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庵野
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kurara
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ヘリオトロープ③
大森side
「おはようございます」
大森「おはよう」
「おはようございますっ、主任!」
大森「おはよう」
週末を満喫して元気な奴も居れば、ああ、また月曜日か、とでも言わんばかりの奴も居る。
そんな週明けの月曜日
俺は部下達と朝の挨拶を交わしながら自分のデスクについてパソコンを立ち上げる。
起動の数分間にオフィスを見渡せば、まだ若井が来ていなかった。
いつもなら俺より早く来ていることが多いくらいのやつが来ていない……
まあ……始業まで後20分はあるから大丈夫だろ
週末の件が頭を過ぎったが、それだけで欠勤するほど若井が学生気分の社会人ではないだろうと思い、立ち上がったパソコンで早速メールのチェックを始めた。
メールチェックをしつつ、出勤してきた部下たちに挨拶をされ、ふと時計を見ると始業3分前
大森「なあ、今日若井から欠勤の連絡とか聞いてるか?」
武智「いや……聞いてないです」
近くのデスクのやつに聞いても連絡はなし……
大森「武智、すまないが時間になったら若井に連絡を」
若井「遅くなりました!!」
始業時間になったら連絡させようと思っていたら時間ギリギリに若井が出勤してきた。
武智「……主任……若井ギリギリきましたね」
大森「……ああ、だな」
始業開始のチャイムの数秒前
一応遅刻ではないものの、あまりにもギリギリすぎる。
大森「若井」
若井「あっ、ふぁいっ!」
走ってきて息が整わないからか、若しくは俺に呼ばれたからか若井の返事は、はい、をいい損ねていた。
大森「ちょっと来て」
若井「は、はい」
大森「何言われるかわかってはいると思うけど、俺週明けですぐやらなきゃいけないことあるんだよね。ひと段落したらまた呼ぶから、とりあえずそれまでは業務こなして」
若井「え、……はい」
遅刻でないにしろ、ギリギリすぎる出社で何もお咎めなしも周りに示しがつかない。
だからと言って遅刻はしていないやつを、公開処刑のようにみんなの前で詰め寄る気もない。
それに、若井に言った言い訳は本当で、まだメールチェックも終わっていないし、新しくやらなければいけない仕事の割り振りもしなければいけない。
それが終わってから、隣の会議室にでも若井を呼べば、遅刻の件で俺から呼ばれたことを周りに周知させることも出来るし、若井もギリギリの理由を大勢の前で晒さなくて済む。
これが俺の出来る最大の配慮だ
・
・
・
大森「若井、今いいか?」
若井「あっ、は、はいっ」
大森「じゃあ……ちょっとあっち行こうか」
若井「え、」
大森「隣、会議室ね」
若井「……はい」
チラチラと視線を浴びながら、若井を会議室へと連れて行く。
大森「何言われるかわかってるとは思うが……一応俺は怒ってはないけど、言わなきゃいけない立場だからな。……まあ、今日遅刻はしてはないけど、流石にギリギリすぎる。いつもの20分、30分前出勤が当たり前だとは言わないが、せめて5分前には来い」
若井「はい……」
大森「んで、遅刻ギリギリだった理由は?」
若井「あー……いや、その……」
大森「なに?寝坊?」
若井「いや……まあ……」
大森「なんだよ、週末だったからって遊びすぎて寝坊とか社会人なんだから考えて遊べよ」
若井「ち、ちがっ、そんなんじゃないっっ……です」
大森「いや、そんなムキになるなって……まあ、悪かった。ちょっとプライベートに突っ込みすぎたわ」
まあ、いくら俺と若井が同い年だと言っても、友達ではなく、あくまで会社の人、だ。
プライベートに踏む込む訳にはいかない。
大森「まあ、次は無いからな、話はそれだけだ」
若井「……しゅ、主任っ、あの」
大森「なに?」
若井「ち、遅刻ギリギリだった原因は……主任のこと考えてたからですっ!」
大森「…………は、はぁぁぁっ?!!」
若井の遅刻ギリギリが俺?
俺のせい?
