいつの間にか車が止まった、そこは家の正面入口の前で目の前の大きな両開きの扉には金色の文字で書かれた英語で何か書いてあったが僕は読むことができなかった。