コイツは何を言ってるんだ
大森「お前、ちょっと意味わかんないんだけど」
若井「お、俺っ、あの日……俺なりに帰ってから調べたんですっ!!!」
調べたって……
何を調べたんだ……よからぬ事しか想像出来ない……
大森「ちょ、落ち着けよ、それに声がデカイ。ちょっと落ち着け………………ほら、水飲め」
会議室にあるドリンクサーバーから若井に水を渡し、落ち着かせる。
俺も若井の意味のわからないことに理解をするためと、自分自身を冷静にさせるためにも水を飲んだ。
若井「……ゴクッ……ゴクッ………………ふぅ…………その……俺、帰ってから……身体痛くなくて…………あの……男同士で初めてなら絶対ケツが痛くなるってネットで書いてて……」
大森「ブフォッ!!!」
若井「しゅ、主任っ!」
大森「ゴホッゴホッ……おま……なに……会社……ゴホッゴホッ……言ってんだよ!ボケ」
若井「す、すみません……でも……僕があの日、自分のケツが痛くなくて裸だったのは……僕が主任を襲ったってこと……ですよね……主任……身体……ケツ……大丈夫ですか?」
やっぱりよからぬ事を調べた上によからぬ妄想を膨らましていた……
大森「わ、若井……ちょっと落ち着」
若井「俺っ!週末ずっと主任のこと考えてて……謝らなきゃ、とか、週明けどんな顔して会えばいいのか、とかずっと考えてたら寝れなくて……そしたら朝寝坊したんです……ほんとすみません……」
大森「いや、だから若井」
若井「で、俺の出した結論なんですけどっ!やっぱり俺!!責任をと」
大森「若井!!」
若井「っ?!」
大森「落ち着け、そして俺の話を聞け」
若井「いや、でも」
大森「でもじゃない、お前は勘違いしてんだよ」
若井「え」
大森「あの日、俺たちは何もしてない」
若井「え……えーーっ!!」
大森「だからうるさい!!とりあえずあの日は…………」
あの日、何がどうなって若井が裸だったかの話を勘違い野郎に一からから丁寧に話をした。
大森「ってことだ、だから俺たちは何も無い」
若井「……」
大森「なんだよ、その複雑な顔は」
若井「ホッとしてるような……ガッカリしてるような……」
大森「なんでガッカリするんだよ、お前……ノンケだろ」
若井「……のんけ?」
大森「…………男には興味ないだろ、ってこと。それにそこはホッで合ってんだよ」
若井「…………主任は……」
大森「ん?」
若井「主任は……そう言う言葉知ってるってことは…………のんけ……じゃない……ってこと…………ですか」
コイツ……
こういう時だけ無駄に頭回しやがって
大森「俺は……ノンケじゃない。悪かったな、そんな奴の家に連れ込んで、別に誰かに言いたければ好きにしろ」
若井「い、言わないですっ!でもっ」
若井「でもってなんだよ」
若井「しゅ、主任の秘密を秘密にするんで、その見返りに」
大森「だーかーらー、俺は別に言いたきゃ好きにしろって言ってるだろ、俺に脅しは効かない」
若井「脅しじゃないです!でも主任だって今のんけじゃないのがバレたら、もうすぐある他社合同のプロジェクトのチームの人身選びに困ると思います」
脅しじゃないって言いつつ、脅してんじゃねーか
クソっ
大森「チッ…………なんだ」
若井「え?」
大森「見返りの要求はなんだって言ってんだ」
若井「っ!!」
大森「……キラキラした顔してんじゃねーよ」
何なんだコイツは一体……
ほんと
調子が狂う
若井「……ゴホンッ……主任、僕とデートしてくださいっ」
大森「………………はぁぁぁ?!!!」
おまけ
「ホッとしてるようなガッカリしてるような」複雑な顔のイメージ。笑→( -᷄ ω -᷅ )
コメント
9件
純粋な若はいいですね…、最高です。
イメージ通りでした 笑 いいですね!盛大な勘違いからのネタばらし、からの、困惑…からの!!若井さんのウハウハ! 大森さんの「ブフォッ!」も、リアリティがあって拭くものを探してしまいました(*´ω`*) デート、楽しみですね(*´∀`)